#サスペンス小説
爆裂愛物語 第十一話 獣の王
「海はいいね。広くて大きい、空と海に囲まれてると、なんか、故郷に帰ってきた気分になるよ。風も気持ちいいね~。波の音も懐かしい……。 あっはっはっはっ! 天を仰ぐぜ……! こりゃいい気分だ!」
風がやみ穏やかな波が押し寄せる海原、小さな船に立ちつくす我路たち
………………(みんな無言になる)
………………(我関せずな静香)
…………………………
(無言無表情のアイ)
……………………(同じく無
爆裂愛物語 第八話 心臓に向かう折れた針
大日本翼賛会の寮へ、凪とアイが帰ってきた頃には……もう昼だった。
「何処に行っとったんや! 心配したぞ!!」
フォルクスワーゲンVW38で帰ってきたアイと凪を、一番最初にそう出迎えたのは我路だった。
「つーかなんやねんこのモダンな車は! ってかアイはサングラス着けとるし、なにキメとんねん!」
「私は眼も含め、紫外線に弱いためこのような対策が必要なのです」
「……だからってなんでフォルクスワーゲ
爆裂愛物語 第七話 悪魔の使徒
大日本翼賛会事務所に帰った我路たち。そこでは、普段は静かな事務所が、波のようにざわついている。
「なるほど……大東亜戦争の業か」
並さんが深く頷く。
「しかしお前ら、こっからナチス相手に闘うってエラいもんにオレら巻き込んでくれたなー笑」
宮さんは笑いながら言った。
「まぁ、その通りですけど……でもこれしかなかったんですよ」
そう我路が答えると、隣の園さんも笑いを浮かべる。
「これでオレら死