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「毒愛」とは「邪眼: うまくいかない愛をめぐる4つの中篇」

<文学(69歩目)>
「毒愛(love poison)」って、まさにこれだろう。美しい「愛(love)」も相手がバランス欠くと不幸になる。

邪眼: うまくいかない愛をめぐる4つの中篇
ジョイス・キャロル オーツ (著), Joyce Carol Oates (原名), 栩木 玲子 (翻訳)
河出書房新社

「69歩目」はノーベル文学賞候補者のジョイス・キャロル・オーツさんの中篇集。どれもかなりの「毒(poison)」の含有量が高めです。

オーツさんの「とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢 河出書房新社」を読んでから辿り着いた作品。

うーん。。。普通の生き方をしてきた私にはかなりキツイ。。。

「愛(love)」はとても大切。そしてそれこそ「愛は人生(love is life)」であるが、ちょっとずれるととんでもなくなる。。。

この作品は、4篇の中篇ですが、4つの類型されるヤバい男のパターンが描かれている。「純粋さ」「自分自身に自信を持つ」等々はよき特性でもある。

しかし、長所は短所にもなる。このバランスを失調した人って、なんか多い気もする。人もうらやむ「愛(love)」が、「実は。。。」と言うのはよくあるとは聞く。

また、最近多い「ストーカー」等々、一方的な愛による様々な悲劇。

この「毒愛(love poison)」って、沢山の物語があるのだろうけれど、オーツさんが紡ぎだす物語は洗練されているが、「ぞわぞわぞわ・・・」です。

「愛(love)」故に、心が従属的になり、自分自身が悪いと思って相手に依存してしまう。。。ダメ男の隣にいる女性の多くがそうだ。。。

二人の娘を持つ親として、興味本位だけで済まされない怖さあり。ちょいと娘たちとも読みます。

それにしても、オーツさんは80代。まだまだこの様な作品を多く書かれるところが尊敬です。

また、どの作品も構成が緻密で読ませてくれる作品でした。ノーベル文学賞候補者と言うことを実感しました。

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