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1on1ミーティングの道具箱 - 第10.5回 プロのメンターが1on1のヒントとコツを紹介するシリーズ 道具:話を深める ②質問力UP【続】

「訊く」「聴く」は、1on1ミーティングでも、日常場面でも不可欠なコミュニケーションスキル。対話が止まるような場面でうまく質問を使い分け、発展させられる実践的なヒントとコツや、クセの修正例をご紹介します。第10回と2本立て。


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継続的に結果を出していくには、粘り強さが必要です。
この記事を読む「3分ルーティン」を
ご一緒に続けながら現場で実践していきましょう。



「1on1ミーティングの道具箱 」シリーズ
 第10.5回



現在地




はじめに


私たちは人生経験から
身についたよくない習慣に戻ってしまうこともしばしば。
それは自然なことであり、私を含む誰でもあること。

「1on1ミーティングの道具箱」シリーズで大切なことはこの3つです。


・失敗してもまた挑戦
・自分のペースで継続
・小さな進歩も楽しみ



第2章 ラポールを形成する



傾聴とは誠心誠意、集中して相手の語りや表現を聴くこと

 聴き手が話し手との関係の中で


3つの態度/姿勢
自分らしく落ち着きと余裕を持てる
話を聞いて相手を否定したり、すぐにアドバイスせずに受け止める
話し手のものの捉え方・考え方・感じ方にそって理解しようとする



1on1ミーティングで話を深める質問力UP【続】



1on1ミーティングでの聴き手/上司の役割行動(例)



「1on1ミーティングでの聴き手/上司の役割行動(例)」の図をご覧の通り
対話において適度に質問を交えることで、思考を広げ、深めていき
りんご=成果物=気づきへとつながります。

「質問する」は、1on1ミーティングでの「傾聴の3つの態度・姿勢」を体現する重要なスキル

コミュニケーションの効果があがるよう、質問するときのクセを修正し、
さまざまな「質問」を上手に使い分けていきましょう。



目的


♠情報収集

♠確認

♠関心(傾聴の姿勢)の伝達

♠会話の促進(会話を弾ませる)

♠発問法(思考や気づきを促す)

♠感情への働きかけ(はっきりとしていない感情の表現を促す)



種類



これからの質問は、おすすめ度 ☆☆☆☆☆ パワフル質問です!


有効な場面 ( ❕=ポイント)



♦思い込み解消の質問


思い込み(一般化)を修正し、解決に向けたいとき


いつも、そう… 必ず、そう… 思い込みを解消する質問


老若男女問わず、思い込みはあるもの。傍から見れば、些細なことでも
「いつも、そう…」「ずっと、そう…」と、ほとんどの場合にそうなるかのように思い込み、主張しがちです。

うまくいかない経験が続くと
「何をやってもダメ」 ⇒  「だから、どうせ…」と思い込み
思考は行き詰まり、対話も止まってしまいます。


”諸行無常”  (Not always so) いつもそうとは限らない


そうでないとき」や「そうならなかったとき」に目を向けさせ
そのときの状況を具体的に ”何が”  "どのように 違っていたか
焦点を当て
思考を広げていきましょう


例 I:解決のヒントを見つけ、思い込みを解消する質問
相手「私はファシリテーターには向いていません。人前で話すときは
   いつもあがってしまって…」
あなた:「緊張しなかったときを思い出せますか?それは
   どんなとき(場面)ですか?」


1on1ミーティングの目的である ”部下” の成長、自律と信頼関係の構築
のためにも、あなたのやるべき仕事に集中できるためにも
ここは安易にスルーや否定をせずしっかりと対応しましょう。
想像してみてください一人ひとりの思い込みのネガティブな相乗効果を!


