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1on1ミーティングの道具箱 - 第4回 プロのメンターが1on1のヒントとコツを紹介するシリーズ 道具:思い込みの解消①

1on1 のヒントとコツをプロのメンターが1つひとつ紹介していく
第4回「自分の考え方のクセを知る」前編
話しやすく、支援的で、お互いの違いを認め合い、失敗を恐れず前向きに挑戦できる雰囲気と対話がもてる1on1ミーティング。その実現を損ねる
考え方のクセ=思い込みを解消する分かりやすいモデルと
実践的なヒントとコツをご紹介。


継続的に結果を出していくには、粘り強さが必要です。
この記事を読む「3分ルーティン」を
ご一緒に続けながら現場で実践していきましょう。


「1on1ミーティングの道具箱 」シリーズ 第4回


現在地



はじめに


第2/3回はコミュニケーションの傾向/クセ(悪い面)を解消する
ヒントとコツをご紹介しました。何か1つ試してみましたか?

私たちは人生経験から
身についたよくない習慣に戻ってしまうこともしばしば。
それは自然なことであり、私を含む誰でもあること。

「1on1ミーティングの道具箱」シリーズで大切なことはこの3つです。


・失敗してもまた挑戦
・自分のペースで継続
・小さな進歩も楽しみ


第1章 

自分の思考やコミュニケーションのクセを
理解する


1on1ミーティングの成功に不可欠な
・ラポール形成 (信頼関係)
・心理的安全性

その基礎、土台をつくるためには

自分の考え方のクセを知る


前回の #3 "Quiz & FUN"


「あなたは、1on1ミーティングはどうあるべきだと考えますか?」


この問いを考えながら自身の態度や言動、
考え方のクセをふり返る。


自分の考え方のクセを知る 前編


「ダイアリー式メンター©」の主なメンティ(メンタリングを受ける人)は
職場で「行き詰まり」を感じているビジネスパーソンです。
じっくり傾聴に時間をかけ、ラポールを築く内にメンティの内面も
行動パターンも知ることができます。

一人ひとり、考え方の「クセ」を持ち
「思い込み」から「クセ」はできています。
「行き詰まり」を感じるのはここから来ています。

「思い込み」は対話での円滑なコミュニケーションを阻害します。
相手の考えを決めつけたり、否定したり、怒ったり、悲観したり。

1on1のみならず、目標管理制度での面談やコーチング、
メンタリング、カウンセリング研修の「傾聴」ロープレ演習でも
少なからず見受けられます。

こんな「思い込み」に心当たりはありませんか?


例:
どんな時も絶対にうまくやらなければならない
みんなに嫌われてはならない
自分にとって重要な人たちからは認められなければならない
他人はいつも私に配慮しなければならない
状況や環境はいつも私の望み通りでなければならない

改変:「凹まない練習」かおり&ゆかり著 日本実業出版社 2017年


「思い込み」は第2/3回「コミュニケーションの傾向/クセ」同様
円滑なコミュニケーションを阻害するのみならず、問題や悩みを
こじらせてしまいます。


1on1ミーティングにとって不可欠なラポールを形成するためにも、
自身の心身の健全や成長のためにも
「思い込み」の解消
について考えてみましょう。


思い込みの解消(修正)1.


「考え方を変えたら悩みが消える、ラクになる」

このテーマの土台であるABC理論についてザックリとご紹介します。


ABC理論/モデルとは


アルバート・エリス博士 臨床心理学者/アメリカ ABC理論開発者


できるなら、立派にやりたい。
できるなら、わたしにとって大事な人から愛されたい。
できるなら、私の生きている状況は満足であるものであって欲しい。
しかし、必ずしも、そうでなくてもよい。
もし、わたしの思い通りにならなかったら
それは、とても残念なことではあるが、
それで、「この世の終わり」ということではない。

アルバート・エリス博士


ABC理論

A: 刺激(でき事)
B: 刺激と反応の間にある考え方や受け取り方(認知)
C: 反応(感情、症状、行為)



例えば、
嫌なでき事が起きたために嫌な気分になったと考えがちですが
その間のBの受け取り方次第でCの気分が大きく影響を受けます。

自分でコントロールできるBの考え方、受け取り方を変えることによって
早く悩みが消える
というのが知的で合理的な解決策と言われている
ABC理論。でき事からすぐに感情が生じるわけではありません。



あるでき事が起こったとき、まずでき事を知覚します。
「どのように見たか、捉えたか」

ここでは、まず「自分にとってよくないでき事」と捉えてから
その知覚したことを「自分の考え」に基づいて評価し判断します。

知覚したことを「どのように考えたか」

例えば、

「いつもそうとは限らない」あるいは
「絶対そうであるべき」というように。

そしてそれに見合った感情が生じます

いつもそうとは限らないと考えたら、別に「怒ることのほどでもない」
フラットです。

絶対そうでなければならないと考えたら、「怒り」爆発です。

Bのでき事をどうように考えたかが感情を決めるのです。

つまり、嫌なできごとが起こっても「考え方」を変えたら悩みは消えます


コミュニケーションと考え方のクセ(悪い面)は
日常の人間関係や業務遂行においても円滑なコミュニケーションや
信頼関係を築く妨げになります。

わたし自身の日常はもちろん、実施しているメンタリングでも1on1でも
「4つのコミュニケーションの傾向」と「ABCモデル」は有効で
ラポール形成、コミュニケーション、課題解決で大いに助けられています。

次回 「じぶんの考え方のクセを知る」後編では、皆さんの1on1に役立つ


・考え方(認知)を修正、思い込みを解消するには
(自分と相手/話し手の)思い込みを見極めるポイント

をご説明します。


「1on1ミーティングの道具箱」シリーズを通して

複雑な状況をうまく処理したり、
コミュニケーション(会話/対話)を円滑に進めたりするために
一本やりではない、成熟したコミュニケーションができる「道具」を
身につけた「フレキシブルなマネジャー」を目指しましょう。


ポイント


「ねばならない」の思い込みから自由になる。


次回のテーマ


柱 1
自身の思考やコミュニケーションのクセを理解する
タイムライン
1on1ミーティング開始前


自分の考え方のクセを知る  後編


#4 Quiz & FUN


「計画通りに進まなかったから、今日の1on1は全然ダメ」
と考えるマネジャーにどんな声をかけますか?



次回までに考えてみましょう!


メッセージ


1on1ミーティングを避けたいマネジャーへ

気分転換に機会があればサクッと目を通してみてはいかがでしょうか?
「今どきの若いモンは」①と② 吉谷光平著 サイコミ 講談社
(③以降は微妙…  個人的見解)
1on1にとっても意外なヒントがあるかもしれません。


with all of my thanks and friendship


# 1から# 5まで英語版記事を同時公開予定


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第5回 「自分の考え方のクセを知る」後編


第2回 「自分の職場での日常を知る」前編 コミュニケーションの傾向 1. 


第3回 「自分の職場での日常を知る」後編 コミュニケーションの傾向 2.



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