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  • ライトノベルの賞に応募する

    ⭐︎今(21)まで⭐︎ ライトノベルの賞に初めて応募する為に書いています。 ラノベの定義もわからず、小学校高学年から若い層に向けたもの、という事なので、主人公を小学五年生の男の子に設定しました。長い文章を書くのはモチベの維持が必要不可欠ですが、1人で戦っていると、今自分がどこに立っているかわからなくなる瞬間があります。そこで、公開する事でハート古事記をしてモチベの維持に役立てたいと思っています。章の最後まで読めたよ、という心優しき方はハードル低めにハート押していただけたら、幸いです。 (1)から、読んでいただけると嬉しいです。コメントも嬉しいです。 コメント残すの恥ずかしいよ、という方は「sederi@eripo.net」まで、一言でもください。「続き読みたいから早く書けよ」の一言で一万字くらいは走れます! メンタル豆腐以下なので意地悪しないでください🥲 ゴールが見えてきた。頑張る。

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だすか?

これ出すか。 これまで書いたの、複数応募可なら、アップしてあるのにタグつけたらええだけやん。賞金少しだけど、協賛がすごいから、ええなあ。

    • ライトノベルの賞に応募する(21)

      一覧はこちら↓ 目が覚めた時、僕は混乱した。いつもの風景と違う。最初に浮かんだのは、ここはどこだ? ということだった。眠りから意識がはっきりするにつれて、昨日の記憶が蘇って来た。そうだ、僕は警察から、なんだかよくわからないところに連れて来られて、一晩寝た。ミワは? 最初に思い浮かんだのはミワの事だった。起き上がって隣のベッドを見る。ミワが居ない。僕は焦った。枕元に昨日僕が着ていた衣類が畳まれて置いてある。柔軟剤の匂いがした。僕はとりあえず、パジャマからその服に着替えることに

      • ライトノベルの賞に応募する(20)

        一覧はこちら↓  3人にお風呂に入るように促された。使った食器を洗おうとしたら、それも止められた。「明日から一緒にしましょう。今日はもう夜遅いから、こっちで洗って置く」と言われた。 2階の部屋に戻ると、高梨さんがミワのベットに寄り添うように、床に腰を下ろしていた。 「よく眠ってるよ。」 小さな声でそう言った。 「交代するね。」 パジャマと下着とバスタオルを僕に渡し、荒井さんが言った。 高梨さんが「じゃあ、お風呂に行こう。」と立ち上がって、部屋を出たので、後に続いた。お風呂の

        • ライトノベルの賞に応募する(19)

          一覧はこちら↓  食事を用意してくれたのは、高瀬さんという人だった。3人は、僕に何かを聞くということもなく、朗らかに会話をしていた。でも僕の食事のスピードに3人とも合わせてくれている。先に食べ終えるということもなく、かといって全く食べないというわけでもない。僕はスープにだけ視線を落としていたが、その和やかな雰囲気に合わせて、次第に顔を上げられるようになった。 高瀬さんが僕に会話を向ける。 「シュウ君、明日の予定分かる? シュウ君は学校と、ミワちゃんは幼稚園だけかな?」 「…

        だすか?

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        • ライトノベルの賞に応募する
          21本

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          ライトノベルの賞に応募する(18)

          一覧はこちら💁‍♀️ 着いたのは不思議な建物だった。普通の人が住む家よりはずっと大きく、ビルというには小さい。表札も、なんの看板も立ってなかった。入口の前に、重そうな引く形の門がある。学校の門を小さくしたみたいだった。車に乗せられてどのくらい走っただろう。一時間は経ったんじゃないかと思う。時間の感覚があまりない。イレギュラーなことが起きると、時間はこんな風に過ぎていくのか…。ミワは僕の膝に頭を乗せて寝てしまっていた。 車が停まって、降りるように促される。僕は一旦先に降りて、

          ライトノベルの賞に応募する(18)

          ライトノベルの賞に応募する(17)

          一覧はこちら↓ 警察署に着くと、前の車の後部座席から、3人降りた。警察官に左右を固められ、中心に父親が居た。すごく久しぶりに、父親の顔を見た気がする。僕の記憶の中の父親とは全く変わっていた。まぶたは垂れ下がり、目はほとんど開かれておらず、眼球に力がない。頬はこけ、口周りがだらりと垂れ下がり、口は半開きのままだ。おまけに、ぼさぼさに伸びた髪と眉毛と、無精ひげ。清潔感がない。身長は低くないはずなのに、両脇の警察官よりずっと小さく見える。肩が下がり猫背になって、顔は下を向いている

          ライトノベルの賞に応募する(17)

          ライトノベルの賞に応募する(16)

          一覧はこちら💁‍♀️ 僕たちは三人そろって階段を降りた。父親と取り囲んでいた警察官は居なくなっていて、二人の警官と祖母がリビングに居るだけだった。 「…シュウ…。」 祖母が僕の名前を呼ぶ。 「おばあちゃん…。僕たち二人も一旦警察に行くみたい。必ず戻るから、また会えるから安心して。」 僕は祖母の手を両手で握って、膝をついて祖母に目線を合わせて言った。いつも焦点が合わない祖母と、しっかり目が合った。いつもはどこか常に曇っている感じの祖母の瞳が、しっかり澄んで、涙ぐんでいた。瞳の

          ライトノベルの賞に応募する(16)

          ライトノベルの賞に応募する(15)

          一覧はこちら💁‍♀️ 玄関の鍵は想像通り開いていた。父親の部屋のドアも、祖母の部屋のドアも開けっ放しだ。玄関には溢れんばかりの靴が脱ぎ捨てられている。僕はリビングのドアを開けた。奥には3人の警察官に取り囲まれた父親が床にへたり込んでいる。リビングの椅子には祖母が女性警官を前に座っていた。二階からミワの泣く声がする。部屋の中は何もかもがぐちゃぐちゃだ。 扉を開けた僕に警官が気が付く。父親を囲んでいた警官の一人が僕に向き直っていた。 「息子さんですか?」 「はい。」 「ちょっと

