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仮説の日々

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日々生じる仮説を検証したりしなかったりする育児とそのほか諸々の記録。
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よろこぶたのしみ

よろこぶたのしみ

子どもの言葉

●よろこぶたのしみ

子がある日、「ママのよろこぶたのしみはなに?」と聞く。
よろこぶたのしみ!きれいな言葉だなあ。

いろんな文字を覚えること
クリスマスツリーのかざりつけ
かわいいお花を見つけて歩くこと
かわいいお花をもっとかわいくすること
楽しいお菓子をかわいくすること

これが子の「よろこぶたのしみ」だそうです。

●どんぐりさん

雪の日に赤ちゃんの頃に買ったどんぐり帽子

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自分のものさしで見てはいけない

自分のものさしで見てはいけない

子どもが自転車を漕ぎたいというので、モールにヘルメットを買いに行った。トイザらスは鬼門で、入ったら最後無傷では出られないから、できるだけ近寄りたくないのだが、ヘルメットは試着の必要があるから行くしかない。で、意外に、トイザらスはすんなりと出ることができて、あとはいくつか別の店に用事がありつつ、子が今使ってる水筒はそろそろサイズが小さいかも、どういうサイズ感のがあるのかな、何かいいのないかな、と水筒

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アナキズム雛とか、そのあたりのこと

アナキズム雛とか、そのあたりのこと

「受け入れられんと、病むんよ」

取材で出かけた奈良の山のなかで、土地のおばちゃんと談笑していたら、世間話がまさかの皇室ゴシップネタだった。いわく、「今生天皇と弟妹は全員母親が違うんよ」。跡取となる男児は一人ではなく二人は産まなければいけない、だからもし自分が産めないなら他の女性の胎を借りる必要がある、前皇后はそれを受け入れた、今の皇后には無理だった、

そして冒頭の一言。

「でも皇室に入るって

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育児は身体にいい

育児は身体にいい

子どもができてから、自炊が基本になっている。会社で働いていたときに比べると、とても健全な食生活だと思う。子どもがいると、いくら自分が忙しくても、食事を抜くことはできないから、何かしらつくる。できあいのものを買うこともあるけど少ない。これだけでかなり身体によさそう。

独身時代は、疲れすぎて風呂に入る余力もなく、いつのまにか床で寝てしまい、気づいたら朝で、身体が痛くて余計に疲れている、とかもよくあっ

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かわいさの奥にいるもの

かわいさの奥にいるもの

子があと2ヶ月で4歳になる。この世に出てきてもう丸4年になるのか。

4歳になりかけている娘は相変わらずかわいい。これまでもずっとかわいかったし、今もかわいい。

小さい人、のような感じが、かわいい。ピンク色のカットソーにピンク色のニットズボンを履いているのが林家パー子みたいで、かわいい。

私がかわいい、というと、子どもは照れるのか、「かわいくない〜」といって顔を隠す。一方で、寝るときに
「おか

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20|卵かけご飯は料理である

20|卵かけご飯は料理である

たまに学生を呼んで食事会をする。人を呼ぶときはたくさん料理をつくるので(これまた学生がびっくりするほど食べる)、「毎日こんな料理が食べられていいですね」と言ってもらえたりするが、普段はそんなふうにはつくらない。

最近は、平日は味噌汁と納豆とか、味噌汁と卵かけご飯とか、朝ごはんみたいな夕飯が多い。

それは、まったくもって手抜きではないと、確信している。

きっかけは、子供にご飯を食べさせるのに苦

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14|漆器は神様、お味噌汁は仏様

14|漆器は神様、お味噌汁は仏様

先日、漆掻きをしている漆芸家の話をきいた。

漆というのは、ウルシノキが傷口を保護するために発出する、かさぶたになる液体だという。人は人為的に木を傷つけて、その傷口から漆を掻きとる。全部とりきってしまうと枯れるので、枯れないように、かつ6月から11月のシーズン中、ずうっと漆が出続けるように、それぞれの木の個性に合わせた掻きかたをするのが、漆掻きの技なのだという。

漆掻きを終えた冬、ウルシノキは倒

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13|神様の合理性

13|神様の合理性

猪を解体するのにずっと川にいたとき、川をとても不思議なシステムに感じた。

雨は1週間くらい降っていなくて、その日も良い天気だった。でも、川が流れている。ずうっと途切れずに、水が流れていく。

この水はどこから?

