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2024年10月の記事一覧
ずり落ちるトートバッグと今朝の目玉焼き
肩からずり落ちそうなトートバッグをずり上げた。僕は今朝焦がした目玉焼きのことを考えていたのだ。それは黄身がちょうど白身の真ん中に落ちて、昇ったばかりの太陽みたいだ。きのう新一星が持っていたハンディタオルとそっくりだった。
またバッグがずり落ちる。身幅の大きいスウェットに、小さなトートは扱いづらい。
どうでもいい日々たち
どうでも良くなって来ていた。彼女との関係も、今日の天気も、盗まれた傘の行方も、税金の値上がりも、上司のジャケットについた皺も、みんなどうでも良かった。ひとりで南の島まで行って、飽きるまで遊んで、寝て、食べて、女の子を札束で引っ叩いたり、引っ叩かれたりしたかった。