※ 第4回と第5回 参照



♦コーピング・クエスチョン


努力を承認したいとき


 自己肯定感を高めるコーピング・クエスチョン(コーピング=対処する、切り抜ける)


自己肯定感を高める2つの効果

① 困難な状況への対処能力は、強みであるので
  自身の強みに気づいてもらう

② これまでの苦労や努力、対処するための工夫を承認する

敬意を込めてコーピング・クエスチョンを使うことで、相手は自分のことを承認されたと感じるでしょう。


例 J:コーピング・クエスチョン
あなた
「この状態を維持していくために、どのような工夫をされたのですか?」

「今、こうやって頑張れているのは、何が影響しているのでしょうか?」


上記のように間接的に承認する方法は、「すごいですね!」などの直接的なほめ言葉が苦手な人に適しており、「どうしたら、そんなにうまくできる
ようになるか教えてください」と質問してみるのもよいでしょう。



♦リフレーミング


見方/考え方を変えるとき


その人の強みを見出せるリフレーミング


リフレーミングとは

1つの方向からしか見ていなかった思考の枠組み(フレーム)に
新しい意味を与える
 ⇒ リフレーミング

見方が変わる ⇒ 考え方(解釈)が変わる ⇒ 反応が変わる
例えば、優柔不断 ⇒ 慎重  頑固 ⇒ こだわり


例 K:リフレーミング
あなた
「それはどのようなときに役立ちますか?」

「そのことが何かを変えるきっかけになりませんか?」


相手(部下)の持つ強さや得意なこと、潜在能力に注目することによって
強みを見出し、活かしましょう
。あなたの考え方も広がっていきます。


※ 第4回と第5回 参照



いかがでしたか?

思考が行き詰まり、否定的な方向へ意識が向いてしまうと
対話は止まります。
対話を発展させ、課題解決に向けるためにも質問をうまく使いましょう。

こんな場面ではこの質問!と使い分けられるように練習していきましょう。



次回、第11回では

「聴く姿勢」を土台に相手の話、ストーリーを深めていくスキル
     ③相づち・言い換え・要約 
をご紹介します。


「1on1ミーティングの道具箱」シリーズを通して

複雑な状況をうまく処理したり、
コミュニケーション(会話/対話)を円滑に進めたりするために
一本やりではない、成熟したコミュニケーションができる「道具」を
身につけた「フレキシブルなマネジャー」を目指しましょう。



ポイント



相手(部下)の思考が広がり、自己肯定感が高まり、
内的動機づけにより、さらなる変化と成長を!
質問の力を実感できます。



前回の #9 "Quiz & FUN"【続】


あなたは質問をするとき、何かクセはありますか?


この問いを考えながら自身の1on1ミーティングをふり返る。



質問するときのクセ(例)修正のヒント    ❕=ポイント

・ なぜ?」「どうして?」 ⇒ 相手を委縮させてしまう
  
  NG:  なぜ、これまで報告しなかったのですか?
       OK:   これまで報告しなかった訳は何ですか?

❕  事がらを主語、焦点に「理由は?」
    気持ちを聴く「どういう気持ちで?」
   ,目的を訊く「何のために?」

  
 「わかりましたか?」 ⇒ 相手が プレッシャーを感じてしまう

 NG: わかりましたか? 理解できました?
 OK: 一緒に確認しておきたいことはありますか?

❕ わかったことを前提とせずに
 「気になっていること」
 「不安を感じること」
 「もう一度説明してほしいところ」
 の表現を使って確認すると相手の心理的負担が軽くなる


 相手の意思を確認する前に自分の考えを伝える ⇒ 相手を誘導

NG: 参加すると勉強になると思いますよ。どうします?
OK: 参加については、どうしたいと考えてますか?

❕ 意思確認ではなくあなたの判断を前提とした誘導にならないように注意


・ 自分の予測通りかどうか確かめたくて訊く ⇒ 決めつけで不愉快に

NG: ○○する原因は、やはり、△△ですか?
OK: ○○する原因は、何だと思いますか?

❕ 本音を言い当てようとすると、相手は決めつけられているようで
   抵抗を感じてしまう



次回のテーマ


相手の話を深めていくスキル ③相づち・言い換え・要約



#10 .5 Quiz & FUN



「訊いたら聴く。あなたの聴くときのクセは何ですか?」



次回までに考えてみましょう!



メッセージ


ブラウン先生 映画「ワンダー・君は太陽」公式 Twitter


「ブラウン先生の最後の格言」

人をいたわれ。みんなも闘っている。
 相手を知りたかったら、やることは1つ。よく見ること。



with all of my thanks and friendship



お知らせ


1)
「1on1ミーティングの道具箱」シリーズ 公開  お休みの予定日
                      (変更の場合あり)

7/17(日)8/14(日)9/18(日)10/9(日)

2)
「1on1ミーティングの道具箱」シリーズをお読みいただきありがとう
ございます。皆さまにお忙しい中より続けていただけやすいようにと、
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