![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/87704995/rectangle_large_type_2_706b38b06053a921b993ea87ec459f66.jpeg?width=800)
1on1ミーティングの道具箱 - 第21回 プロのメンターが1on1のヒントとコツを紹介するシリーズ:ジレンマ
企業・組織で働いていればジレンマに陥ることは多々あります。マネジャーにはどこに目をやってもジレンマがついて回るように見えます。ジレンマとは、背景と例、モデルと対処法のヒント。1on1ミーティングでの中間管理職の事例(配慮を示す:成果を求める)を対処法のヒントと共にご紹介します
継続的に結果を出していくには、粘り強さが必要です。
この記事を読む「3分ルーティン」を
ご一緒に続けながら現場で実践していきましょう。
「1on1ミーティングの道具箱 」シリーズ 第21回
現在地
![](https://assets.st-note.com/img/1664186408225-TBq1avKp98.jpg?width=800)
はじめに
私たちは人生経験から身についた
よくない習慣に戻ってしまうこともしばしば。
それは自然なことであり、私を含む誰でもあること。
「1on1ミーティングの道具箱」シリーズで大切なことはこの3つです。
・失敗してもまた挑戦
・自分のペースで継続
・小さな進歩も楽しみ
全編でご紹介する道具(方法、スキル)をジム通いをするかのごとく
一つひとつ職場で実践しながら鍛えていきましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1664186506784-mceRuUaMIy.jpg?width=800)
ラポール・心理的安全性を形成する
3つの聴く態度/姿勢
*自分らしく落ち着きと余裕を持てる
*話を聞いて相手を否定したり、すぐにアドバイスせずに受け止める
*話し手のものの捉え方・考え方・感じ方にそって理解しようとする
「1on1ミーティングのタイムライン」の全体図
![](https://assets.st-note.com/img/1664186648226-Vl4tua4Ofz.jpg?width=800)
部下/メンバーの成長と自律のため、「気づき」を「果実」とし
”気づかせて引き出す” 考え方、方法、スキルを主要素として構成
最終章 スキルを日々実践する
ジレンマ
❕ ポイント/注意点
![](https://assets.st-note.com/img/1664192393423-E58m3kwrxC.png)
マネジャーのジレンマとは
マネジャーとは
マネジャーをしてマネジャーたらしめるものは、
成果への貢献という責務である。
組織の成果に責任を持つ者
ジレンマとは
辞書では
二つの 相反する 事柄の板挟みになること
会社の中では
どちらを選んでもメリットもあるような二つの選択肢を前にして、それでもどちらにするかを決めなくてはならない状況。
わかりやすく言えば、「あちらを立てれば、こちらが立たない」
理論と実感
企業・組織で働いていればジレンマに陥ることは多々あります。
マネジャーにはどこに目をやってもジレンマがついて回るように見えます。
まず極めてザックリとご紹介する「マネジメントの13のジレンマ」は
わたし自身が時間が経つごとに、立場が変わるごとに
しみじみとそうだったなぁ… 「実感」を伴います。
マネジャーは「ジレンマ」にどう対処すればよいのか?
結論からすると
・ジレンマの折り合いをつける
・一人ひとりが自分なりの2つの要素の適切なバランスをとる
(変化する動的なバランスをとる)
![](https://assets.st-note.com/img/1664634752954-Mg4M7sQMAZ.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1664634775744-EkH8k9k6sG.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1664634792348-MyEL35Rrc1.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1664634886126-Lb0xiZWmea.jpg?width=800)
いかがでしょうか?
ピンと来るものと来ないものがあるのではないでしょうか。
マネジャーとしての年月や責任範囲によるかもしれませんが、
研修などでは扱われる機会が少ないのでヒント/参考になるでしょう。
次に新任マネジャーが認識不足の「幻想」から
「ジレンマ」に陥りやすい例を見てみましょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1664634941921-btMUlNsTnd.jpg?width=800)
特に注意が必要なのが「1対1の関係づくり」の幻想
一対一の関係にこだわることは、リーダーシップの基本である「グループの結束をテコに、個人の業績を改善し、やる気を高める」を無視することに。
無意識に相手によく思われたいとか、苦手だから早く済ませたいとかで、
安易に個人の要求を受けいれてしまい、それがチーム全体に悪影響を
及ぼし事態の収拾に追われる新任マネジャーが少なからず見受けられます。
ジレンマからは逃れられないとしても
「行き当たりばったりの対応」や決断のために逡巡し続けたり
そうした状況をやり過ごしているわけにはいきません。
ジレンマに直面した場合は
![](https://assets.st-note.com/img/1664634986692-fPKd7FXehF.jpg?width=800)
リフレクションは継続と改革に必要不可欠
1on1ミーティングでのジレンマ(例)
![](https://assets.st-note.com/img/1664634999094-BaxxsK3bfP.jpg?width=800)
「中間管理職は上司と部下で矛盾する要求にどう対処すべきか」2022 DHBR
配慮(思いやり)を示しながら、高い成果/仕事の完遂を要求
結論からすると
「配慮(思いやり)を示すことと、成果を求めることは両立しうる」
では、どのようにしたらよいのでしょうか?
