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『〇時必着』のデザイン《後編》

《前編》で思考例題を提示しましたℚ

◆荷物の配達の際、時刻に関する約束(取り決め)に関して、次の2つの”簡潔”表現があり、「互いに意味が異なる」とかなんとか🤔

①12時必着
②午前中必着

あくまで業者側にとっての「情報扱い」の観点で、

①だとダメで「②に訂正してくれ」というニュアンスで固執している

様子が窺えるのですが、貴方は、これらの違い/主張ポイントについて察知できるでしょうか? ――― という問いをお示ししました。

※《前編》を未読で上記の提起が初見だという方は、是非とも少し考えてから、続きを読み進めて頂ければと思います📖

 

◆◈◆◈◆◈◆◈◆◈◆

 

 「こっちはこういう意味だから他方に言い換えてはならない」等、適確なところを、思いつくだけ詳しく議論を交わしたかったのですが、感想や違和感はありませんか?

 「②でなければならない」あるいは「①は別の意味である」という系統の意見を抱いていたり、そのような固執が文化慣習になっている領域があったり、等、その思考を慮ってみる試みは、柔軟性や寛容性を高めるという効果もありますが、本質思考力を深める助けとなります。

 

①12時必着
②午前中必着

――― これの意味の違いは何でしょうか?

 クセ者は、①の方でしょうか。
 これの意味は12時まで。超過するとマズい。ただそれだけ。
 つまり①②は同じ意味。拡大解釈はダメ🙅
~と言っても「”緩める”方の解釈」についてではなく、12:05はアウト。 

 であるにもかかわらず、①=12時直前 と”厳しくする”方へと解釈してしまうような心意気も珍しくないようで、これは到底褒められるものではなく、以下で述べる〔空回り〕や〔相互連携の失敗〕の一例ではないかと思うのです。

※ここで早速余談ですが、懸賞などの応募締切に関する語句『20日の消印有効』。当方は子供の頃、「20日の消印を押してもらえたものだけが抽選対象=郵便局にお願い!19日とかにしないで!」と受け止めた経験を記憶していますが、それの誤認と類似しています😰

 

ほんの短い語句表現ですので、

それの解釈に慣用性が含まれていてはいけません。明らかに一義的でないと。

 

 『①12時必着だと条件が厳しい。だから、実際のところ「条件がゆるい」のなら②に変えないと不適』と主張する人の捉え方こそが冒頭の例題となっています。

 

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①12時必着
②午前中必着

共通の語「必着」の意味とは
"in time"であって"on time"ではないのです☝

 逆にもし、『(さっきも出てきたように)早すぎたら困る』との要点が含まれるのであれば、
◆12時頃指定
◆12時直前指定
◆11-12時の間指定
とすべきであって、「12時必着」では不適。

 〔指定〕という語句。含まれる”厳しさ”という点では〔必着〕と同等(ただし語意は全く異なる)と言えるわけですが、そんな「強さの雰囲気」ばかりを受け止めるがあまり、もし、本稿で主軸として取り扱っている命題の【「12時必着」との国語表現を「12時指定」と解釈する】のは、そもそも致命的なエラー😨

 

 上述のような〔意味の自己置換〕スタンスが不適なのは理解しやすいのだと思いますが、少し角度を変えて見れば、誤認や行き違いのおそれがあるのならそもそも〔文字数をケチった簡潔表現〕は差し控えるべきところです🚫

 それならば、どうしましょう。
 解釈違いを生じさせてしまったり、妙な慣習が独り歩きしてしまわないようにするために、少なくともこうしておけばok👌という対処例とは…🧐

 皆さんにとっても馴染みの事例(情報表現体系)がありますよね?

 

◆◈◆◈◆◈◆◈◆◈◆

 

 そもそも、時刻や時間表現を雑に扱うから誤謬の要因となり得るのだということへの”気付き”が有効です。
 つまりもし、【時間帯指定】か【時間指定】かの区別があるフォーム(指示伝達用紙)なら、それは良いデザインです👍~宅配便においては前者になってますね。日常社会において”別枠”の早期配達される例は都市部では稀かと推測します。
※冒頭のケースはそれが無い文字伝達①②の場面において、という事例でした

 

 〔時間〕という概念が伴う《配送サービス》というものにおいて、まず基本軸は【時間帯指定】とすべきでしょう。「早すぎると荷受けできない」「〇時を過ぎると困る」のニュアンスが土台要件ですから。もしそこに留まらない深い事情や希望があるならチャーター便扱いで高い対価がかかります。その場合(サービスを選択・費用負担)においてのみ、【時間指定】が出来るようになるわけです。

 『必着』の意味は「〇時までに/〇時を過ぎてしまわように厳守」。この語句を使っている以上、たとえ”業界的慣用性”の類を主張しようとも、先方(ひいては関係各位全員)が同じ捉え方をしているとは限らないわけで、国語を変更してしまってはトラブルやクレームのもとです。

 また、
 〇時”までに”、という平仮名3文字が無いところがまた難点でもあります。ほんのこれだけを添えることで、【時間指定】ではなく【半・時間帯指定】を表すことができそうです。
※半 = from/to のtoのみ、いや前置詞は"by"^^;

 さらに。そもそも。
 『必着』=「〇時きっかり」ってしてしまったところで… 許容範囲/時間のブレ幅は個人尺度によることになりますよね?

 

 本稿で指摘する”語意から逸脱した解釈”は「先方に誤解されないようするためには…」という工夫思考に由来するものではありませんのでごっちゃにならないようキチンと区別しておきたいところでもあります。この例でも「こうでなきゃならない」が、業務適正化の阻害要因として顕れています。
 何せ、『12時必着』という約束を「12時までに」ではなく「12時指定≒11時とか早すぎてはダメ」と過剰解釈してしまうことは、業者側にとって自ら首を絞めることに繋がりかねないわけですから。
 適正な「考える」習慣を高めないと、カイゼンには程遠いまま低迷することになりかねない… やはり”気付き”が有効です。そして決して「他人事だと済ませてスルーしない」でおきたいものです。

 

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