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雑誌「1番近いイタリア」

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雑誌「1番近いイタリア」に関する記事。 マンマのイタリア家庭料理研究家Aoi Aurora、こと中小路葵が編集長を務める季刊誌です。 コンセプトは「日本の家庭で楽しむイタリア料…
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#マンマの台所

「1番近いイタリア2024春号(Vol.17)」刊行!

「1番近いイタリア2024春号(Vol.17)」刊行!

「1番近いイタリア」2024年春号を刊行!

あっという間に第17号、温かい読者の皆様に支えられていることに感謝です。

イタリアで見つけた「土地と生きる食の豊かさ」を、皆様に生の魅力たっぷりでお伝えできれば幸いです。

さて、今号はいかに!

2024年春号巻頭エッセイは「カーブを曲がると」、トスカーナ州をバイクで旅した時の短編です。

マンマのレシピ集、今号のテーマ食材は「リコッタチーズ」。

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カターニャの煙

カターニャの煙

目の前の通りに出た大きな炭火焼きコンロからもうもうと上がる煙に、まだ高い太陽からの光が乱反射する。煙の向こうには大きな体をした肉屋の店主が忙しそうに手を動かす姿が霞んで見える。通りに並べられたプラスチックのテーブルには高校生くらいの若者が輪になり、たっぷり肉が詰まった大きなパニーニを頬張る。煙の中をテーブルを縫うようにウェイターさんたちが足早に料理を運ぶ。私たちのテーブルの横をまた一人、お皿を抱え

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「1番近いイタリア2022秋号(Vol.12)」刊行!🇮🇹🎉

「1番近いイタリア2022秋号(Vol.12)」刊行!🇮🇹🎉

「1番近いイタリア」2022年秋号を刊行!

あっという間に3周年!温かい読者の皆様に支えられていることに感謝です。

イタリアで見つけた「土地と生きる食の豊かさ」を、皆様に生の魅力たっぷりでお伝えできれば幸いです。

さて、今号はいかに!

2022年秋号 福岡県糸島×ピエモンテ州の食卓巻頭エッセイは「山の民」、ピエモンテ州山の家族を描いた一節です。

生産者取材では、福岡県糸島のフルタクこと古

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夏の音

夏の音

※この記事は「1番近いイタリア2022年夏号」の巻頭エッセイの抜粋です

「1番近いイタリア」についてはこちら。

7月24日、日曜日、快晴、気温36度。浜に寄せる波の音、お腹の底を揺らすような海の家の音楽、風に乗って届く人々の笑い声。夏だ。

燦々と輝く太陽の光を受けて、水面をこれみよがしに輝かせる海面に、子供も大人も思い思いに波を立てる。大きく息を吸うと、湿った潮の風が音を立てて肺に入る。隣に

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