蓮哉

走馬灯の予習。および走馬灯にしないための掃き溜め。あるいは思っていることがまとまって長…

蓮哉

走馬灯の予習。および走馬灯にしないための掃き溜め。あるいは思っていることがまとまって長文になったときのための余白。

最近の記事

210310 もうきのふぼく

「盲亀の浮木」が読めなかった。 もうきのふぼく、と読むらしい。   100年に一度海面に顔を出す亀が、大海原を漂う穴の開いた木に頭を入れる確率はいかほどか。転じて、めったに訪れない出会い、という意味らしい。 読めなかったものが読めるようになると嬉しい。 知らなかったことを知るのは嬉しい。 出来るようになることは嬉しい。 ただしそれを共有するのは難しい。 先日上司から「お前の知識や語彙は片寄っているし普通の人は知らない」「お前の話を面白いと思って聞いてる人間はこの会社に一人

    • 201012 しにかけた話。

      ところでこの前、本気で死を覚悟したんですよ。 雨の夜に高速道路を運転していて、単独事故を起こしたときに。 左へ車線変更をしようと思って、スリップかパンクかをして、「これは死ぬな」と思った瞬間左の壁にぶつかり、「ひとりでよかった」と思いながら壁を擦りながら進み、アクセルをベタ踏みしたまま慌てて右にハンドルをきり、馬鹿みたいに車の往来する4車線を奇跡的に横切っている途中にハザードをたき、ブレーキの存在を思い出し、減速したものの右の壁にぶつかって止まったんですけど。 長々と書い

      • 200913 ごきげんのつくりかた

        むっっっっっずかしいんですよね。 毎日ごきげんでいるのって。 他人との関わりのなかで「ごきげん」を見出だしたり作り出したりするのはほんとうに骨の折れる作業で、ここで骨折どうのと言い出さない人は他人との距離を自然に適切に保ちながら生きていけるんだろうけど、そんな器用なことは逆立ちしたって私にはできないし、なんなら逆立ちしてうまく生きられるようになるなら一生逆立ちのまま過ごすわ。 頭に血がのぼりがちになるだろうけど。 振り返ると、これまでの人生においては「ごきげんをつくる」こ

        • 200704 ぎりぎりの日にもできること。

          常にうまく合致していればいいんだけど、身体と心は食い違う時がある。 例えば何も手につかないときがある。やりたいことややらなくてはいけないことがあるのに体がついてこないこと。 逆に、体が先走って、寝ておかないといけないのに動き続けて次の日にしんどくなることもある。 他人とのコミュニケーションの中でよろこびや発散を見出だすタイプの人とはたぶんわかりあえなくて、他人がいるときは常に大なり小なりの緊張がつきまとう身としては喉から手が出るほどうらやましい。逆立ちしたって私の手には入

        210310 もうきのふぼく

          200530 アバター越しに生きつつ自信を持つこと、または記号と意識の話。

          自分自身を撮影して客観視するあらゆるメディアが苦手だ。 あわせ鏡が苦手なのは、相手から見た状態の自分が鏡のなかで動いているからで、動画なんかで自分の声が流れると、自分になりすましたなにか得体の知れない生き物が自分のふりをして話しているように感じる。 鏡は見られる。 写真はぎりぎり。 あわせ鏡は見たくない。 映像も見たくない。 音声も聞きたくない。 小学生の頃、親戚のおじさんが良いカメラを取り出したときなんか最悪だった。はじめは笑って断っていたけど、まわりの大人たちがこぞっ

          200530 アバター越しに生きつつ自信を持つこと、または記号と意識の話。

          200523 あほらしい仕事の話

          あーあ。 はじめは「慣れない人と仕事するのしんどいな」程度だったんだけど、価値観ひっくり返されるくらい、どうしようもねえと思うことがある。 俺が勝手に思った愚痴と困惑を、明日がんばるために、吐き出しておこうと思う。 そもそも弊社は、太いお得意様とその周辺の協力社との取引が中心の中小企業だ。私はコンスタントな収益をあげられるお得意様をメインに、不定期に話が入ってくる会社からの仕事を担当している。 不定期な仕事の売上は大きくない。 ただ売上に対しての仕事量がめちゃくちゃに

          200523 あほらしい仕事の話

          200518 ゲームの話。

          子供の頃から、あらゆるゲームが苦手だった。 勝つのも負けるのも忖度されるのも何かを賭けるのも苦手だ。 5歳くらいの頃の、飴を賭けたトランプなんか最悪だった。負けたのが悔しくて泣いているだけで、仕方ないなあって言って飴を分け与えられた。飴が欲しかった訳じゃない。己の実力のなさを思い知って悔しかっただけなんだよな。哀れみの飴、もう一生あんなもの食べたくない。 飴じゃなくて、そう、最近のゲームについて。 「みる」と「できる」を覚えた話をしたい。 【観る】 youtubeで実況

          200518 ゲームの話。

          200515 だってさぁ、って話。

          季節感が全然つかめてない。 今日、すでに梅雨入りしている地域もあると聞いて、昨日桜の蕾の話してなかったっけ?明日には金木犀が香ってくるんじゃないか?と思っている。 日ごとに人間としての生活が下手になっていってるのを実感するんだけど、今日になってから、あかべこ2本飲んじゃって、ものすごい翼を授けられている。エンジンフル稼働。このままこの世から飛び立ちそう。興奮冷めやらぬ。 ここ1ヶ月他人と過ごす時間が少な過ぎてチューニングが合わなくて、今日も「うわ、他人、"居る"じゃん」っ

