クロスレイ

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呪ゐコレクション

C-1         三秒間停止 私は、呪われてゐる。 しかし、それほど極端なものではない。 しかし、 下手をすれば命に関わる、かもしれない、呪い。 最初の呪いは、 …

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1か月前
14

才能バースト

序.           才能が無い 私には、 才能が、 無い。 正確には、 才能の有無や、 才能のレベルを判断できる才能、 だけを、持っている。 自慢じゃないが、 私…

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2か月前
17

ルームメイト頭蓋骨

一節        ズガイコツ  という響き 部屋の掃除をしていた私は、 頭蓋骨に、つまづいた。 ゴルフボールくらいの、小さな小さな、 人間の、頭蓋骨。 最初、何か…

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3か月前
20

無限受肉田中

第一章       変貌田中 田中の、顔が、変わった。 いや、顔だけではない、全身、肉体、すべてが。 整形だとか、印象が変わったとか、 そんなレベルの話ではない。 …

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3か月前
17

刹華フラクタル

1節        指先パルス 安くて美味しくて、オシャレでメジャーな。 そんなイタリアンレストランに、 私と、刹華(せつか)は、来ている。 都心の週末、おまけに昼時…

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4か月前
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かくりよにありしは

死後の世界 わたしは死にました。 確実に、死んだはず。 港の巨大倉庫、その壁面に、120キロで激突したのだから、死んでいないわけがない。 車も大破しただろう。 半分…

34

バランスサンデー

お母さん お母さんが、おかしくなった。 私が朝ごはんを食べながら話しかけるが、 どうにもわけのわからない返事しかしない。 まったく通じない会話をもう、5分は続けて…

35

うしない先生

指 先生は今日、指を失くした。 両手両足、すべての指を。 杖を使いながら、僕たちの教室に入って来る。 困ったように微笑みながら、僕たちを見回す。 廊下には、政府…

44

絶華掌

絶華掌(ぜっかしょう)の 華織理様 華織理(かおり)様が "導きの間" から出て来られた時、 明らかな、濃い、血の匂いがした。 親衛隊である鴉(からす)が2名、音も無く近寄…

43

生首女子会

冷蔵庫を開けると、生首が入っていた。 叫ぶとか気絶するとか、何らかのアクションを起こすよりも早く、あまりにも自然に、こう言われたためか、 私は無表情、無言のまま…

33

五寸釘さち子

釘を、吐いた。 文字通り。 文字の通り、釘を。 私が、釘を、吐いた。 1本や2本ではなく、数えたら15本も、吐いた。 呑んで吐いたわけではない。 大道芸人じゃあるまい…

34

木星少女

融合 溶解 私 コミュニケーション。 ほとんどこれがすべてと、言っていいくらいのもの。 コミュニケーション。 人間としての、幸も不幸も、大半はここから生じる。 …

38

虹色爪

「そんなことよりわたしとはなしをしましょう。」 のんびりとSNS巡りをしていた僕に、 はっきりと声が聴こえた。 想像してみてほしい。 1人で部屋にいて、突然、至近距離…

43

鬱病と女装

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ この一本だけ。 小説、ではなく、体験談、です。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ モラトリアムの果てに モラトリアムという言葉。 ご存知の方もいらっしゃる…

