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半竜の心臓

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半竜の心臓をこちらにまとめていきます! あらすじ 白竜の王と人間の女性との間に生まれた少女。棲家としている雪山で父竜と平穏に暮らしていたが、突如、現れた暗黒竜の群れに父竜を殺さ…
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#アクアマリン

半竜の心臓 第7話 鉄の竜(3)

 金属同士の激しくぶつかり合う音と火花が飛び散る。
 暗黒竜の王の身体が大きくよろけ、爪の先端が胸から抜ける。
 ロシェの身体は、そのまま力なく崩れ落ち、地面に倒れる。
 暗黒竜の王の顔面は大きく凹み、棘によって表面が切り刻まれていた。
 暗黒竜の王の顎から苦痛と怒りの唸りが上がる。
「ロシェさん!」
 ヘーゼルが駆け寄り、ロシェを抱き起こす。
 暗黒竜の王の無機質な赤い目が怒りに燃え上がり、ロシ

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半竜の心臓 第7話 鉄の竜(2)

半竜の心臓 第7話 鉄の竜(2)

「思い出したか・・?」
 竜・・暗黒竜の王はにやりっと笑う。
「なんで・・、なんで・・・」
 ロシェは、逃げ出したい衝動に駆られるも身体がまるで言うことを聞いてくれない。
 まるで手足をの腱を食いちぎられたあの時のように。
「何でかは我も知らねえよ!」
 暗黒竜の王は、苛立ったように声を荒げる。
 その声にロシェは短く悲鳴を上げる。
「目が覚めたら知らない場所にいてこんな身体になってたんだよ!」

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半竜の心臓 第7話 鉄の竜 (1)

半竜の心臓 第7話 鉄の竜 (1)

 ロシェとリンツは、崖から離れ、ヘーゼルは銃を、アメノは刀を構える。
 地面の砕けるような音が響かせ、それは地面に降り立った。
 炎の中から現れたモノの姿にロシェは目を大きく見開く。
 その姿形だけは間違いなく竜の姿をしていた。
 しかし、それは竜とはまるで別の存在であった。
 炎の熱と光に焼かれて黒く汚れた硬く、積み木細工を積み上げるように接合した鋼鉄の装甲に覆われた身体、柱のような尾、大きな手

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半竜の心臓 第6話 捜索(3)

半竜の心臓 第6話 捜索(3)

 ゴブリン達は怯えていた。
 住み慣れた住処を追われ、連行されるようにこの不便な場所に連れ込まれてからずっと怯えていた。
 アレが現れたのは突然だった。
 ゴブリン達は、人間種に略奪種族と烙印を貼られ、その外見からも忌み嫌われているが何が何でも人間種を襲い、略奪を繰り返している訳ではない。
 むしろ豊富な緑と獣がおり、食料に事欠かないこの森に住んでいてわざわざ人間種のいる村を襲うメリットなんてゴブ

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半竜の心臓 第6話 捜索(2)

半竜の心臓 第6話 捜索(2)

「どうなってる?」
 アメノは、目の前に広がる光景に猛禽類のような目を顰める。
 リンツは、思わず長衣の袖で口元を覆い、ヘーゼルは目を背け、ロシェは口元を両手で覆う。
 ロシェ達の目の前に広がるもの、それは無惨に刻まれ、砕かれ、全身を赤黒い血溜まりに沈め、森の木々の中に散らばった大量のゴブリンの死体だった。
 しかも大分、時間が経っているようでほとんど腐りかけていた。
「これって・・一体なんすか⁉

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半竜の心臓 第6話 捜索(1)

半竜の心臓 第6話 捜索(1)

 不器用に掘ったような暗い洞穴に鼻を近づけた瞬間、腐肉と汚物の臭いが鼻腔を殴りつける。
 ロシェは、反射的にするように背中を向けて岩穴から逃げるように離れると倒れるように座り込んで何度も嗚咽する。
 ヘーゼルがロシェの背中を優しく摩る。
「だから無理しなくていいって言ったのに・・」
 リンツは、心配するようにロシェを見る。
 短い樫の木の杖を垂直に構え、左手に数枚の鳥の羽と干した魚の頭を持つ。

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半竜の心臓 第5話 アクアマリンの勇者(4)

半竜の心臓 第5話 アクアマリンの勇者(4)

 アメノの存在に歓喜し湧いた自警団と後から現れてきた村長は4人を、アメノを盛大に歓迎し、もてなそうとしたがアメノは「そんなものはいらん」ときっぱりと断り、状況の説明だけを求めた。
 自分が来る前に何が起きたか分かっていない村長の顔に困惑の表情が浮かぶが自警団の誰も説明しようとはせず、アメノもヘーゼル達も説明さようとはしなかった。
 村長が説明したのは以下のこと。
 事件が起き始めたのは2週間前、ヘ

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半竜の心臓 第5話 アクアマリンの勇者(3)

半竜の心臓 第5話 アクアマリンの勇者(3)

 ヘーゼルとリンツから依頼を受け、勇者ギルドに他の一行への協力申請を出してから三日後、4人はアメノの運転する車に乗って依頼のあった村へと来た。
「お尻痛ーい!」
 車から降りたリンツの第1声が青空に飛ぶ。
「リンツさん、声が大きいです」
 逆側の扉から降りたアクアマリンの勇者、ヘーゼルが恥ずかしそうに顔を赤く染める。
「だって・・凄い揺れだったじゃないっすか」
 長衣越しにお尻を摩りながらリンツは

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半竜の心臓 第5話 アクアマリンの勇者(1)

半竜の心臓 第5話 アクアマリンの勇者(1)

 ロシェは、藍色の着物の裾を捲り上げて、枷のような傷跡が見えるのも気にせずに膝丈まで素足を出す。
 心地よく日の当たる木目の廊下に膝を落とすと隣に置いた木桶に付けた雑巾を取り出す。水道というものから注いでから時間が経ったのに水はまだ冷たい。ロシェは、取り出した雑巾を固く絞る。
「お着物良し、水良し、雑巾良し!」
 ロシェは、号令を取るようにそれぞれを確認すると、雑巾を広げて床に置き、足裏を木目の廊

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