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ライトノベルの賞に応募する

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⭐︎現在(36完結)まで⭐︎ ライトノベルの賞に初めて応募する為に書きました。 ラノベの定義もわからず、小学校高学年から若い層に向けたもの、という事なので、主人公を小学五年生の男の子… もっと読む
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ライトノベルの賞に応募する(1)

ライトノベルの賞に応募する(1)

こんばんは。久しぶりの投稿です。
先月から小説の新人賞チャレンジを始めています。
先月は中編を2作書きました。その2作は公開すると応募できないので、公開できませんでした。
今月狙っているライトノベルの賞は、ウェブ公開していても応募できるので、公開してみようと思います。ライトノベルは小学生の時にティーンズハートという小学生向けの恋愛物のレーベルを読み漁ったくらいで、大人になってからは数えるほどしか読

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ライトノベルの賞に応募する(2)

ライトノベルの賞に応募する(2)

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 朝6時のアラームが鳴る。まだ起きたくはない。布団のなかでしばらくぐずぐずするが、1日を始めなければならない。父親と母親が脱ぎ捨てた洗濯物を洗濯機に入れて回す。物干し部屋に行って、サッカーの練習着とソックス一通りのものを畳んでカバンにしまった。ミワの制服も畳む。今日着る分はミワの枕元にセットしてある。昨日寝る前に

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ライトノベルの賞に応募する(3)

ライトノベルの賞に応募する(3)

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食事を終えたミワは、朝の子供向けの番組に夢中になっている。僕はその間に朝食の食器を片付け、洗い物を終える。自室に戻り、ランドセルの中身を確認して、サッカーの練習着とソックス、脛あて、スパイクを一つの袋にまとめた。
「ミワ、そろそろ出ないと遅れるよ」
僕はそういってテレビを消した。ミワが愚ずることはそうない。見か

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ライトノベルの賞に応募する(4)

ライトノベルの賞に応募する(4)

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チャイムが鳴って、みんなが席に着いた。1日が始まる。担任は若い女の先生だ。今日の機嫌は悪くない。朝の会が始まり出席を取る。僕は後方の窓際の席だ。窓際の席はついている。つまらなくなったら窓の外を眺めればいい。何が見えるというわけではないけど、この教室から意識を離すことができる。
隣の席の女子に
「宿題やってきた?

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ライトノベルの賞に応募する(5)

ライトノベルの賞に応募する(5)

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一時間目の国語の授業の漢字の書き取りテストが終ると、僕はいつも通り窓の外を眺めていた。これだってゲームだ。問いに求められた回答を知っているか知っていないかだけ。知っていることを書きだしたら終わってしまう。考えることなんて一つもない。国語の教科書に目をやる。国語の教科書にお話の全文は載っていない。オトナが選んだ抜

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ライトノベルの賞に応募する(6)

ライトノベルの賞に応募する(6)

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「おい! ちゃんとパス回せよ!」
校庭に怒号が響く。
「俺が回ってきてるの見えてないのかよ!」
 一通りのウォーミングアップメニューを終え、僕たちは五対五チームに分かれて紅白戦をしていた。昼休みとは違い、練習着に着替え、サッカー用の長いソックスに脛あてをし、スパイクを履いている。
 タカシはいつも声を大きく、自

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ライトノベルの賞に応募する(7)

ライトノベルの賞に応募する(7)

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四時になったので僕は着替えて、荷物をまとめた。みんなはまだ校庭で走り回っている。僕は一旦帰って、買い物に行って、ミワのお迎えに行かなくちゃいけない。
「先帰るねー!」
 僕は大きな声で校庭に声を掛けた。
「おつかれー!」
 四方から声が届く。夕暮れにはまだ時間が早いが、僕は一人家路に急いだ。
 家に帰ると鍵を回

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ライトノベルの賞に応募する(8)

ライトノベルの賞に応募する(8)

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モモは灰色の男たちに皆が奪われた時間を取り戻す。僕の時間は灰色の男たちに奪われてしまっているのだろうか。毎日6時には起きて、ミワのお弁当を作り、家族の朝食を用意する。ミワと祖母が日中困らないように支度をする。自室にほとんど籠ったきりで、テレビを大音量で、掛け口を開けば怒号を発する父親の機嫌を損ねないようにする。

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ライトノベルの賞に応募する(9)

ライトノベルの賞に応募する(9)

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 ミワのお弁当と、朝食にみそ汁と卵焼き、ソーセージを焼いた後、ごみ袋を抱えた。今日は燃えるごみの火だ。家中を回って、ごみを拾い集める。台所から始まって、リビング、トイレ、洗面所。2階に回って、僕の部屋、ミワの部屋、ピアノのある物干し部屋、母親の寝室。1階に降りて祖母の部屋、父親の部屋。父親の部屋の机の上には、灰

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ライトノベルの賞に応募する(10)

ライトノベルの賞に応募する(10)

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 ミワはいつもの通り、すやすや寝ていた。すやすやという表現はミワのためにあるみたいだ。音も立てず静かに呼吸している。拝むみたいに両手を重ねて、顔の下にひいている。ミワの寝るときの癖だ。ミワの寝顔を見ていると、悪夢みたいなさっきまでの感情がいつの間にか引いていった。ミワの顔をそっと撫でる。僕の気持ちが安定していく

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ライトノベルの賞に応募する(11)

ライトノベルの賞に応募する(11)

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 帰りの会が終ると、僕は急いで帰った。ランドセルを放り投げ、サッカークラブ用のリュックを背負い、水筒にポカリスエットと氷を足した。
玄関のすぐ横の父親の部屋の扉をノックした。
「お父さん。ミワのお迎えお願いね!」
「ああ。」
低い父親の声が聞こえた。
よし、僕の仕事はここまで! サッカーに行こう!
僕は自分のマウンテンバイクを引っ張り出し、またがって先を急いだ。もうすっかり陽気は

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ライトノベルの賞に応募する(12)

ライトノベルの賞に応募する(12)

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「じゃあ、今日は以上!」
「ありがとうございました!」
コーチの号令に礼を言って、解散する。
「タカシ! シュウ! ちょっとこっち来い!」
走り去ろうとする僕たちに、コーチが僕とタカシをこまねきして呼んだ。
「…はい。」
僕とタカシはコーチの元に走り寄った。
コーチがみんなに背を向ける形で僕たち二人の間に入った。
「再来週、ジュニアのセレクション、うちからはお前たち二人で決めよう

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ライトノベルの賞に応募する(13)

ライトノベルの賞に応募する(13)

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「お前、セレクション初めてだっけ?」
タカシが駐輪場で、帰り際に声を掛けてくる。
「…あっああ。ここに入るときに受けて以来だな…。」
「まぁ、そんな気追うことないよ。」
タカシは冬の県選抜のセレクションも受けて、しっかり通っている。
「俺は、今回、お前とで嬉しいよ。今日のゴールだって、俺がしたというより、お前にさせられたって感じだったもんな。」
「…。そうか? タカシが走

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ライトノベルの賞に応募する(14)

ライトノベルの賞に応募する(14)

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https://note.com/clean_cosmos816/m/mbd347da48b60

 セレクションのことを、どうやって母親に伝えよう。選ばれた嬉しさより、家族の都合をつけるという現実的なことを考えると、帰るのが気が重かった。もう着いてしまう。考え事をしながら自転車を漕いでいると、あっという間に過ぎてしまう。母親にどんなタイミングで、なんと伝えよう。そう考え

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