特にこの約3年間はコロナ禍にあり、公私ともに困難を抱える部下に対して配慮や寛容さが求められてきました。
世界各地、日本でも制限緩和が進みつつある現在、かつての生産性を
取り戻すべく、高い成果を上げるようにプレッシャーをかけたくなる
というか、かけざる負えないのかもしれません。
しかし、急に部下に見せてきた思いやりや気遣いを、いま途切れさせて
しまったら、逆効果に陥ります。まず部下が感情面でもどのようなケアを
必要としているのかを考慮する必要があります。
❕ あなた自身の思い込みを見直してみましょう。
・部下が成果を上げるためには、厳しく接する必要がある
(これは研究などで立証されているわけではない)
プレッシャーをかけると、短期的には「労働力を絞り出す」ことが
できるかもしれませんが、長期的には逆効果になります。
・すぐにコロナ禍前の生産性のレベルに戻る
いまだに人々の大半が、コロナ禍にがんばりすぎて心身が消耗しつくして
いる疲労感や不安感を持つ現実を無視するわけにはいきません。
・自分がこの状況に耐えられたのだから、他の人も耐えられるはず
他者の苦しみと自分のレジリエンス(回復力)を比べても
何の役にも立ちません。
♥ レジリエンスを身につけられるようサポートをする
ストレスを上手に扱える人もいますし、サポートを必要とする人もいます。
部下がレジリエンスを身につけれるようマネジャーとして一役買うことが
できます。時間や努力の先には成果や責任感の向上を得られます。
そのためには、
心理的安全性のある1on1ミーティングの時間と場を有効利用しましょう。
♥ 1on1ミーティングで計画を立てる
日常生活で何が起きていて、それが仕事にどのような影響を及ぼしているかについて部下が安心して話せる環境をつくることで、今後に向けた最善策が見出せます。同時に仕事で何が求められているかを明確に伝えます。
その際、「できそうですか?」と尋ね、それから、部下の考えを傾聴し
状況を考慮に入れたうえで、今後どうするのが理にかなうかを
一緒に決めることができるでしょう。
♥ チーム全体で取り組む
責任を果たすように促す最善策の一つはチームレベルで取り組むこと。
チームメンバー/部下に対して、個々にプレッシャーをかけるのではなく、
チームで集まり、ともに問題を解決する方法をチームとして見つけることができれば、最善の形で機能するでしょう。
♥ セルフケアをする
マネジャー自身も部下たちと同じようにストレスを感じたり、成果を上げるためにプレッシャーにさらされているでしょう。
自分自身のケアに時間を取ることをないがしろにしてはいけません。
睡眠、健康的な食事、適度な運動、必要なサポートの確保。
概して、中間管理職が板挟みになっていることが多い。
上層部が設定した目標を達成すると同時に、従業員の健康にも気を遣うのは
多大な労力が必要になります。
配慮を示すことをやめたくなる衝動に駆られることもあるかもしれませんが、あなたの思いやりは「自分の部下に対する投資」であり、
あなたへの有益な投資になります。
では、マネジャーが板挟みになっている上司からの要求と部下からの要求の背景をもう少し詳しく見ていきましょう。
上司と部下で矛盾する要求
中間管理職は、リーダーとして難しい立場に置かれています。
上司からはパフォーマンス向上を求められ、
部下からは配慮を示すように要求されます。
上司からの要求も部下からの要求も、われわれが生きている
ビジネスの世界では当たり前と見られます。
多くの経営幹部は若手従業員が直面する問題の大きさや多様性とは遠い場所にいます。理解が乏しければ、現場の従業員や中間管理職が抱える問題にも共感が欠けてしまいがちに。
一方、
多くの現場の従業員は「どのような」パフォーマンスを求められているのかは理解していても、「なぜ」求められるのかがよくわかりません。
会社が直面しているパフォーマンス/業績関連のプレッシャーについて、
従業員がよく理解し、納得できるようにすることが肝要です。
プレッシャーが存在する理由を従業員が理解できるように手助けすることは彼ら/彼女らの納得感を深めることにつながります。
目的意識を持つことで、より意欲的に仕事に取り組むようになります。
どのように対処するか:
・上司へのコーチング(教育)
データを共有し、問題について「伝える」
従業員と直接対話できるような機会を作り「見せる」
・部下へ情報やネットワークや自助努力につながるツールを与える
(コロナ禍で直接会ったことがない同僚もいるほど縮小している
ネットワークを再構築)
・セルフケアをする
言うまでもなく、これらは
中間管理職にレジリエンスがあるかどうかで決まり、
マネジャーが燃え尽きてしまったら部下を効果的に支援できません。
したがって、
セルフケアに時間と労力を惜しまず、
自分を支えるネットワークを充実させていきましょう。
いかがでしたか?
次回、10/16 第22回
最終章 スキルを日々実践する 「EI 感情的知性」
マインドセット/心のあり方、考え方をご一緒に考えていきます。
「1on1ミーティングの道具箱」シリーズを通して
複雑な状況をうまく処理したり、
コミュニケーション(会話/対話)を円滑に進めたりするために
一本やりではない、成熟したコミュニケーションができる「道具」を
身につけた「フレキシブルなマネジャー」を目指しましょう。
ポイント
![](https://assets.st-note.com/img/1664637215516-vWvlLWXwav.png)
メッセージ
![](https://assets.st-note.com/img/1664187192515-LgYnNrsUJW.png)
ムカデはとても幸せに暮らしていました。
ところが、ヒキガエルが面白半分にこう言いました。
おまえ、歩くときはどっちの足を先に出すんだ?
このひと言が頭から離れなくなって
ムカデは、泥の中で頭がこんがらがってしまいました。
どうやって歩けばいいのか、わからなくなってしまったのです。
with all of my thanks and friendship
お知らせ
![](https://assets.st-note.com/img/1664186161719-iWbA96NFZh.jpg?width=800)
おすすめの記事
組織運営とマネジメントについて総合的に学びたい方へ
"WorkStyle" シリーズ
本シリーズの全記事はこちらから
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?