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古沢茶太郎
2024年6月22日 23:34
深夜に、ふと思い立ち、湯を沸かし、一本のパスタを茹でた。電気もつけない真っ暗な部屋の中、キッチンの灯りだけを付けて独りぼっちのパスタを口にする。決して高級なパスタではなく、我が家では ”コスパの代表格” として君臨するパスタだったが、ゆっくりと口の中で確かめた。小麦の香り。温かく、優しい食感。久しぶりの感覚。ここ一週間、何度も口にしたはずのパスタだったが、初めてのような気
2024年3月30日 05:43
え?うそうそうそ!洗面台の前でネクタイを絞めていた私の後ろを朱里(あかり)が慌ただしく通り過ぎる。私のユニフォーム知らない?どうやら持ち帰ったはずの職場のユニフォームがないらしい。失くしたのは上着が1着。それ以外の服はあるようだ。プライドの高い朱里は職場に打ち明けることを考えて苦虫を噛み潰したような顔をした。無理。ほんとに無理。見つからないと悟った朱里はベッドに潜り込んだ