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砂漠の子どもふれあいプロジェクト ② 問題に気づき行動を起こすに至った経緯

チュニジアの砂漠地方の子どもたちと触れ合うために、小さな町をまわるという企画を準備中です。

家から出られない女性(家族以外の男性と顔を合わさないため)、同じ国の中での格差など。

チュニジアに住み、現地の撮影旅行や、ベルベル人家庭でのホームステイを通して、
旅行では知ることのできないリアルな姿を見てきました。

よそ者である自分にできることは限られています。
ですが日本人だからできることがあるかもしれないと考え、行動に移すことにしました。

僕個人のことを書いてもしょうがないかとは思いましたが、
『どのようなことを経て今回の活動にたどりついたのか』を知って頂いた方が活動のニュアンスが伝わるかと判断しました。

というわけで今回はどんな経緯で問題に気づき、行動を起こすにいたったかの経緯をお伝えしていきます。

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チュニジアでの撮影旅行

チュニジア生活に少しだけ慣れてきた頃から、国内のいろいろな街を撮影しながら旅していました。

日本の方たちに、普段の生活とは違う感覚を少しでも伝えられればとの想いからです。

チュニジアの様々な地域を訪れましたが、とくに南部(内陸部の砂漠地帯)には日本とはまったく異なる景色が広がっています。

その街や文化に触れることで、自分自身も今までになかった気づきを得ることもできました。

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疲労と充実感でいっぱいの旅が終わって。
落ち着いて旅を振り返ったときに、ふと思い出したことがありました。
バスから降りて、はじめて南部の町を歩いた時に感じた疑問です。

「この町でどうやって家族が暮らせるだけのお金を稼いでいるんだろう?」

南部のほとんどの町は、大きな産業もなく正直にいうと貧しいです。
にもかかわらず毎日ぐるぐると同じ人たちで経済を営んでいます。
なぜなら他の町や都心部との交流が活発ではないからです。

日本という恵まれた環境で生まれ育った者の、かたよった感覚なのかもしれません。

ですが、旅人として訪れるには申し分ない異国情緒あふれる町の風景が、
『ただの楽しい旅の思い出』ではない何かとして、記憶に残ったのは事実なのでした。

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砂漠の3都市でフェスティバル参加

昨年の12月に日本に一時帰国していた僕は、チュニジアに戻る飛行機に乗る直前、一通のメールを受け取りました。

「サハラ地域のお祭りに2週間ボランティアで参加しませんか?」

成田空港の出発ゲートにいたので、詳しい内容を聞くことができませんでしたが、「参加します」と即答しました。

チュニジアに戻り、内容を詳しく聞くと
Association JAPAN Tunisia Promoters(以下ATJP)という団体の正式なもので、何年も続いている活動とのことでした。

ATJPは主に日本人、チュニジア人で構成されたチュニジア国内の団体で、
現地の活性化を目的として活動しています。

今回の活動は、Douz(ドゥーズ)、Tozeur(トズール)、Sidi Bouhlel(シディブフレル)という3つの町のフェスティバルに参加するというものです。

日本文化を披露しフェスティバルを盛り上げる。
町の名前をチュニジア国内外に広める手伝いをする。
という使命をもって、期間中必死で駆け抜けました。

その期間中、昔からATJPで活動している先輩からの話を聞いたり、
フェスティバル実行委員の方や現地の方の想いに触れる機会に恵まれました。

現地に触れ、話を聞けば聞くほど、
自分が個人的に感じていた違和感は、たくさんの人たちが同じように受けとめている深刻な問題だと知りました。

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先住民族ベルベル人の家庭にホームステイ

フェスティバルに参加した時に生まれたご縁から、
ベルベル人家庭にホームステイをする機会を得ました。

ベルベル人は北アフリカの先住民族です。
チュニジアにおいて彼らの多くは、南部の砂漠地域で暮らしています。
(チュニジアでは混血化が進んでいて一概には言えないところもありますが)

今回誘っていただいたのは、Toujane(トゥジェン)という典型的なチュニジア南部の町(村?)です。

彼らは女性が男性と接することを禁止する風習を今も残しています。

僕もいちおう男なので、歓迎してもらえるのか、
そもそも家に泊めてもらえるのか不安がありました。

しかし僕がどう見ても外国人であること。
そしてなにより、僕を紹介してくれた日本人女性が彼らの商売を手伝い信頼を得て、そして多くの経済的メリットを与えているため。
結果としては、歓迎してもらえて充実した数日間を過ごしました。

ひとつ屋根の下で家族として一緒に生活するので、
観光旅行では知りえない、彼らのリアルな日常に触れることができます。

それはとても貴重な経験である一方で、
彼らの『よそ行きの顔』とは違う、リアルな表情も見えてしまいます。
いいところも、悪いところも。

1日中家の中にいて、毎日同じことをくり返す女性の生活。
昼間からカフェや道端で時間をつぶす男性たち。
狭く、閉じられた世界だからこそ生まれる嫉妬と監視。
僕たちと同じ時代に生きているとは思えない価値観や生活。

僕たちが外国人だからこそ漏らしてくれる本音を聞く機会もあり、
彼らの現状への不満をより深く理解する旅となりました。

その問題は知れば知るほど、考えれば考えるほど、根深いものであると気づかされることになります。

僕がどのような経験からチュニジア南部の問題を知り、行動を起こすことになったのか。
今回はその経緯をかんたんにご説明しました。

次回はどのような問題が存在するのかについて、それぞれの項目に分けて話したいと思います。

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※ 今までや今後のプロジェクトの動向は ↓ のマガジンにまとめていきます。
マガジン 『砂漠の子どもたちふれあいプロジェクト 』

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Association JAPAN Tunisia Promoters
https://japanyouthtunisia.blogspot.com/

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