中島敦『弟子』:利用価値と存在価値
司馬遼太郎は『ロシアの脅威』というエッセイの中で、第二次世界大戦当時の日本軍の状況について次のような分析をしています。
「ところが、それより上にいくと、非常にグローバルにものを見なければなりません。将軍のことをゼネラルといいますが、総合者の意味ですね。諸価値の総合者という意味です。将軍は日本軍にも階級としてはいました。しかし、諸価値の総合者はいなかったのではないか。 」
司馬遼太郎はこのように述べ、当時のGeneralの不在を指摘します。つまり、スペシャリストはたくさんいたが