200523 あほらしい仕事の話
あーあ。
はじめは「慣れない人と仕事するのしんどいな」程度だったんだけど、価値観ひっくり返されるくらい、どうしようもねえと思うことがある。
俺が勝手に思った愚痴と困惑を、明日がんばるために、吐き出しておこうと思う。
そもそも弊社は、太いお得意様とその周辺の協力社との取引が中心の中小企業だ。私はコンスタントな収益をあげられるお得意様をメインに、不定期に話が入ってくる会社からの仕事を担当している。
不定期な仕事の売上は大きくない。
ただ売上に対しての仕事量がめちゃくちゃに多い。なぜなら「入稿データ」という価値観を持たない人が担当することが多いからだ。
恐ろしいことに、電話口で3人と同じ会話をしたことがある。
「データも御社で作ってもらえるんですよね?」
「データ製作は可能ですよ、ただ、見積もりにはデータ制作費を入れていないので追加費用はかかります。」
「えっ?サイズの違う数文字を入力するだけなのに追加費用ですか?」
まだやりとりしてるのえらくないですか。
しかも3人とも同じ取引先のおっさんだよ。
デザイナーやデザイン会社が何のために存在するのか考えたことないんだろうな。
そんで毎回同じように答える。
「どこの会社であっても、デザイン費用は製作の際必ずかかりますよ。もしくは、御社かデザイン会社からデータを支給いただければと思います。念のためメールで再見積もりを提出しますのでご検討よろしくお願いいたします。」
もちろん仕事を与える側が選ぶ権利を持っているので、この場合の私の仕事は可能性を提示することだ。
なにも悪徳業者よろしく押し売りをしたいわけじゃない。私が提示するデータ制作費より少額でデザインしてくれる会社だってあるかもしれない。
しかしだいたいデータ製作もお願いされる。
お願いされた限りは、見やすく見映えのいい図面を書くようにしている。雛型を作って、寸法や仕様や数量なんかも書き出して、PDFにしてメール添付していかがでしょうかとお伺いをたてて、変更があればデータを作り直すし、了承が得られれば製作して現場にも出る。
ここまでは間違ってないよな?
どこの会社でもどんな案件でも、仕事の流れは一緒だよな?
仕事ってこういうことだよな?
こないだひとりで現場施工に行ったとき、散々ケチをつけられて、あげく「データなんかそこまで細かくチェックしてないからさぁ」「やり直してもらえる?」「何種類か作ってここでいちばん近いの施工したら良かったのに」「えーこれ追加で金払った方がいい?」「なんで種類豊富に作って来なかったの?」「さすがにこれは無いな」ですってよ。
たしかにフォントは違った。
たしかに既存より線が細かった。
たしかに同じ品番のシートは使えていなかった。
しかし!それも!しょっぱなから値切られたし!ふつうは材料や人工のことを考えて最低限しか製作しないし!既存のものはソフトの固有フォントが使われていたし!素材について同じ用途と表記でも会社によってみえかたは違うと言ったし!まったくは同じにならないと!何回も言ったし!そのためのチェックバックやろうが!!!!
正直、堪える。
データ見てませんでした、金は払いません、そちらで考えて量作ってこい、やりなおせ、ですって。
やりがい無ぇーーーーーーーーーーーーー
仕事ってこんなもんなんですか?
俺がデータを作っていた時間とか現場に出向いた労力とかが惜しいんじゃなくて、いや、もちろん工場に作ってもらったものが理不尽にボツになるのは腹立たしいけど、
何が堪えるって、お互いの共通認識としての仕事のあり方が、あと出しで覆されること。
だってそこはそもそも仕事の契約をするしないにも関わることでしょう。
「御社から依頼があって、弊社が見積もりを出して、御社が了承して、弊社がデータ案を提出し合わせてあらゆるリスクを提示し、御社がそれをすべて了承して正式に製作の依頼をし、弊社が製作と施工をする」という最低限の流れにさえ乗れていなかったということでしょう。
なにそれ。ってな。
いやしかし、こんな噛み合ってない歯車を無理矢理まわしつづけるような仕事でも、仕事は仕事なので、歯を食い縛って現場を納めます。
現場を納めることが俺の仕事なので。
あーーあ。
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