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完璧主義 vs 完璧じゃない主義...? part2

テーマ:#グラデーションのその中へ 第二回

こんばんは、ゆうたろうです。
前回は少し寄り道して、#オススメ本・楽曲シリーズ  で「晩餐歌」をご紹介しました。

今回はグラデーションのその中へ、の第二回ということで「完璧主義」と「完璧じゃない主義」の間のグラデーションについての議論の続きです。第一回は以下をご参照ください。

前々回は「あえて二項対立から始めてみる」という議論の進め方を提示して、終わりました。今回はこの二項対立スライドをより詳しく扱っていきたいと思います!

「完璧主義」 vs 「完璧じゃない主義」

6. 売るのはモノか?コトか?

最近、コト消費という言葉がよく聞かれます。Wikipediaで定義を確認してみましょう。

コト消費とは、一般的な物品を購入する「モノ消費」に対し、「事」(やる事・する事、出来事=出来る事)つまり「体験」にお金を使う消費行為のことで、特に非日常的(アクティブ)な体験が伴う経済活動を指す。2000年代前半頃から使われるようになり、その背景として大半の人が日常生活に必要なモノを既に所有しており、インターネットの普及などによって価値観が多様化・細分化したことから「物欲より心の充実を満たしたい」という欲求の現れとされる。

Wikipedia「コト消費」

やはりモノ消費との対義語的な使われ方をしています。ではなぜモノ消費が完璧主義的で、コト消費が完璧じゃない主義的なのでしょうか?結論を言いますと、ある課題に対してモノは解決方法とその良し悪しが万人共通で明確に定義できるが、コトは万人共通で解決方法を明確に定義できず、良し悪しも個々人によって違うものだからです。

具体例を通じてさらに詳しく見ていきましょう。モノの例として挙げられるのが冷蔵庫。これは食材などを冷やしたいという課題に対して、冷やせるハコというモノを提供します。やりたい冷やし方に各々多少誤差はありますが、だいたいどの冷蔵庫も品質の良い悪いの評価が出来ます

一方、コトの例として「海に行く」を挙げてみましょう。海に行って達成したいのは、「楽しむ」ということです。そのために海では、ガチで泳ごうが、海岸線で水の掛け合いをしようが、砂の城を立てようが、ナンパに興じようが、ぼけーっとしてようが、「個々人が何を楽しいと感じるか?」によって楽しさは変わりますので、その手段は自由なのです。

具体例を踏まえると、モノ消費は「客観的に評価可能」といえます。一方、コト消費は「主観的にしか評価できない」といえます。この客観的評価軸があるかどうか?が完璧主義か、完璧じゃない主義か、の分かれ目と言えるでしょう。またこれら分析から、完璧主義はどちらかというと「手段」にフォーカスしており、完璧じゃない主義は「目的」にフォーカスしている、ということも言えると思います。

7. 組織は軍隊型か?自律分散型か?

この二項対立はwikipediaよりも図示したほうが分かりやすいので、前述の図を再掲します。

<軍隊型組織>
官僚型組織とも言われます。階層がいくつにも分かれており、基本的に意思決定は上意下達です。この型の組織に所属した方がほとんどだと思いますが、軍隊、官僚で用いられ、現在の日本企業の多くが採用している型です。

軍隊型組織

<自律分散型組織>
最近、”DAO(Decentralized Autonomous Organization)”という呼称が流行るなど、有用性を叫ぶ声が強まっている型です。階層は一つか、一に限りなく近い数です。意思決定は”自律”分散というくらいですから、できる限り各メンバーに委ねています。「集権した中央」作らないという意味で、ブロックチェーン発明当初の設計思想とも言えます。

自律分散型組織

完璧主義を実行しようと思ったら軍隊型組織、完璧じゃない主義を実行しようと思ったら自律分散型組織、がそれぞれ効率が良いといえます。

軍隊主義は、何層にも積み重なった階層をエスカレーションすることで、意思決定に関するエラーを極力排除することができますし、「完璧(≒成功)とは何か?」を定義する人物(=リーダー)が階層構造のトップに位置して、「完璧とは何か?」を直下の階層に伝える作業を繰り返すことで、効率的に全組織員に向かいたい方向性を理解させることができるためです。

一方、自律分散型組織は、エラーを排除することを前提にしていません。排除するとしてもそのエラーがクリティカルなものだけです。なので意思決定にエスカレーションを必要としておらず、むしろ個々人の能力を最大化するうえでは邪魔というスタンスをとります。組織の所属員を離散させずに繋ぐものは最低限の”コンセプト”のみ、巷ではミッション、ビジョン、バリューと言われるものだけです。

8. 正解は有るか?無いか?

6と7の議論のまとめ的な感じですが、これまでの議論から明らかなように、「完璧主義」に正解は有り、「完璧じゃない主義」に正解は無いです。逆に言えば正解があるからこそ完璧かどうか?が判別できるわけであり、正解がなければ完璧を定義しようがないともいえます。

9. 一旦のまとめ的な、気付き的な

さてここまでいかがでしたでしょうか?
ここまでで感じられた方もいるかもしれませんが、実は「完璧主義」と「完璧じゃない主義」の間の無限のグラデーションを考察することは、様々な二項対立の間のグラデーションの「源」「核」「中心」「根本」「元締め」「総本山」であるような気がしてならないのです。だからこの比較から始めました。この二項対立の比較を様々な場面に派生、応用することで、様々なグラデーションを浮き彫りにできる、そんなフラクタルな性質を持った
魔法のようなツール
だと考えています。

このテーマでは次回も「完璧主義」と「完璧じゃない主義」の二項対立を探ってみたいと思います!またお楽しみに!

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