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自分の声に耳を傾けて〜摂食障害と私が歩んできた道〜

NHK障害福祉賞に申し込んで落選した作文を公開したい。
私の命をかけた生き様が赤裸々に描かれている。
摂食障害になったきっかけから、治療の過程、今後の目標などすべて書いた。
摂食障害当事者としての思いを込めた渾身の一作です。
残念ながら、受賞はできなかったが多くの人に届けたいと思いnoteで公開しようと思い立った。
有料記事にするが、時が経てば、無料で公開するつもりです。
けれども、もし、私を応援したいと思ってくれる方がいれば購入していただけると嬉しいです。

【摂食障害になるまで】

私は頑張ることが好きだった。いや、頑張るべき、頑張るのが素晴らしいと思っていたのかもしれない。今まで、頭で考えて良いと思うことを全力で取り組んできた。テストで良い成績を残す、長女としてしっかりする。そして、痩せている方が良い、痩せていなければならないと強く思い込んでいることがあった。

【摂食障害の闇に】

日本では、見た目に関する広告が多く、特に痩せが称賛されているように感じる。雑誌やテレビに出るモデルや女優はとても細く、多くの中高生が彼女らに憧れ、必死にダイエットに取り組む。私自身、そんなに自分の体型にこだわりはなかったが、痩せているのが良いと日々の生活でインプットされていて、軽い気持ちでダイエットを始めた。初めは、時間があったら学校まで少し歩く、いつも二つ食べていたパンを一つにするなど無理のないものだった。体重も緩やかに落ちていった。しかし、いつの間にか、単なる痩せていく喜びから、体重を増やしてはいけないという義務に変わっていた。毎晩乗っていた体重計に不安から朝にも乗るようになった。増えることが許せなくなっていき、その不安から食べる量が日に日に減っていった。生理も止まり、自分でもおかしいと分かっていたが、もう自分ではコントロールができなくなっていた。今までの努力が水の泡にならないように必死に減らしていた。加えて、私は自分のことをコントロールできていると思い、誇らしくなった。どんどん体重が減っていく不安もあったが、それ以上に頑張れば、すぐに結果が出るダイエットが楽しくて、依存していったのだ。気がつくと一年間で20キロの減量をしていた。もともと、標準体型だった私は、極度の痩せ状態に陥った。周りはもちろん心配していたが、その心配の声ですら、自分の痩せを承認されていると思い、嬉しかった。

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