山の標高はさほど高くなく、解けない雪があるわけでもない。ダムもない。それでも山は水を湛えていて、水が滲みでてくる。水は川になって、流れ続ける。

なんだこのしくみは。すごいな、と思った

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運動神経ってなんだろう

運動神経ってなんだろう

陶芸家の友達が、足が遅いし球技も苦手だから自分は運動神経が悪いと思ってたけど、ロクロをまわして成型ができる、そのための安定した体勢を保てるこの技能はなんらかの運動神経じゃないかと今は思う、と言っていた。

子供とボルダリングの壁がある遊び場に何度か行っていたら、けっこう高くまで登れるようになった。その写真を見て、運動能力の高くないうちの実家勢は「すごい運動神経!」と言うのだけど、夫いわく「娘は運動

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おばけからの電話

おばけからの電話

トゥルルルトゥルルル…

「あ、電話だ。もしもし、おばけさんですか?あ、はい、ここに服を着てない子供がいます。はい、はだかんぼうです。え、近くまで、来てる…?」

子供がタタタッとオムツに手を伸ばす。

「あ、子供が今オムツを手に取りました。あ、右足がはいりました。でもまだおいしそうなお尻は出てます、あ、お尻も隠れちゃいました!でもまだ両足両腕は出てますよ」

子供がひったくるようにズボンを手にと

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好きがあふれてる

「おかあさんのこと、だいすきだなあと思って」

昨日の就寝前のいちゃこらタイムに、子供が突然、「自分の気持ちに改めて気づいた人」みたいな口ぶりで言った。だいすきだよ、だあいすき、だいすき!などなどは日々言い合っているけれど、こんな口調は初めて。どこで仕入れたのかなあと考えていると

「てんとうむしのこと、だいすきだなあと思って」
「かたつむりのこと、だいすきだなあと思って」

と続いたので、かわい

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生活も遊びになる

生活も遊びになる

「せんたく、たのしいねえ!」

子供が順調に家事を遊びにしている。今好きなのは、角ハンガーに洗濯を干すこと。洗濯機が回り終わった音がすると「おわったよー!せんたくほす!」と、わたしが洗濯物を運ぶのを待ち構える。

「きょうはあわあわするぅ」と車の中でさも楽しい遊びを思い出したように言って、夕飯の後に食器を洗うこともある。

家事ってほんと遊びになる。わたしは幼少期に、テレビCMのままごと用の掃除機

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『LGBT差別禁止』の違和感

『LGBT差別禁止』の違和感

むかし、歌舞伎を母親と観に行った時に、音声ガイダンスが、織田信長と森蘭丸のような男性間の結びつきを「菊花の契り」と呼んだ、みたいなことを説明していた。肛門が菊の花ってことよね。ほー。と思った。

もとは下世話なサブカルチャーだったとはいえ、今はハイカルチャーの立ち位置にある歌舞伎が、堂々とそういう説明をする日本において、ニュースキャスターが「性的マイノリティの人」という言葉を使うことに、白々しさを

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掃除の不可解

掃除の不可解

料理は腑に落ちる。掃除がわからない。

料理は、やるほど身についていく感覚があるし、「つくる」のは楽しいことだし、やる気のある日もない日も、うまくできる日もできない日も、全てが少しずつ、蓄積していく感じがある。

やり方のバリエーションも豊かで、どの道をいってもそれぞれに良い。さっと簡単に、たまごかけご飯にするだけでもおいしい。一晩かけて素材を漬け込んで焼いたり、ブイヨンやルゥから自分でつくってス

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