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書店が「社会を編集」する。独立系書店書が生み出すコミュニティ【編集4.0】

クロスメディアグループは、書籍をつくることだけではなく、書店との関係性を大切にしています。その一環として、独立系書店でのイベント開催を通じて、読者と書店の新たな出会いの機会を創っています。

例えば、代々木上原駅徒歩1分の場所にある書店「CITYLIGHT BOOK」のご協力のもと、著者を招いたトークイベントを定期的に開催。毎回、定員いっぱいの大盛況となっています。

「CITYLIGHT BOOK」2階イベントスペース
「CITYLIGHT BOOK」の外観

同店は、1階にバーを併設、2階にイベントスペースを設けており、本の購入だけではなく、人の集まりを生み出す機能も果たしています。イベントの参加者も、書店や本との出会いを楽しみ、また参加者同士で交流を深めています。

クロスメディアグループは、書籍をより多くの人に届けることを大切にしながら、本を通じて書店に人を集め、地域と書店の活性化に貢献していきたいと考えています。書店の価値を再認識してもらい、文化の発信地としての役割を担う書店をサポートする取り組みを今後も続けていきます。

今回は、書店が社会においてどのような役割を果たしていくのか、またクロスメディアグループがそこにどのようなサポートをしていきたいと考えているのかをお伝えします。


独立系書店は「本を売る場所」の役割を超える

現在、「本屋のない市町村は全国で26.2%」といわれています(出版文化産業振興財団の調査。2022年12月8日発表)。多くの大手チェーン系書店が街から姿を消していますが、一方で、独自の世界観をもった書店が生まれ、人気を集めています。「本離れ」が進む世の中で、独立系書店に人が集まる理由は何なのでしょうか。

・ユニークな品揃え
独立系書店は、大手チェーン書店と異なり、店主の裁量で自由に品揃えができます。一般的には手に入りにくい専門書やニッチな本、インディーズ出版物などを取り扱うことで、特定の読者層にアピールすることができます。

文喫(東京):
2018年にオープンした「入場料のある本屋」。「本を選ぶ」という体験を商品にしています。1500円の入場料を払うと、そこに広がるのは3万冊を超える本との出会いです。
https://bunkitsu.jp/

・文化的交流の場所に
独立系書店は、書籍の販売だけではなく、読書会著者のサイン会、ワークショップなど、多様なイベントを積極的に開催することで、交流や学びの場になっています。文化的な交流の場として機能し、地域に根ざしたコミュニティのニーズに応える役割を果たしているのです。

Readin’ Writin’(東京):
ライティングレッスンなど、「読み、書く」両方の楽しさに出合える「Readin’ Writin’」。店主は「『いい本屋』があることが『いい街』の条件なのかもしれない」と話します。
http://readinwritin.net/

・ユニークなコンセプト

独立系書店の多くは、カフェの併設、アートやデザインに特化するなど、個性的なコンセプトを持っています。特定の興味を持つ顧客を惹きつけ、リピーターを増やす要因となっています。

B&B(東京)
店名は「Book&Beer」の略。ビールを片手に本に出会える場所で、作家や出版関係者のイベントがほぼ毎日開催されています。
https://bookandbeer.com/about/

国も本屋の役割を認識

減少し続ける街の書店を支援するため、経済産業省が新たに設置した「書店振興プロジェクトチーム」。書店を地域文化振興の重要な拠点と位置づけ、その個性ある取り組みを後押しする初の本格的な支援策です。

インターネットの普及とネット書店の成長に伴い、書店の総数は2013年の1万5602店から2022年には1万1495店に減少しました(日本出版インフラセンターの調査より)。さらに、前述の通り、全国の約4分の1の自治体では書店が一つもない状況が続いています。この現状を受け、経済産業省は文化による新たな付加価値をつける必要性を強調し、書店の存続と発展を支援する方策を模索しています。

齋藤経済産業大臣は、「街中にある書店は、多様なコンテンツに触れることができる場として、地域に親しまれており、創造性が育まれる文化創造基盤として重要」と述べています。

国が書店を支援する背景には、文化の保存と普及、地域コミュニティの活性化、教育への貢献、多様な言論の場の維持が含まれます。

具体的な支援体制としては、出版流通改革、財政的支援、商店街の活性化支援、読書推進活動、デジタル化支援、専門知識の提供などが挙げられます。これらの支援を通じて、書店の存続と発展が図られています。

書店が「社会を編集」する

クロスメディアグループは、「編集4.0」という考えを持ちます。

編集力をコンテンツの制作にとどまらず、人や企業のプロデュース、広報支援、さらに地域社会の発展に役立てようというものです。このビジョンは、独立系書店の役割とも通じると考えています。

ここまでにお話ししたように、独立系書店は地域住民のニーズに応えた選書やイベントなどを通じて、書籍販売の枠を超え、街づくりに貢献しています。書店を訪れるだけでなく、交流の場、学びの場にもなっています。

また、独立系書店は新たなビジネスモデルの可能性も示しています。例えば、カフェやギャラリーを併設することで、多様なニーズに応え、持続可能なビジネスを展開しています。こうした取り組みは、他の業界にも多くの示唆を与え、地域経済の活性化にも寄与しています。

独立系書店がその潜在力を引き出すことで、地域社会に与える影響を最大化し、その価値を広めていく。多くの人が書店の持つ力を再認識し、文化的な豊かさが次世代へと継承されていく。

そのために、今後もクロスメディアグループは、独立系書店の価値を広く伝え、その成長をサポートしていきます。


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