見出し画像

破っても大丈夫な「約束」ってあるかもしれないと感じた話

元々私は、人との約束はもちろん、自分で自分に約束したことも、無理をしてでも破りたくない、ちょっと頑固者?でした。
(いや、おバカなのかも。。。)

何時間でも信じて待てた、幼い日のおバカな私

小学1年生の頃のことです。
授業が終わり帰ろうとしていると、廊下で近所の4年生のお姉さんに会いました。日ごろからよく遊んでくれていた大好きなお姉さんです。

「たおたおちゃん、一緒に帰ろ!ちょっとそこで待っていてね。」

私は言われるままに下駄箱の前でじっと立って、そのお姉さんが来るのを待っていました。みんながどんどん帰っていく中、私はそこに軽く3時間はいたと思います。


担任の先生がびっくりした顔で私に言いました。
先生:「こんな時間まで誰を待っているの?もう帰りなさい!」
私:「4年生の○○さんと一緒に帰る約束をしているんです。」
先生:「あら!その子ならもうとっくに帰ったわよ!」

私は訳が分かりませんでした。
4年生の下駄箱は少し離れた場所にありましたので、そのお姉さんが帰ってしまったのを見ることができませんでした。

当時はスマホなどない時代ですし、探しに行くという頭も私にはありませんでした。言われた場所で待っていれば、絶対に来てくれるものと信じていましたから。
「先生はそう言っているけど、本当はまだ学校にいるのではないのかな?」
とまで思うほどの、おめでたい子どもでした。

先生に促されて、私はしぶしぶ帰宅しました。

その後、そのお姉さんに会ってもなぜかその時のことは聞かずに、いつも通りに遊んでいました。自分でもその時の自分が理解できません(笑)


自分との「約束」を守った結果、心身がボロボロに

30代前半から夫の両親と同居を始めました。25年ほど前のことです。

私と当時3歳半だった息子は、一足早く夫の赴任先の北京から帰国していました。

夫が家にいない中、義父母は私のことを実の娘のように温かく接してくれました。私はそれが嬉しくて嬉しくて、ひそかに心で自分に誓ったのです。
「夫の両親に何があっても、私が最後まで面倒をみる!それが良くしていただいている恩返しや!」

その後、義父は認知症になって性格が180度変わってしまい、更に義母は階段から落ちて両手足ともに複雑骨折で長期入院!半年後退院するころは鬱を患って帰宅しました。

そんな中、私は「絶対に自分との約束を守る!」という非常にかたくなな思いだけになっていました。

小学1年生の時から私は変わっていません。(悪い意味で)

一人で二人の介護、息子が発達障害からくる特性で苦しんでいることにも気づいてやれなかったのは、本当に悪かったと思います。

私が毎日夢遊病者のように家事をして、体の疲れも限界にきていた時、
夫が2度目の中国駐在先から一時帰国してきました。私の電話口での話し方に異常さを感じたからです。(感情が抑えられなくなっていたそうです)

夕飯を食べながら夫が言いました。「もうお父さんを施設にあずけなさい。」

私の心身を心配して言ってくれているのに、それでも私は泣きながらこう答えました。「いいえ、お義父さんは亡くなるまで家で私がみます!」

介護のストレスで片目が見えていなかったり、耳も片方聞こえなかったり。。。(病院の検査では「異常なしです、ストレスからのものでしょう」でした)

そんなことになるまでにいくらでも方法はあったはずです。
頼れるものは何でも頼るべきだと、落ち着いた今なら思えます。

親を家で面倒をみるのが美徳とか、今ではそんな考えは全くありません。


「社交辞令」が理解できなかった私

昨年、プロにメークをしていただきました。
その方(Mさん)が私に何気なくおっしゃいました。

Mさん:「知り合いに貸し教室をされている人がおられますよ。」
私:「へー!おいくらぐらいで借りれるんですか?」
Mさん:「お尋ねして、たおたおさんに連絡しますね!」

それっきりMさんからなんの連絡もありません。

当時の私は自分で言ったことは必ず守ろうとする、かたくななものがまだありました。「社交辞令」的な言葉がちょっと意味不明でした。

しかし、世の中は前述のMさんのことのような対応のほうが「普通」なんだと、最近この年齢(アラカン)でようやく理解できたお恥ずかしい私です。
本当に知りたければ、自分で調べるなり直接聞くなりすればいいのだと気づきました。

まとめ

1.人と約束していても、何らかの理由で守られないこともある。

2.たとえ自分で自分と固く約束していても、状況によってはそれを破るべきときもある。

3.世の中では、むしろ「社交辞令」のようなことのほうが多い。


「夫が私のことを『単細胞、天然記念物』というのは、こういうことからきているのかな?」
と、感じる今日この頃です。














この記事が参加している募集

#スキしてみて

525,034件

#最近の学び

181,334件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?