マガジンのカバー画像

いつかのキミへ

18
いつか贈りたい
運営しているクリエイター

2023年4月の記事一覧

古い記憶を思い出した話

古い記憶を思い出した話

古い記憶というのは、ふとした時に何気ない拍子で思い出してしまう。そんな風に思えることがある。それは、ボクが鶴の記事を読んでいる時のことだ。

↓ツル、食べちゃいましたって、昔のヒトはおそろしい…

随分と昔のことだが、同僚の後輩女子が結婚した。

その半年前の夜、彼女が夜に突然電話してきた。職場で話すことは多かったが、何度か数人で飲みに行ったりしたくらいの関係だったから何事かと気になった。そう言え

もっとみる
まるごとバナナの話

まるごとバナナの話

それは衝撃だった子ジカの事件から2年後の、何気ないある日のことだ。

↓下品極まりない、若き日の黒歴史。R18だと思います。ふうちゃんさん、こんなのにイラスト使ってごめんなさい。

その日、仕事から帰ったボクは何気なく冷蔵庫を開けた。大したものは入っていなかったが、奥の方に「まるごとバナナ」を発見した。こんなの、いつ買ったんだっけ。記憶も曖昧だが、お腹が空いたボクは早速頂くことにした。うん、ひさび

もっとみる
父とクマ撃ちの話

父とクマ撃ちの話

ボクが子供の頃、父は夕食時に酒に酔うと色んな話をしてくれた。
今ならコンプラ違反な事件ばかりだったが、時代が違うから仕方ないのだろう。父の生きた時代は遥かにワイルドで、その話の背景は荒れ狂った嵐のように感じられた。

父がまだ若かったある日、仲間とクマ撃ちに行ったという。
クマとは、時々テレビのニュースでも街中に出没したといって取り上げられる、あの黒い巨大なヤツだ。プーさんやパンダのような可愛らし

もっとみる
子どもの頃の思い出

子どもの頃の思い出

ボクの子ども時代、思い出すのは田舎の港町だ。
坂の多いところで、鉄工所や造船所の工場群が敷き詰められた港が一望できる坂の上からの景色が好きだった。

父親が中学の英語教師で、生活自体は多分裕福ではなかったのだろう。でも周りの友達も似たようなものだったから、誰も気にもしてなかった。
そんな事よりも次のサッカーの試合だとか、友だちと自転車でどこに行こうとか、誰と誰がケンカしたとか、クラスのあの娘が最近

もっとみる
4月1日の告白

4月1日の告白

この日は、きっと何を言ってもウソになるらしい。

強く、なりたかった。

やっと大学に受かった。ようやく居場所を見つけはしたが、時々襲ってくる不安は消えなかった。ローンで買った250ccのバイクが相棒だった。

夜中の第三京浜で何㎞出せるかやってみた。恐怖の向こうに希望が見えるかも、そんな思いだった。バイクは車体が軽い分アクセルを開けば高音を奏で急加速してくれる。10秒もかからずにスピードは100

もっとみる