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「匂い」「場所性」「記憶」

こんにちわ。
ここ最近、真夏日が続きマスクを着けることが息苦しくなってきましたね。

もちろんコロナの脅威がなくなった訳ではないので、しばらく着けることになると思いますが・・・

■「マスクを着けることでの違和感」

私はマスクを着けることで、ずっとある違和感を感じていました。

それは、周りの空間から「匂い(香り)」を感じ取れないこと

なぜ、それが気になるのか、、、、、

マスクの着用で匂いを遮断されることにより、自分がいる「場所」との結びつきが弱まっているような気がしてならないからです。

これは、私だけの感覚なのかもしれませんが、マスクを着けると主に視覚や聴覚に頼ることになります。

それが一種のVR(バーチャル・リアリティ)に近い感覚になり、街中を歩いていても「空気が変わっていく感覚」をリアルに感じ取れない。そして、「場所の記憶」がうまく紡ぎだせないという感覚に陥るのです。

■「匂いと記憶」

人間の五感の中で、一番「記憶」と結びついているのが匂いを司る「嗅覚」と言われています。

「おばあちゃんちの匂い」「映画館の匂い」「森の匂い」「街の匂い」・・・

もしかしたら心の拠り所として、「大切な人の匂い」も含まれるかもしれませんが、「懐かしい匂い」から、「あの頃のあの場所の思い出」を記憶の奥深くから引っ張り出してくれます。

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■「匂いと場所性」

私は、ずっと建築や空間というものを通して、「場所性」と向き合ってきました。

その場所に居ること。そこに建築が建つことの存在意義を五感いっぱいに感じ、設計においても意識してきました。

人間や動物にとって、その場所との結びつきを感じることでの「安心感」「安堵感」があると思いますし、設計に携わる人間として、その場所(空間)に立つ人にとって特別な場所になってほしいという思いもあります。

そのためにも、匂いが感じられることが重要であると考えています。

早くマスクが取れるか、匂いを感じるマスクが発明されるかわかりませんが、人々にとってたくさんの良い思い出が紡ぎ出せる時代になってほしいと祈るばかりです。

ご拝読ありがとうございました。
皆さんも熱中症にはどうぞお気を付けてください。


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