          200515 だってさぁ、って話。

          200511 草と知識を育てる話。

          初夏。部屋でたくさんの草が新しい葉を出している。一部、名前を知らない草もいる。 「雑草」を、「知識が乏しいために名前を言うことが出来ない、多くの草。」とする辞書がある。 そうだよね、と思う。 そうだけどね、と思う。 そうとはいえ、と思う。 ◆ 「そうだよね」に含まれる感情として、素直に謙虚に様々な分野に関する知識を蓄えねば、と姿勢を正す気持ちがある。知らないことを知ろうと思う時、大抵は興味のある分野ばかりを選び取ってしまうからだ。 知識を得る機会や興味を持つタイミング

          200511 草と知識を育てる話。

          200509 実際にあった悪夢で、目が覚めてしまった話。

          これを書くのは、走馬灯にしたくないから。 苦しいことを体内から排出しておくための儀式のようなもの。 怖い夢を見て目が覚めたんですよ。 怖い夢のパターンとして私がよく見るのは、 ・正体不明の物体に追いかけられる・水のたまった真っ暗な場所を手探りで歩き続ける・いくつ扉を開いても同じ場所をループして走り続ける・殺されたり死んだりする・羽交い締めにされてからだ中を触られる。やめてと泣き叫んでも大量の手が迫り来る。 今日は最後のをみた。 どれも怖いし全部イヤ。 目覚めたときには汗

          200509 実際にあった悪夢で、目が覚めてしまった話。

          200507 ベランダに来るスズメと鳥類の話。

          今日もベランダにスズメが来た。 ==================== 先日、ベランダの白いかたまり(あれ何?小さくて丸いやつ)をつついて転がし、しばらくして部屋内から見る私に気づいて慌てて飛び去っていった。 スズメを近距離で見るのは珍しくないし、なんなら餌を求めて近づいてこられることすらあった(※ヘッダー写真)けど、なんとなくまた来るかなと思って、生米をぱらぱらと撒いておいた。 朝のことである。 仕事に出て夜に帰ったら、なんと米がすべて無くなっていた。すごい!なん

          200507 ベランダに来るスズメと鳥類の話。

          200506 授業参観の呪いの話。

          強烈に頭に焼き付いて離れない一言に苦しみ続けるというのがある。 私はそれを呪いと呼んでいる。 ◆ とても真面目でおとなしく、先生の言うことをよく聞くクラスだった。授業中に席を立つことも無ければ昼寝をすることも無く、大怪我も大喧嘩も大事故もめったに起こることのない温室のようなところだったのだけど、それと比較すれば少々やんちゃな男の子がいた。 勉強がちょっと出来なくて、字が汚くて、先生によく質問をして、たまに怪我をして、「たまにおバカが発揮されるが愛されるムードメーカー」的な

          200506 授業参観の呪いの話。

          200428 ゴーストバスターズの掃除機と責任感の話。

          今日のふりかえり。 ついに内臓が左右反転したかと思った。 【1】お客さんZについて。 【2】お客さんYについて。 【3】我が上司、菩薩かもしれない。 (※名前のイニシャルとかじゃなくて、ただアルファベットを後ろからあてただけです。) ■お客さんZは40代後半くらいのキャリアが長い現場管理。口がへの字をしている小太りのおじさん。 ……まったく現場の内容を把握していなくて(何で居るのか分からない)、それなのに大きな声で、我が上司に向かって金が無いから見積もり勉強してくれ、内容は

          200428 ゴーストバスターズの掃除機と責任感の話。

          200425 14歳、音楽室の話。

          音楽室が好きだった。 音楽か楽器の好きな人しか居残りしない部屋。 昼休みにピアノを習っている子といそいそ入っていって、先生とちょっとしゃべって、準備室にある楽器を触らせてもらったりした。 私は壊すのが嫌だったから、触るといっても本当に表面を撫でたりするだけで、友達はお目当てのピアノにかじりついていた。 大抵はおとなしく後ろからセーラー服の四角い襟を見ているだけだったけど、なんだか楽しくなってしまって、ピアノの周りをうろうろしたり、スカートを翻してくるくる回ってみたりした日が

          200425 14歳、音楽室の話。

          200425 たばこをめぐる5人の話。

          話は長くなるが、 たばこをめぐる5人の話を聞いてほしい。 1-たばこを売る人 「いらっしゃいませ」 同じような時間に来る客がいる。 毎日来るような客はたいてい、番号も見ずに銘柄と数量だけぼそりとつぶやいて1000円札をトレーに乗せる。 4年もいれば、誰がどれを何箱買うか覚える。 レジに向かってくるのが見えたら、頭のなかで、背後の高い壁のどこに手を伸ばすかイメージしておく。 バイトをはじめた頃は高校生だったので、銘柄も種類も略し方も知らず、ほとんど同じパッケージに見えてい

          200425 たばこをめぐる5人の話。

          200422 食事が下手という話。

          食べ物の好き嫌いが無いと自負している。 が、もしかしたらただ食べることが下手なだけかもしれない。 食事の思い出 子供の頃は好物を最後にとっておく人間だったので、好きなもの以外を一生懸命食べて、お腹がいっぱいになって、すっかり冷めきった好物にいそいそと手を伸ばしたら、もったいぶりすぎて、嫌いだから残していると判断した親に食べられたことがある。 中学の頃までは食べるのが遅かったので、外食に行くとたいてい食べ終わるまで急かされたし、両親のどちらかが先に出て買い物などを済ませよ

          200422 食事が下手という話。