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呪ゐコレクション

呪ゐコレクション

C-1         三秒間停止

私は、呪われてゐる。

しかし、それほど極端なものではない。

しかし、
下手をすれば命に関わる、かもしれない、呪い。

最初の呪いは、

自分自身の肉体だけの、

三秒間停止。

体が、まったく予想のつかないタイミングで、
三秒間、完全停止するのだ。

そして、回数の制限も無い。

全身、1ミリも動かなくなる、

呼吸も瞬きも、何もかもが、不可。

想像、し

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才能バースト

才能バースト


序.           才能が無い

私には、

才能が、

無い。

正確には、

才能の有無や、
才能のレベルを判断できる才能、
だけを、持っている。

自慢じゃないが、
私が発掘し、その後、花開いた才能は、
10や20どころではない。

演技の才能、文章の才能、美しさの才能、
運動の才能、交渉の才能、音楽の……絵の……
etc etc……

発掘した、とは、言い過ぎかもしれない。

要は

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ルームメイト頭蓋骨

ルームメイト頭蓋骨

一節        ズガイコツ  という響き

部屋の掃除をしていた私は、

頭蓋骨に、つまづいた。

ゴルフボールくらいの、小さな小さな、

人間の、頭蓋骨。

最初、何か、わからなかった。
あまりにも小さいから。

何だろう、と、
這いつくばって、よくよく見てみれば、

間違いなく、人間の、頭蓋骨なのだ。

しかも、こんなに、小さな。

床から生えるように出ていて、
取ろうとしてみたが、ビクと

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無限受肉田中

無限受肉田中

第一章       変貌田中

田中の、顔が、変わった。

いや、顔だけではない、全身、肉体、すべてが。

整形だとか、印象が変わったとか、
そんなレベルの話ではない。

まったくの別人、でしかない。

なのに、友人知人は皆、
何一つ、変わりなく田中と接している。

オレだけが、田中を、受け入れられない。

まだ知り合って半年。

仲は良かったが、そんなに田中をよく知っているとは、言い難い。

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刹華フラクタル

刹華フラクタル



1節        指先パルス

安くて美味しくて、オシャレでメジャーな。

そんなイタリアンレストランに、
私と、刹華(せつか)は、来ている。

都心の週末、おまけに昼時だから、
かなり混雑していた。

恋愛や仕事、最近観た映画の話で、
さんざん盛り上がったあと、
話疲れて、しばらく沈黙していた時。

私たちのテーブルの横を、通り過ぎた少女。

12〜14歳ほどに見えるその子は、
あまりにも

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かくりよにありしは

かくりよにありしは

死後の世界

わたしは死にました。

確実に、死んだはず。

港の巨大倉庫、その壁面に、120キロで激突したのだから、死んでいないわけがない。

車も大破しただろう。
半分は、潰れたのではないか。

記憶があるのは衝突時の。

轟音からの耳鳴りと、ひしゃげるボンネット、
潰れるフロントガラス、
それらのスローモーション。血の味、血の匂い。

もちろん、自殺である。

最近では、自死と言うべきなのか

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バランスサンデー

バランスサンデー

お母さん

お母さんが、おかしくなった。

私が朝ごはんを食べながら話しかけるが、
どうにもわけのわからない返事しかしない。

まったく通じない会話をもう、5分は続けている。

「ねえ。

朝から何?

ふざけるのやめてよ、怖いって。」

「ふざけるって何の話?味噌汁もちゃんと飲まないとダメよ、いつも残すんだから。」

お母さんはお茶を飲みながらテレビを見ている。

やっぱりふざけていたのか、と安

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うしない先生

うしない先生



先生は今日、指を失くした。

両手両足、すべての指を。

杖を使いながら、僕たちの教室に入って来る。
困ったように微笑みながら、僕たちを見回す。

廊下には、政府から派遣された監視役が4人。
高そうな黒いスーツは、朝日に鈍く光っている。

先生は、深呼吸をするように、長い息を吐く。

「えー、校長先生から今朝、説明があったように。

私は選ばれたので、そのようにプログラムは進みます。

私は

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絶華掌

絶華掌

絶華掌(ぜっかしょう)の
華織理様

華織理(かおり)様が "導きの間" から出て来られた時、

明らかな、濃い、血の匂いがした。

親衛隊である鴉(からす)が2名、音も無く近寄り、
華織理様の両手を、タオルで丁寧に拭き取る。

ぬらぬらと紅に光る、両手を。

今はもう絶縁済みの旧人間関係では、カルト教団などと言われていた、私が属する組織、絶華掌。

華織理様との出会いを振り返りながら、私は、

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生首女子会

生首女子会

冷蔵庫を開けると、生首が入っていた。

叫ぶとか気絶するとか、何らかのアクションを起こすよりも早く、あまりにも自然に、こう言われたためか、

私は無表情、無言のまま、
しばらくのち、受け入れてしまった。

「寒いんだけど。」

生首自己紹介

少し震えがあるのと、頭がぼーっとすること以外は平静なまま、私は生首をテーブルに置き、向かいに正座した。

何度も深呼吸を繰り返し、ようやく声が出た。

「あ

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五寸釘さち子

五寸釘さち子

釘を、吐いた。

文字通り。
文字の通り、釘を。

私が、釘を、吐いた。

1本や2本ではなく、数えたら15本も、吐いた。

呑んで吐いたわけではない。
大道芸人じゃあるまいし、釘なんか呑むわけが無い。

バイトが終わって家に帰ってすぐ、玄関で吐いた。

もちろん混乱したから、20分くらいは釘を眺めていた。
五寸釘、というやつだろうか。長くて太い釘だ。

病院……とは考えたが、身に覚えもないが突然

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木星少女

木星少女



融合 溶解 私

コミュニケーション。

ほとんどこれがすべてと、言っていいくらいのもの。

コミュニケーション。

人間としての、幸も不幸も、大半はここから生じる。

そういう鬱陶しいことを考えながら、私は街を歩く。

イヤホンからはポピュラークラシック。
タイトルも曲の背景も何も知らない、興味が無い。
ただ、おだやかな気分に、少しでもしてくれれば。

すべて完全に無視しているが、ナンパだか

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虹色爪

虹色爪

「そんなことよりわたしとはなしをしましょう。」

のんびりとSNS巡りをしていた僕に、
はっきりと声が聴こえた。

想像してみてほしい。
1人で部屋にいて、突然、至近距離で、
人の声がする恐怖を。

全身が総毛立ち、瞬間的に冷や汗をかく。
何が起こったのかと、アドレナリンに体が痺れる。

「きこえていますか」さして間を置かず、再び。

鼓動音がバクバクと体内に反響する中、
声以外にも異常があること

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鬱病と女装

鬱病と女装

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この一本だけ。
小説、ではなく、体験談、です。
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モラトリアムの果てに

モラトリアムという言葉。
ご存知の方もいらっしゃるでしょう。

猶予期間。
要するに、何も決めず曖昧に先延ばし、保留にしたまま(逃げたまま)、猶予期間に留まりたがる人のことを、モラトリアムと呼ぶ。

僕は正にこれでした。
いろんな仕事を転々としながら、長くは落ち着かず、フラフラフラ

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