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ちゃんと言ってるはずなのに、理解してもらえない…。

いらっしゃいませ。
発想屋オーナーの まさ と申します。こちらでは、
″「発想屋」という架空のお店のカウンターで、お客様がゆっくり好きな飲み物を飲みながら、雑談を通して悩み事などを解決していく″という設定で書いています。

その日によって、来店されるお客様のお悩みや雑談の内容は異なっていますので、興味のある雑談を読んでいただき、少しでもお役にたてればと思います。


まずは、本日のお客様のご紹介

田中さん(36歳)
介護施設で働く妻(38歳)と小学校1年生の長男(6歳)幼稚園の年中さんの次男(4歳)の4人家族。
田中さんは大学を卒業後、保険の営業を10年勤務し、その後大手スーパーの食品のバイヤーとして勤務。
保険の営業マンとして、営業所でも早く頭角を現わし3年目には、ベテラン先輩を追い抜き営業所を引っ張る存在へ。しかし、そこからなかなか思うように伸びず環境を帰るため、知人の紹介で入った食品のバイヤーとして働くことに。セールストークや接客には自信があったものの結果がついてこない、特に人間関係で上手くいっていないのが悩み。
趣味はゴルフとボーリング
夢のマイホームを目指して貯金をしている。


そんな田中さんは、話すことは得意な分、職場の人とも良好なコミュニケーションを築いていたつもりであったが、どうしても田中さんの意図している事と違うことをやる社員がたまにいるそう。一度や二度までなら指導でよかったのですが、それが3人の社員と2人のパートさんが度々ミス(?)するとのこと。
よって、営業成績にも関わる事であり、よく指導したにも関わらず結果は平行線。
そんななか、どうしたらよいかという迷いがあり、何かいい案がないかということでご来店。

※人物像は理解をしやすくする為の架空のものです


それでは本日の営業をはじめます。

【本日のお品がき】
1.なぜ食い違いが起きると思う
2.普段のコミュニケーションは
3.立場を逆に考えてみたらどうか
4どうなるのが理想か
5.これからすべき事

1なぜ食い違いが起こると思う

田中さん
「まささんこんにちは。以前もちょっと話した事なんですけど、どうも最近流れが悪くて。」
「職場の人との意思の疎通がうまくとれていないことミスが頻発しちゃってるんですよね。」
「その都度社員さんやパートさんにはきちんと話ているつもりなんですが、なぜか思うように動いてくれなくて。何なんですかねぇ。」

まさ
「田中さんお疲れ様です。何かとご苦労なさってるんですね。特に人に指示を出したり、営業利益を背負う立場の田中さんはより苦労なさってるんでしょうね。」

田中さん
「保険の営業マンだった頃は、とにかく必死で、1件でも多く成約をとろうと頑張っていました。だから、3年目には営業所を引っ張る存在までになれたし、先輩たちからも期待されていました。」
「でも、ある時から思うように結果が伸びず、試行錯誤を繰り返したのですが、それまでの勢いは戻らず疲れていました。そんな時大学の友人が僕の営業能力を評価してくれて、畑は違うけど営業マンの実力を発揮出来る場所として今の職場を紹介してくれたんです。」
「そこで心機一転やるぞ!って意気込んでいたんですけどね。」

まさ
「畑違いでも環境を変える事で新たな刺激も受けるし、ゼロスタートの気持ちにはなりますよね。」
「でも保険の営業マンで成績もよかったのに、人が変わるとうまくいかなくなっちゃたのって、何か思い当たることってありますか。」

田中さん
「保険の営業マンの時は相手はお客様。同じ営業所の人とは最低限のコミュニケーションや事務的な会話がほとんどでした。」
「それが、食品のバイヤーになってからは、職場の社員さんやパートさん、取引先のお客様やスーパーの役員など、多くの方と接するようになりました。」

まさ
「では、保険の営業マンとしてお客様に意識していた事と、今の職場の人に対して意識している事って何ですか。」

田中さん
「保険の営業マンとして、お客様に意識していたことは、誠心誠意お客様に適した保険を理解して頂き、契約につなげて喜んで貰えるようにすること。」
「今の職場の人に対しては、時間と作業効率のアップのため無駄を省くことで、人件費や経費の削減を意識しています。常に数字を求められるんで。」

