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現代川柳句集『プニヨンマ』 感想
あなたは『プニヨンマ』をご存じだろうか。
この可愛らしい音の連なりは確かにこの世に存在するが、明確な定義はないに等しい。
私はかつて、この語を考案した張本人である森砂季氏へ、直接『プニヨンマ』なるものの意味を尋ねたことがある。
すると森氏はあっけらかんと「検索をかけても何もヒットしない言葉なんですよ」と答えるのみであった。
『プニヨンマ』とは音のみで構成された、一方ではっきりとした意味を持
『Stray Dogs』について
先日noteに投稿いたしました同人誌立ち上げに関する募集記事について、多くの方にご覧いただけましたことをありがたく感じております。
拡散にご協力くださった皆様、励ましのお言葉をかけてくださった皆様、本当にありがとうございます。
そして何より参加を表明してくださった方々、本当にありがとうございます。とても嬉しいです。私にとって初めての試みではありますが、素晴らしいものにしていきましょう。
さて
来たれ、はみ出しもの
突然の思いつきにより同人誌をつくることにしました。今年8月の発行を目指しています。
グループとしての名称は『短詩パーティー Stray Dogs』です。
私を含めた5〜10名程度のメンバーによる短詩型文学作品を掲載する「遊び場」または「実験場」としたいと思います。
発行の費用は私が全額出資する考えでいますが、その分メンバーには何かしらの協力を要請します。
募集する予定のものは下記の通りです
X(Twitter)現代川柳アンソロを読む④
ベスト・オブ・水のトラブルマグネット
まつりぺきん
自宅のポストに、時には職場のそれにも投函されている、例のペラペラのマグネット。チラシを留め置くことすら能わないほど磁力が心もとないため、適当に冷蔵庫に貼り付けてみて、それっきりのまことにつまらないものである。あの代物に「水のトラブルマグネット」と誰にでも伝わるキャッチーな名称を与えたことがまず斬新である。さらにそれに「ベスト・オブ」がつくとは。
X(Twitter)現代川柳アンソロを読む③
花屋ごと棺桶とする火事かしら
太代祐一
掲載されている句の中でも一際不穏な句である。葬送には花が欠かせないが、故人を送り出すための花を手配する花屋までも巻き込む火事。それをさらりとした言葉で火葬に例えているところが本当に恐ろしい。死の象徴でもある「棺桶」におよそ罪のないであろう「花屋」を強引に内包しようという強引な筋書きを「花屋ごと棺桶とする」という表現しているところが巧みである。
豚バラの花
X(Twitter)現代川柳アンソロを読む②
いつまでもちくわ感覚では困る
栫伸太郎
「いつまでも学生気分じゃ困るよ」といったような大人の言い分をたまに聞く。年ばかり食ってしまった今、そういった愚痴をこぼす人々の気持ちがわからないでもない身になってしまったが、一方で「説教臭い大人にだけはなりたくないよなあ」と強く思う自分がいる。この句は典型的なお説教文脈を面白おかしく作り変えている。「ちくわ感覚」とはいったい何なのか。それの何が社会において
X(Twitter)現代川柳アンソロを読む①
このままずっと続くのかと思わされるほどしぶとかった暑さもとうとう退場し、気がつけば夜はぐっと冷えるようになった。ようやく実感のこもった秋の句を作ることが出来そうで嬉しく思う。
このところ日常生活を優先してしまい、川柳EXPOの感想文が滞ってしまっている。楽しみにしてくださっていた方がもしもいらしたら、心より謝罪する。いずれ再開するつもりではあるので何卒ご容赦願いたい。
さて、前置きが長たらしく
まいにち川柳EXPO(1) 徳道かづみ「あたし的進化論」
例えるならばペーストだと思う。
響きはなめらかで、とげとげした攻撃性は含まれていない。温度はどちらかといえば冷たく、力強い生命感の歯応えも感じない。
しかし、ひとたび意識の口の中に運べば、組み合わされた言葉の持つ様々な要素が、均等に潰され、濾され、反発することなくひとつに混ざり合っていることを味わうことが出来る。漢字とひらがなの比率にもバランスのよさを感じる。
敵陣に攻めこむ時のビブラート