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1on1ミーティングの道具箱 - 第6回 プロのメンターが1on1のヒントとコツを紹介するシリーズ 道具:ラポールと傾聴

第2章 「ラポールを形成する」では 
1on1ミーティングの成功に不可欠なラポールの形成。ラポールの形成に必須の傾聴。基本的な聴く態度/姿勢と具体的なスキルをご紹介していきます。
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継続的に結果を出していくには、粘り強さが必要です。
この記事を読む「3分ルーティン」を
ご一緒に続けながら現場で実践していきましょう。


「1on1ミーティングの道具箱 」シリーズ 第6回


現在地



はじめに


私たちは人生経験から
身についたよくない習慣に戻ってしまうこともしばしば。
それは自然なことであり、私を含む誰でもあること。

「1on1ミーティングの道具箱」シリーズで大切なことはこの3つです。


・失敗してもまた挑戦
・自分のペースで継続
・小さな進歩も楽しみ



第2章 ラポールを形成する



上司と部下の関係の間にある境界線(組織図上)
評価する側と評価される側の視点の違い

私がマネジャーの頃行っていた1on1ミーティング、管理職対象のコーチング研修などで覚えた問いです。

ラポール(信頼関係)の構築も、心理的安全性も
聴き手である上司と話し手である部下の双方の ”努力”が必要です。


「相手は変えられず、変えられるのは自分だけ」
この考え方は心理学では主流であり、
『嫌われる勇気』が流行した心理学者のアドラーも
課題の介入という形でこの考え方を説明しています。
つまり部下の態度がありえない状況も
自分自身が変わることで好転する可能性があるのです。

ぬいぐるみ心理学® 2022/05/27
 


「コントロールできるのは自分だけ」ですので
まず自分自身が ”手本”として見せる、つまり「影響」を与えることです。

現在の生業、メンタリングでは

理論やスキルを自分のことばややり方(フレーム)にまでなじませながら
メンターとかコーチとかカウンセラーとかのポジションからよりも
「一人間としてわたしは今この人と対話している」(國分康孝氏)
の意識/感覚は、自分も相手も自然体になれます。

上司部下という関係を一旦横に置いて、
人間対人間として向き合ってみてはいかがでしょうか。

これくらいの心構えがあると早く信頼関係を築くことができるものです。



前回の #5 "Quiz & FUN"


ラポール(信頼関係)を形成するためには何が大切ですか?


この問いを考えながら自身の1on1ミーティングをふり返る。



ラポール(信頼関係)と「傾聴」



ラポールとは、話し手(部下/メンバー)
 聴き手(マネジャー/リーダー)の間に築かれる信頼関係

1on1ミーティングの成功はラポールが形成できているか否かが鍵

聴き手が「傾聴*」できれば 7割~8割は1on1において課題解決までも
 うまくいきます


傾聴* には「聴」という漢字が使われており、誠心誠意、集中して
相手の語りや表現を聴くこと
を表しています。

「心の耳」 部下の話を聴けていますか -傾聴のすすめ- 傾聴とは 厚生労働省



ラポールを形成するために「傾聴」が必須な理由は

  - 聴き手が話し手との関係の中で

3つの態度/姿勢  
自分らしく落ち着きと余裕を持てる
話を聞いて相手を否定したり、すぐにアドバイスせずに受け止める
話し手のものの捉え方・考え方・感じ方にそって理解しようとする 

      
  よう努めるからです。

  「3つの態度/姿勢」は1回の1on1ミーティングの開始から終了だけでは
   ありません。ラポールを形成された後も終始一貫して取り続けます。

そして

  - 話し手


安心して自由にいられるので素直に考えや気持ちを表現できる。
「自分の話を聴こうとしてくれている。
  自分のことをわかろうとしてくれている」
 と感じ、ますます聴き手、あなたに信頼を覚えるのです。


「傾聴」を受けている内に話し手は自分自身で気づきを得て課題の解決への策までも自分の内側から見つけ出せるようになります。

「傾聴」はラポールを形成するための具体的なスキル、「道具」なのです。
またラポールを形成していくと「傾聴」がうまく進むのです。

ラポールを形成するためには1on1ミーティングのときのみならず
 聴き手の日常の態度/姿勢・言動がとても重要。
 コミュニケーションのクセ、考え方のクセの解消/修正を心がけましょう。
 (第2回~第5回 参照)


第2章「ラポールを形成する」では、1on1ミーティングにおいて
ラポールを形成するための基本的な「3つの態度/姿勢」を
具体的に示すスキルをご紹介していきます。


1on1ミーティングを30分に設定した例


聴き手は「大切に聴いている。大切に関わろうとしている」と
相手に感じられ、伝わらなければなりません。


聴き手の真摯で積極的な「聴く姿勢」を示すスキル
「聴く姿勢」を土台に相手の話、ストーリーを深めていくスキル


次回、第7回の中では

聴き手の真摯で積極的な「聴く姿勢」を示すスキル

をご紹介します。


「1on1ミーティングの道具箱」シリーズを通して

複雑な状況をうまく処理したり、
コミュニケーション(会話/対話)を円滑に進めたりするために
一本やりではない、成熟したコミュニケーションができる「道具」を
身につけた「フレキシブルなマネジャー」を目指しましょう。


ポイント


ラポールの形成と傾聴はお互いに必要。相互依存の関係。



次回のテーマ



柱 2
ラポールを形成する
タイムライン
1on1ミーティング開始前
1on1ミーティングの開始から終了まで


「聴く姿勢」を示すスキル



#6 Quiz & FUN


「子どもの話を聴くためにどのようなことに気をつけますか?」



次回までに考えてみましょう!


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メッセージ


ご参考

やってみせ
言って聞かせて
やらせてみ
誉めてやらねば
人は動かじ
話し合い
耳を傾け承認し
任せてやらねば
人は育たず
やっている
姿を感謝で
見守って
信頼せねば
人は実らず
                                   山本五十六(1884年 - 1943年)

現代語訳
まずは自分がお手本を見せてあげよう。
そのやり方を丁寧に説明し、相手に聞かせてあげよう。
そして相手がそれに取り組んだら誉めてあげよう。
そうしてやらないと人は動いてくれない。
相手と話し合うことをしよう。
相手の意見に耳を傾けて、否定せずに認めてあげよう。
「このようにしてみたい」という相手のやり方にまかせてみよう。
そうしないと人は育たない。
たとえ完璧でなかったとしても、相手が仕事をしている姿を感謝の気持ちで見守ろう。
信頼しないと、人は実らない。

鍋弓わた氏  アトリエ極星堂  2022/1/27


with all of my thanks and friendship


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