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勝手に読書感想

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勝手気ままに本を読んだ感想、感じたことを綴ります
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記事一覧

王様が教えてくれること

一番最初の本として何を選ぼうかと考えた時、やっぱりずっと変わらず好きな本にしようと選んだのが、『ちいさなちいさな王様』です。

ドイツの作家、アクセル・ハッケ作 那須田淳/木本栄共訳のこの本に出会ったのは、小学生の頃。当時の私は図書館で手当たり次第に綺麗な本を借りることに躍起になっていました。そんな中で出会ったのが『ちいさなちいさな王様』でした。コーヒーカップの横で威厳たっぷりのちいさな王様が新聞

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最後まで手放せない本。 『流浪の月』

当たり前ってなんだろう?
普通ってなに?言葉では言い表せない関係。
世の中で事実とされているものが真実とは限らない。
更紗と文の物語が自分の中にぐんぐん浸透してきて、一気に読み終えないと溢れてしまう気がして一気に読み終えました。

2020年本屋大賞を受賞した、凪良ゆうさんの『流浪の月』。もうすでに多くの方が読んでいるのではないでしょうか。

『流浪の月』を読もうと思ったきっかけは、たまたま聞いて

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はてしない物語の先に

本との出会い、本がその人の性格までも変えてしまう。主人公バスチアンは冴えない男の子。そんなバスチアンが一冊の本との出会いによって、めまぐるしく変化していきます。これは本の中のはてしない、はてしない冒険物語です。

この本に出会ったきっかけは、元々読もうと思っていた、ミヒャエル・エンデの作品『モモ』を探していて、気になって一緒に購入しました。本をネットで買う時には、できるだけ内容を知りすぎないように

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小鳥の小父さん

鳥モチーフ好きの私が表紙とタイトルだけで思わず購入した、小川洋子さんの『ことり』。

淡々と綴られる、主人公「小鳥の小父(おじ)さん」の物語。小父さんのお兄さんは11歳を過ぎたあたりから、人間の言葉を話さなくなる。お兄さんは小鳥のさえずりを理解できる人だった。そして、そのお兄さんの言葉を理解できるのは小父さんだけだった。話は、家族4人での生活から、両親が亡くなった後の兄弟2人の生活、そしてお兄さん

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野良猫になれ。

”従順な羊ではなく、野良猫になれ。”文庫の帯についたこの言葉に惹かれて手にとったジョン・キム氏の『媚びない人生』。

会社員をこれからも続けていくべきか考えている中で出会った一冊。ただ、社会との向き合い方だけではなく、自分との向き合い方、他者、仕事、人生、未来、「今」との向き合い方について書かれていて、この一冊から得られる情報量(言葉の)はとてつもなく膨大のように感じた。

自分は読み始めから読み

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火車

9月は「火車」と共に、自分の着地点を探す長い長い1ヶ月だったなと改めて思う。

宮部みゆき著「火車」は、休職中の刑事本間が、遠い親戚の和也から婚約者を探して欲しいという依頼を受けて、その婚約者の行方を探す中で、謎を紐解いていくミステリー小説だ。今年の東京都知事選立候補者の宇都宮さんに興味をもって、それからこの本に出会った。

ミステリー小説ながら、平成初期のクレジットカード破産、住宅ローン、多重債

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人生のバイブル

2020年も年末。本を手に取ることによって、私はたくさんのものを引き寄せ、得られた一年になりました。

今年最後に紹介するのは、わたしの生活に欠かせなくなった畠山健二さんの「本所おけら長屋」です。

ついに時代小説の紹介!実はわたし時代小説大好きでして、今年は敢えてこれまで読んでこなかった本を意識して読んでいたのですが、、社会情勢も去ることながら、身近なところでも様々なトラブルに見まわれ紆余曲折の

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