          ライトノベルの賞に応募する(15)

          ライトノベルの賞に応募する(14)

          一覧はこちら💁‍♀️ https://note.com/clean_cosmos816/m/mbd347da48b60  セレクションのことを、どうやって母親に伝えよう。選ばれた嬉しさより、家族の都合をつけるという現実的なことを考えると、帰るのが気が重かった。もう着いてしまう。考え事をしながら自転車を漕いでいると、あっという間に過ぎてしまう。母親にどんなタイミングで、なんと伝えよう。そう考えながら最後の角に差し掛かる。赤いライトが路地から光ってるような気がする。いつもとは

          ライトノベルの賞に応募する(14)

          ライトノベルの賞に応募する(13)

          一覧はこちら💁‍♀️ 「お前、セレクション初めてだっけ?」 タカシが駐輪場で、帰り際に声を掛けてくる。 「…あっああ。ここに入るときに受けて以来だな…。」 「まぁ、そんな気追うことないよ。」 タカシは冬の県選抜のセレクションも受けて、しっかり通っている。 「俺は、今回、お前とで嬉しいよ。今日のゴールだって、俺がしたというより、お前にさせられたって感じだったもんな。」 「…。そうか? タカシが走ったから…。」 「フォワードだったら、誰だって走るよ。でも欲しいところに必ず配球が

          ライトノベルの賞に応募する(13)

          ライトノベルの賞に応募する(12)

          一覧はこちら↓ 「じゃあ、今日は以上!」 「ありがとうございました!」 コーチの号令に礼を言って、解散する。 「タカシ! シュウ! ちょっとこっち来い!」 走り去ろうとする僕たちに、コーチが僕とタカシをこまねきして呼んだ。 「…はい。」 僕とタカシはコーチの元に走り寄った。 コーチがみんなに背を向ける形で僕たち二人の間に入った。 「再来週、ジュニアのセレクション、うちからはお前たち二人で決めようかと思ってるんだが、どうだ?」 タカシと僕は、目を大きく顔を見合わせた。 「はい

          ライトノベルの賞に応募する(12)

          ライトノベルの賞に応募する(11)

          一覧はこちら↓  帰りの会が終ると、僕は急いで帰った。ランドセルを放り投げ、サッカークラブ用のリュックを背負い、水筒にポカリスエットと氷を足した。 玄関のすぐ横の父親の部屋の扉をノックした。 「お父さん。ミワのお迎えお願いね!」 「ああ。」 低い父親の声が聞こえた。 よし、僕の仕事はここまで! サッカーに行こう! 僕は自分のマウンテンバイクを引っ張り出し、またがって先を急いだ。もうすっかり陽気は夏だ。桜が咲いていたのがついこの間なのに、葉桜になってから、日に日に暑くなり、も

          ライトノベルの賞に応募する(11)

          ライトノベルの賞に応募する(10)

          一覧はこちら👇 ✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂  ミワはいつもの通り、すやすや寝ていた。すやすやという表現はミワのためにあるみたいだ。音も立てず静かに呼吸している。拝むみたいに両手を重ねて、顔の下にひいている。ミワの寝るときの癖だ。ミワの寝顔を見ていると、悪夢みたいなさっきまでの感情がいつの間にか引いていった。ミワの顔をそっと撫でる。僕の気持ちが安定していくのがわかる。 「ミワ、朝だよ。」 僕の声には落ち着きが戻っていた。 「ミワ、起きよ

          ライトノベルの賞に応募する(10)

          ライトノベルの賞に応募する(9)

          一覧はこちら👇 ✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂  ミワのお弁当と、朝食にみそ汁と卵焼き、ソーセージを焼いた後、ごみ袋を抱えた。今日は燃えるごみの火だ。家中を回って、ごみを拾い集める。台所から始まって、リビング、トイレ、洗面所。2階に回って、僕の部屋、ミワの部屋、ピアノのある物干し部屋、母親の寝室。1階に降りて祖母の部屋、父親の部屋。父親の部屋の机の上には、灰皿にタバコの吸い殻が積み重なっている。僕はこの父親の吸い殻を片付けるのが何より嫌い

          ライトノベルの賞に応募する(9)

          ライトノベルの賞に応募する(8)

          一覧はこちら👇 ✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂ モモは灰色の男たちに皆が奪われた時間を取り戻す。僕の時間は灰色の男たちに奪われてしまっているのだろうか。毎日6時には起きて、ミワのお弁当を作り、家族の朝食を用意する。ミワと祖母が日中困らないように支度をする。自室にほとんど籠ったきりで、テレビを大音量で、掛け口を開けば怒号を発する父親の機嫌を損ねないようにする。4時までは友達とサッカーをする。週に2回は地元のサッカークラブに通うことを許されて

          ライトノベルの賞に応募する(8)

          ライトノベルの賞に応募する(7)

          一覧はこちら👇 ✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂ 四時になったので僕は着替えて、荷物をまとめた。みんなはまだ校庭で走り回っている。僕は一旦帰って、買い物に行って、ミワのお迎えに行かなくちゃいけない。 「先帰るねー!」  僕は大きな声で校庭に声を掛けた。 「おつかれー!」  四方から声が届く。夕暮れにはまだ時間が早いが、僕は一人家路に急いだ。  家に帰ると鍵を回して玄関に入る。玄関のすぐ右側には父親の部屋。左側には祖母の部屋になっている。父親

          ライトノベルの賞に応募する(7)