まさ
「ありがとうございます。」
「ただ、保険の営業マンも食品のバイヤーも″数字″を求められることは共通してますよね。」

田中さん
「そうですね。どちらも営業成績、利益のための数字ということは同じですね。」

まさ
「大事なのは、数字以外のところですよね。」

田中さん
「って言うと。」

まさ
「保険の営業マンの時には、お客様の為を思って。食品のバイヤーになってからは、人件費や経費の削減に意識がいってるってことです。」
「つまり、保険の営業マンでは対人だったのに、食品のバイヤーになってからは対数字になっていること。それが大きく違うことだと思います。」

田中さん
「でも対数字でも悪くないし、むしろそうあるべきだと思ってやってきました。すべてはお店の為を思ってのことですから。」

まさ
「お店の為を思って数字を意識している田中さんはプロだと思います。お店を引っ張る人間として当然の考えです。」
「でも、数字を求めるが故に目の前の人に対してあまり意識を向けないのはどうですかね。」

田中さん
「だからこそ、ミスが起こらないよう毎回その都度ちゃんと説明はしてますよ。」

2.普段のコミュニケーションは

まさ
「そうですか。毎回丁寧に説明されているのであれば、田中さんも毎回丁寧に説明する時間と労力が必要となってきますよね。」
「それって、田中さん自身の仕事の幅を狭めたり、して、やりたい事が出来なくなったり、変更を余儀なくされたりすることも起こっちゃうんじゃないですか。」

田中さん
「それはあります。社員さんに対して以前にもお願いした業務だから最低限の説明にしたら、段取りが悪くて時間が予定よりかかってしまったり、私が説明してても説明が下手だからなのか、パートさんの理解力が足らないのか、ちゃんと理解されるまでに時間がかかってしまい、自分の仕事が出来なくなってしまったり。」

まさ
「田中さんは普段社員さんやパートさんとは、どのようなコミュニケーションをどれくらいの頻度でどの程度とっていますか。」

田中さん
「私は現場にいながらも、事務仕事も多いため社員さんやパートさんとは挨拶と業務内容の説明くらいのコミュニケーションだと思います。」

まさ
「では保険の営業マンの時にお客様とのコミュニケーションは。」

田中さん
「保険の営業マンの時にお客様へのコミュニケーションは、人によってまちまちですが、2,3ヶ月に1度の方もいれば、半年に1回程度の方やそれ以上期間があく方もいました。」
「ただ、その1回の内容が重要で、お客様の困っている事を聞いたり、雑談で盛り上がったり、長い時には3時間も玄関先でお話させて頂いたり。仲良くなること、信頼関係を結ぶことが大事でしたね。」

まさ
「そうですよね。人と人だから、お互いの信頼関係は大事ですよね~。」
「その為には仲良くなること。仲良くなる為にはお互いの事を理解し合うこと、ですよね。」

田中さん
「そうです。売れる営業マンはお客様と仲良くなるため、話すよりもいかにして聞き役に徹してお客様の隠れたお悩みを引き出し、解決させることがトップセールスマンの腕の見せどころです。」

まさ
「さすがはトップセールスマン。よく熟知なさってます。」

田中さん
「ありがとうございます。」

3.立場を考えてみたらどうか

まさ
「それであれば、保険のお客様の満足度もかなり高かったんでしょうね。」

田中さん
「有難いことに、お客様が友人を紹介してくださったり、ご家族皆さんでの契約に至ったりなど、結構満足度は高かったと思います。」

まさ
「お客様にとっても、田中さんにとっても最高でしたね。」

田中さん
「そうですね。」

まさ
「そしたら、今度は保険の営業マンである田中さんのセールスを受けるお客様として、食品のバイヤー田中さんの説明を受ける社員さんとして、それぞれでも、立場を置き換えて考えてみた時、どのようなイメージが浮かびますか。」

田中さん
「保険のお客様…誠心誠意があって安心感がある。よく話を聞いてくれる。話しやすい。礼儀正しい。頼りになる。」
「社員さん…田中さんは無愛想。素っ気ない。あまり知らない。怖い。怒られる。話しにくい。」

