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#映画
英国王のスピーチ:男の相棒映画(Buddy Movie)と、ステキな奥さんの存在について
『グリーンブック』は、黒人と白人のバディ・ムーヴィーである。バディbuddyというのは、相棒ということ。男女のカップルの恋愛を描くかわりに、男同士の、恋愛のように濃い友情と、相棒的関係を描く映画のことである。
バディ・ムーヴィーはひとつのジャンルといってもいいくらい、いろいろある。日本的にいうと、漫才コンビは凹凸の相棒で構成されている方が成功することが多く、かれらが映画のキャラになったと思っても
キューブリック展@デザイン・ミュージアム 詳細レポその2
キューブリックは、映画のためのストーリーをどこで見つけてくるのか?と聞かれて、「たいていの話を見つけるようにさ」と答えている。それはどういうことかとさらに聞かれると、「単なる運だよ(Sheer chance.)」。創造の友はセレンディピティというわけ。
たとえば『時計じかけのオレンジ』は、ジョン・バージェスの小説が原作だが、これはキューブリックの奥さんがバージェスファンだったので、いやいや読まさ
A Northern Soul: どん底の子どもたちを、アートとカルチャーが救う
ブレグジット(Brexit)は、なぜ可決されたのか。映画的文脈でとても単純にいうと、それは八方塞がりの生活を強いられている労働者階級の人びとの、革命をもとめる声の集結である。
自分たちの苦しい生活をなんとかしてくれ。古き良きイギリスを取り戻してくれ。ヨーロッパ連合に多大な金を払っているだって?冗談じゃない!そんな金があるのなら、俺たちに使ってくれ。
ケン・ローチ監督の『わたし、ダニエル・ブレイ
僕たちのラスト・ステージ:語り継がれなければならない達人の世界と、相棒の愛情のドラマ
『僕たちのラスト・ステージ』(Stan and Ollie, 2018)は、ハリウッドの黄金時代に活躍したコメディ・デュオであるローレル&ハーディ、つまりスタン・ローレルとオリヴァー(オリー)・ハーディーの伝記をもとにした映画である。といっても映画は、活躍していた1930年代ではなく、邦題にもあるように、1957年のかれらのラスト・ステージに、焦点を当てたものになっている。
スタン・ローレルは、