初投稿です。 まずは自己紹介も兼ねて、この数年を振り返ってみようかなと。 そもそも何者かってところからなんですが、 東京に住んで東京で活動している、女装のイベンターで、ドラマー、自己表現いろいろやりたい人、です。 現在47歳なんですが、女装もイベントもドラムも何もかも、 始めてからまだ6年。 芸事の下積みとしては6年なんて、序の口ですね。 あと、メインのSNSはTwitterでして。 (@CROSS_RAY_) これも同じく6年前からずっと続けています。 いわゆるツ
はじめに まず、タイトルは、 かなり言い過ぎであることを、 はじめに、言っておきますねw インパクトある方がいいかな〜と……。 (すべてなんて 語り尽くせるはずが無い) 僕は49歳、男性です。 かなりの経験を、積んできました。 (普通は しないようなものを多々 含む) とはいえ、いまだ、人間関係は、問題ばかり。 そんな自分ではありますが、 それなりに、考え方はできている。 (実践は あまり できていないにせよ) これが正しい、とか、じゃないんです。
一節 ズガイコツ という響き 部屋の掃除をしていた私は、 頭蓋骨に、つまづいた。 ゴルフボールくらいの、小さな小さな、 人間の、頭蓋骨。 最初、何か、わからなかった。 あまりにも小さいから。 何だろう、と、 這いつくばって、よくよく見てみれば、 間違いなく、人間の、頭蓋骨なのだ。 しかも、こんなに、小さな。 床から生えるように出ていて、 取ろうとしてみたが、ビクともしない。 けいつい。 頚椎というやつだ。 それが、刺さっている。 刺さ
第一章 変貌田中 田中の、顔が、変わった。 いや、顔だけではない、全身、肉体、すべてが。 整形だとか、印象が変わったとか、 そんなレベルの話ではない。 まったくの別人、でしかない。 なのに、友人知人は皆、 何一つ、変わりなく田中と接している。 オレだけが、田中を、受け入れられない。 まだ知り合って半年。 仲は良かったが、そんなに田中をよく知っているとは、言い難い。 が、見た目が完全に、ある日突然に、変わって、 気づかないはずはない。 あまりの
1節 指先パルス 安くて美味しくて、オシャレでメジャーな。 そんなイタリアンレストランに、 私と、刹華(せつか)は、来ている。 都心の週末、おまけに昼時だから、 かなり混雑していた。 恋愛や仕事、最近観た映画の話で、 さんざん盛り上がったあと、 話疲れて、しばらく沈黙していた時。 私たちのテーブルの横を、通り過ぎた少女。 12〜14歳ほどに見えるその子は、 あまりにも美しかった。 純白ゴシック、派手な百合の髪飾り、 白に近い、透けるような銀髪、
死後の世界 わたしは死にました。 確実に、死んだはず。 港の巨大倉庫、その壁面に、120キロで激突したのだから、死んでいないわけがない。 車も大破しただろう。 半分は、潰れたのではないか。 記憶があるのは衝突時の。 轟音からの耳鳴りと、ひしゃげるボンネット、 潰れるフロントガラス、 それらのスローモーション。血の味、血の匂い。 もちろん、自殺である。 最近では、自死と言うべきなのか。 わたしは死にました。 しかしまだ肉体?があり、エレベーターに似た空間の中
お母さん お母さんが、おかしくなった。 私が朝ごはんを食べながら話しかけるが、 どうにもわけのわからない返事しかしない。 まったく通じない会話をもう、5分は続けている。 「ねえ。 朝から何? ふざけるのやめてよ、怖いって。」 「ふざけるって何の話?味噌汁もちゃんと飲まないとダメよ、いつも残すんだから。」 お母さんはお茶を飲みながらテレビを見ている。 やっぱりふざけていたのか、と安心しかけたが、 「清瀬のおばさんがフラクタルビルディングの設計のために高架下で
指 先生は今日、指を失くした。 両手両足、すべての指を。 杖を使いながら、僕たちの教室に入って来る。 困ったように微笑みながら、僕たちを見回す。 廊下には、政府から派遣された監視役が4人。 高そうな黒いスーツは、朝日に鈍く光っている。 先生は、深呼吸をするように、長い息を吐く。 「えー、校長先生から今朝、説明があったように。 私は選ばれたので、そのようにプログラムは進みます。 私は多くを語りませんが、私を通じて、みなさんに、良い学びがあることを、祈るばかりです
絶華掌(ぜっかしょう)の 華織理様 華織理(かおり)様が "導きの間" から出て来られた時、 明らかな、濃い、血の匂いがした。 親衛隊である鴉(からす)が2名、音も無く近寄り、 華織理様の両手を、タオルで丁寧に拭き取る。 ぬらぬらと紅に光る、両手を。 今はもう絶縁済みの旧人間関係では、カルト教団などと言われていた、私が属する組織、絶華掌。 華織理様との出会いを振り返りながら、私は、 微笑む華織理様に、敬礼をする。 「大丈夫ですか?」 当時、仕事のストレスで毎晩
冷蔵庫を開けると、生首が入っていた。 叫ぶとか気絶するとか、何らかのアクションを起こすよりも早く、あまりにも自然に、こう言われたためか、 私は無表情、無言のまま、 しばらくのち、受け入れてしまった。 「寒いんだけど。」 生首自己紹介 少し震えがあるのと、頭がぼーっとすること以外は平静なまま、私は生首をテーブルに置き、向かいに正座した。 何度も深呼吸を繰り返し、ようやく声が出た。 「あなたは、誰なんですか?」 生首はまっすぐ私を見ている。 瞳を貫かれるような、焼
釘を、吐いた。 文字通り。 文字の通り、釘を。 私が、釘を、吐いた。 1本や2本ではなく、数えたら15本も、吐いた。 呑んで吐いたわけではない。 大道芸人じゃあるまいし、釘なんか呑むわけが無い。 バイトが終わって家に帰ってすぐ、玄関で吐いた。 もちろん混乱したから、20分くらいは釘を眺めていた。 五寸釘、というやつだろうか。長くて太い釘だ。 病院……とは考えたが、身に覚えもないが突然に五寸釘を15本吐きました。なんて言えば、頭がおかしいと判断される。 警察に行く
融合 溶解 私 コミュニケーション。 ほとんどこれがすべてと、言っていいくらいのもの。 コミュニケーション。 人間としての、幸も不幸も、大半はここから生じる。 そういう鬱陶しいことを考えながら、私は街を歩く。 イヤホンからはポピュラークラシック。 タイトルも曲の背景も何も知らない、興味が無い。 ただ、おだやかな気分に、少しでもしてくれれば。 すべて完全に無視しているが、ナンパだかキャッチだかスカウトだか、痴呆面の男どもが次から次へと現れる。 中には肩や手を掴む
「そんなことよりわたしとはなしをしましょう。」 のんびりとSNS巡りをしていた僕に、 はっきりと声が聴こえた。 想像してみてほしい。 1人で部屋にいて、突然、至近距離で、 人の声がする恐怖を。 全身が総毛立ち、瞬間的に冷や汗をかく。 何が起こったのかと、アドレナリンに体が痺れる。 「きこえていますか」さして間を置かず、再び。 鼓動音がバクバクと体内に反響する中、 声以外にも異常があることに気づいた。 スマートフォンを操作する右手人差し指。 その爪が虹色に光っている