「こんな感じですかね。」

まさ
「ありがとうございます。」
「面白いことに、イメージが真逆ですね。」
「話しやすい→話しにくい、とか」
「安心感がある→無愛想・怖い、とか」
「誠心誠意→素っ気ない、とか」

田中さん
「言われてみればそうですね。」
「営業マンの時はお互いを理解しようとしていましたが、食品のバイヤーになってからは、人と仲良くなることより仕事。ってなってますね。」

4.どうなるのが理想か

まさ
「それであれば、田中さんが社員さんの立場と置き換えて、田中さんを見た時、とのような田中さんだったら仕事がしやすくなると思いますか。」

田中さん
「そうですねぇ。単純に営業マンの時にお客様にしていた様な対応だと仕事はしやすくなると思います。」
「話しやすいし、安心感もあって、誠心誠意取り組む姿。それで仲良くなれたらいいですよね。」

まさ
「そういう田中さんだったら、社員さんもコミュニケーションも取りやすくなるし、お互いの事を理解しやすくなるんじゃないですかね。」

田中さん
「そうなってくれるといいですよね~。」

まさ
「お互いの事を出来れば、適材適所だったり説明の仕方を変えるとか、田中さんがマニュアルを作成して社員さんに任せることだって可能になりますよね。」
「そしたら、その都度田中さんが説明にあてていた時間や労力が解放され、田中さんのやるべき事に周知できる環境になるわけですもんね。」

田中さん
「説明に時間や労力を欠かなくなるのはいいですね。結構バイヤーだと、時間の制約があって、狙っていた商品が手に入らなかったり、ロスに繋がることも多いんで。」

まさ
「田中さんのやるべき事が出来ることで、バイヤーとしての結果も出やすくなるし、社員さんやパートさんの仕事に対する意識も変わるからいいですね。」

田中さん
「そうなりたいですね。」

5.これからすべき事

まさ
「まずは、田中さんから社員さんやパートさんに簡単なコミュニケーション、挨拶からがいいと思います。始めのうちはお互いぎこちないかもしれませんが、やっていくうちに自然なものになりますからね。」
「それと、話しをしやすい環境をつくったり、自分の事を話したりの自己開示。注意しなければいけないのは、せっかく○○してるのに!って思わないこと。」
「始めから見返りを求めるとストレスになったり、余計に関係が悪化してしまう可能性がありますからね。」

田中さん
「なんか緊張しますねぇ。」
「どことなく今更ってのもあるし、気恥しいというかなんと言うか…。」

まさ
「でも、今まで保険のお客様には自然にやっていたんですから、出来ますよ!」
「お互い楽しく仕事が出来て、利益が上がるって最高じゃないですか。」

田中さん
「最高ですね。」

まさ
最高な結果にするのも、現状のままいくのも田中さん次第。」
「これからの田中さんの行動と考えによって変わってきますからね。」

田中さん
「自分の考えと行動次第で結果がよくなれる!」
「自分なら出来る!」

まさ
「信じてます!」

田中さん
「あぁ~ずっとうまくいかなくて悩んでたけど、考えてみたら当たり前の結果だったってことね。」
「それゃ、お互い知らない同士の人間が、知らないまま、仕事をやろうっていったって難しいわ。」

まさ
「そうですね。お互いを理解し合い、尊重し合う事。逆の立場で物事を捉えられる事。数字も大事だからこそ、人を大切に想いやっていく事。その結果、チームワークが育まれて、チームプレーが機能したりしていい結果に結びつくってことですよね。」
シンプルに人と人との仕事。人にされて嬉しい事をする、されて嫌なことはしない。そこだと思います。」

田中さん
「そうですね。人として当たり前の事をするだけで結果が良くなるって思えば難しくないですね!」
「あぁ~スッキリした。」

「今まで社員さんやパートさんに申し訳ことしちゃってたなぁ。」

まさ
「でも、気づけた訳だし、これから挽回できますよ!」
「田中さんの正直な想いを一言伝えるだけでもかなり効果は大きいと思います。」

田中さん
「明日、みんなに一言伝えます!」
「まささん、今日はありがとうございました!」

まさ
「こちらこそ、お悩みを話して頂きありがとうございました。」

そして、田中さんは足取り軽くしてお店を後にしていきました。

これにて本日の営業を終了させて頂きます。
ありがとうございました。

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