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ギターメンテナンス

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Fresher レスポールタイプのレストアとモディフィケーション 2

Fresher レスポールタイプのレストアとモディフィケーション 2

以前からジャンクギター再生で試してみたかったテーマの一つがモディフィケーションだった。ただ修理するのではなく、見た目や機能を大きく改造してみたいと考えていた。一方で、自分は既製品のギターは基本的にはデフォルトの状態がベストだと考えているので、もはや元の状態がわからないようななるべく状態の悪いジャンクギターを探していた。

今回のギターはパーツがほぼ欠損しており、新しくパーツを揃えないと復旧できない

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Fresher レスポールタイプのレストアとモディフィケーション 1

Fresher レスポールタイプのレストアとモディフィケーション 1

適度にコンディションの悪そうなFresherのレスポールタイプのギターを入手した。

Fresherというブランドは今まで馴染みがなかったのだが、共和商会が1970年代から80年代にかけて展開していたブランドらしい。Fresherのロゴは元々Fenderのロゴを模したようなデザインだったが、レスポールタイプのギターも販売していたようでこのギターについているロゴはFender感のないデザインになって

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2本目のリフレット挑戦

2本目のリフレット挑戦

少し前にジャンクコンディションの70年代国産ギターを購入した。この時代のギターは低いフレットが使われているものが多いので、元からなのか摩耗・すり合わせによって低くなったのか不明だが、いずれにせよフレットがかなり低かった。ネックには順反りの傾向が現れていたが、どうもトラスロッドも限界の様子だったので、思い切って指板修正とリフレットを試すことにした。去年リフレットに挑戦してから約一年ぶり二回目の挑戦だ

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指板のアールを図るやつ

指板のアールを図るやつ

最近、二回目のリフレットに挑戦した。去年初めてのリフレットをした際に出てきた反省点の一つに、指板修正時のラジアス(アール)をしっかり整える、というのがあった。指板のカーブが綺麗に整ってないと、フレットを打った時に浮きが出てしまう。

任意のアールがついたサンディングブロックを使って指板修正をすれば、ある程度狙ったラジアスに形が近づくはずなのだが、前回はどうもここがちゃんと綺麗にアールを付けられてい

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サムナットが入らない

サムナットが入らない

最近、70年代前半に製造された国産ギターのレストアに取り組んでいる。パーツ類が取り外された抜け殻状態のジャンク購入だったため、各種パーツの手配から始めなければいけないのだが、この年代のギター特有の「規格が微妙に独自」で今手に入るリプレイスメントパーツが使えないという問題に頭を悩ませている。

エスカッションやペグ類はいざとなれば穴を埋めて開け直せば良いのだが、ブリッジやテイルピースに関してはアンカ

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79年製Greco EG800 その2

79年製Greco EG800 その2

「美品」として売られていたGreco EG800だが、改めて分解してみると結構汚れている。ピックガードの下やブリッジ周辺など普段手入れがしにくい部分は特に汚れていた。

ポリ塗装の耐久性はすごく、ワックスでしばらく磨いたら何事もなかったかのように綺麗になった。汚れはすごかったが傷や打痕は少なく、そういう意味では確かに美品かもしれない。

ネックは調整されていたのか、全然問題のない状態だった。元のフ

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最終的にフレットと指板の手入れはフレットバター+αがベターかもしれない

最終的にフレットと指板の手入れはフレットバター+αがベターかもしれない

フレット磨きと指板掃除は、見た目的にも機能的にも簡単で失敗のリスクが少なくそれでいて効果的なギターリペア作業の一つだ。自分もジャンクギター再生をする際にはほぼ必ずやっているし、ギターリペア/メンテナンスの第一歩としてまずおすすめしたい作業だ。

自分の場合は、まず指板をマスキングテープで覆ってコンパウンドを使ってフレットを磨いた後に、マスキングテープを取り除いて指板をオレンジオイル等で掃除・保湿す

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79年製Greco EG800 その1

79年製Greco EG800 その1

長年試したいと思っていたギターの一つ、70年代末のGrecoを購入した。

今まで色々な年代のGrecoを試してきたが、70年代末から80年代のGrecoは近年値段が高騰していてなかなか手を出せずにいた。今回購入したEG-800も安くはなかったのだが、コンディションは悪くなさそうだったので思い切って購入してみることにした。

説明では「美品」とのことだったが、実物をよく見てみると色々汚れており、ポ

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ギターリペア初心者のジャンクギター再生 三年目

二年目の記録はこちら

趣味のギター修理も四年目に突入した。この一年は生活環境の変化によってギターをいじれる時間が減ってしまったが、その中でも色々新しいチャレンジがあった。

初めてのリフレットこの一年で最も大きなチャレンジはリフレットだった。

元々リフレットに挑戦しようと思っていたわけではなかったが、オークションで購入して届いたギターのネックの反りがあまりにひどく、一年以上放置した上で重い腰を

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ゴールドパーツを磨く

ゴールドパーツを磨く

ゴールドパーツのメンテナンスは難しい。普段から小まめに乾拭きをしてくすみや錆の原因となる汚れを除去するのが大事なのは勿論だが、中古で購入したギターの場合すでにパーツにくすみや錆が発生していることがある。

最近購入したギターのゴールドパーツもかなり酷い状況になっていた。このような状態になってしまうと、乾拭きで元の輝きを取り戻すのは難しい。メッキ被膜の薄いゴールドパーツにはコンパウンドを使うわけにも

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PLAYTECH レスポールタイプのクリーニング

PLAYTECH レスポールタイプのクリーニング

メンテナンスの練習用に中古のPlayTechのレスポールタイプのギターを購入した。

PLAYTECHのギターは結構時期によってスペックが変わるようで、2024年3月現在発売されているレスポールタイプのモデルはデタッチャブルネックだが、おそらく10年程度前に販売されたと思われるこの個体はセットネックだった。

指板も、現行のモデルはローズウッドのようだが、このモデルはおそらくテックウッドが使われて

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ギターの弦が切れにくくなるやつ

ギターの弦が切れにくくなるやつ

ギターを弾いていて一番嫌な瞬間は弦が切れる瞬間だ。切れた弦が身体に当たると痛いし、ライブ中に切れてしまうのも困る。ある程度劣化が進み交換の時期に差し掛かった弦が切れるならまだ良いが、交換後そこまで劣化してない状態で弦が切れると損をしたような気分にもなる。

自分の場合、ピッキングフォームを修正してからは演奏中に弦が切れることはほとんどなくなった。弦が切れるのは専らチューニング時だ。調べてみると、ナ

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メーカー不明Les Paulタイプギターの修理

メーカー不明Les Paulタイプギターの修理

一年ほど前、普段通りオークションを見ていたら適度に状態が悪そうなギターが出品されており、値段も安かったのでリペアの練習用に購入した。

説明文には「特に問題なく使用できますので、ご安心ください」と書かれていたが、届いたギターを見てみると弦高は12フレットで1.0〜1.5cm(ミリではなくセンチ)ほどあり、リアのピックアップからの音も出ない状況だった。

弦高が異様に高い原因は、極端なネックの純反り

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シングルサイズハムが載った配線済みピックガード

シングルサイズハムが載った配線済みピックガード

PlayTechにSuhrのV63+とDiMarzio Tone Zoneを載せて遊んでいたのだが、結局この二つのピックアップはPlayTechから外すことにした。良いピックアップを載せれば良い音は出るのだが、先日改めて検証をしてみてやはり高いピックアップはそれなりに高いギターに載せてこそ真価を発揮できるものだということを実感したので、これらのピックアップは別のギターに載せることにした。

元のピ

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