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向かいの人 観察日記(仮) 続報

職場で向かいの席に座るハルミさん(もちろん仮名)は、感情表現が豊かな人だ。
わたし(石崎秋子)から見てそれはオムツのない排泄行為、「おもらし」である。

ハルミさんを観察するようで
臭いや音、表情でおもらしに気が付くと、心のおしりふきが自動反応してしまうわたしを観察する日記。

惜しまれつつも(誰に)10月23日に最終回を迎えた
「向かいの人 観察日記(仮)」
の、続報です。

ハルミさんの感情のおもらしはずいぶんと減りました。
ときどき、漏れそうだな、いや、もうちょっぴり出ちゃってるな。
と感じることもあるけれど、わたしはハルミさんとの間に、見えない飛沫防止パテーションを立てることができている。

昼休み真正面で
(多分動画を見て)突然笑い出す
イヤホンからの音漏れ
は相変わらずだ。

感情のおもらしが減ったことだし、こんなことまで気になるのはいかがなものか。それはぜいたくというものではないか。
いやいや、もうむしろこちらがわがままなんじゃないか。
と、なんとか事を荒立てないようにという、思考がわっしょいわっしょい。

そこで編み出したのは
無駄に細かい作業に精を出し、集中することで向かいの雑音から逃れる「女将大作戦」

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デスクの引き出しにはここ数日で切り終えた弐女将と、待機中の参女将の計伍女将。

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今日の昼休みは、図書館への返却間近の本を読んでしまおうと、読書・・
の予定だったがやっぱり音が漏れてくる。
バスケットボールの試合を見ているのだろう。そんな予想がつくくらいのボリュームだ。
靴底のゴムが床に擦れる音がキュッキュキュッキュとひっきりなしに耳に続く。

わたしはそれに負けずその上読書の邪魔にもならない(youtubeの)焚火音で耳をふさいだ。

が、そうまでして何とか自分をなだめたところに
ダメ押しの笑い声。

思わず彼女の名前がわたしの口から飛び出した。
「え、え、」と慌ててイヤホンを外すハルミさん。

『え、えーーーー!?』←心の声
おいおい、どうしたわたし!
とっさのことで、何を言うかなんて考えてもいない。
『出ちゃったよ、いや、漏らしちゃったよこの人ーー!』と、大慌て。
しかし呼んじゃったものは仕方がない。
火事場の腹くくり・・なんてある!?
身体の隅っこに散らばっっているであろう冷静のかけらを大至急かき集めて

「集中できないんだけど (←仕事でもないのに
 あと音漏れ酷いよ。」

「え?あ、すみません!」

言っちゃった言っちゃった言っちゃったーーーーー!
冷静を装って再び本に目を落としてみたものの、文字なんてひとつも入ってこない!
脳が体に命令を出しているって・・じゃぁその脳に命令を出すのは誰なの?
ドキドキが体全体に伝わって肩が胸が、勝手に上下してるけど
そんなこと一切指示した覚えはないぞーー!

この振動が誰にもばれないように(って言っても事務所には運よく2人しかおらず・・)、鼻をすすってみたり、体制を変えてみたりするけど、簡単にはおさまらない。
吐く息はマスクの中で大暴れして眼鏡をくもらせるし、吸う息は細く長いストローで吸っているみたいに、ほんの少ししか体の中に取り込めない。


だから嫌なんだ。
これはHSP気質特有なんだろうか。それともみんなそうなの?
ただ自分の気持ちを伝える、ということが
それがネガティブなことだと、こうして体が言うことを聞かなくなっちゃう。
そういう自分を感じるのが嫌で、認めることができなくて「うまくできていない」自分を責める。
それなら我慢していた方がいいや、の繰り返しだったんですよね。
でも近頃どうもその状態でいられなくなってきたみたいだ。

そして今わかるのは、伝えるの圧倒的



練習不足です。
毎日やったらきっと慣れる。
でもこんなこと、そんなにないから慣れることが難しい。
きっとただそれだけのこと。

だから小さな嫌をちゃんと認めて、ちゃんと出す。
それこそが快便!
それがわがままだって、わたしだけの拘りだっていいじゃないか。
その練習をコツコツ積み重ねよう。


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