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受験生の親さんたちへ。受験を目前に親が最も大切にしたいこと。


受験シーズンがいよいよ到来。

ただでさえ受験生を持つ親としては
いろんな面で
ピリピリと緊張感が走る時期なのに、
今年もまた
コロナうんぬんの影響もあって
余計に不安が重なりますよね。

もうここまで受験が目前に迫ってくると、
親としてやれることは本当に少ないものです。

それこそもうここからは
「運を天に任せる」しかないし、
受験の合否にしたって
コロナうんぬんの影響にしたって
「神のみぞ知る」領域の話だし、

そうなってくると
親としてリアルにやってることといえば、
やたらと不安を感じたり
やたらと心配をしたり
そういうことばかりになってきます…。

………が!

この時期だからこそ
親が意識しなければいけない
ものすごーーーく大切なことが
あるんです。
本当にすごく大事です。
ものすごく大事です。

********************

現在大学生の、
我が家の息子の高校受験時のこと。

高校野球の世界を目指しはじめ、
5つほどの高校から声がかかっていた彼は
すでに夏ごろには
自分の行きたい野球部を
たったひとつに絞っていました。

その熱望していた高校見学の時も、
野球部の練習を
最後の最後までひとり残って
ずっと眺め続けていたような男でしたが

「この内申点なら
一般推薦のほうでほぼいける」
ということになって
(高校野球部の監督さんから)

スポーツ推薦のほうではなく
一般推薦のほうでの受験、
ということに
なっていました。

受験内容は
55分間の小論文と、面接。

とにかく作文が苦手だった彼は、
その高校に入りたいがために
恐ろしい集中力を発揮し始めて

中学の国語の先生もひっくり返るほど
毎週末に
いくつもいくつも作文を書いて
「添削してほしい」と
先生に見てもらっていました。

ところが。

なんと

その受験日の前日、

彼は利き手の右手人差し指を
体育の授業で
骨折したんです…!

中学校からNAMIEの職場に電話が来て、
すぐに仕事を早退して
息子が向かったという病院へ行くと

息子、
総合病院の整形外科の待合室で
養護の先生とふたりで座っていました。

もう、それはそれはうなだれて、
中学三年の180cmを超えた大男が
がっくりと肩を落としていて

「大丈夫か?」と声をかけたら
ぽろぽろと涙をこぼしました。
「そんなに痛いか?」と聞くと
「痛いのは、痛いけど…。
それよりも、
やっとここまで来たのに、って思ったら
これまで必死に頑張ったのに、
もう泣けてくる…」。

そりゃそうでしょう。
それまで全く日の目を見なかった
不器用な野球少年が、
突然ピッチャーとして注目されて

行きたいと願った高校の
その受験日を
明日に控えていたわけですから。

彼のとびぬけた野球好きは
中学校の先生たちの間でも有名で、

子どもたちの信頼が厚かった養護の先生も、
ふだん底抜けに明るいこの息子の
あまりの落ち込みように
このときばかりは
かける言葉が見つからないようで、
ただただ黙って
寄り添っていてくれたようでした。

…が、NAMIE、

このわずか数日前に、

ある本を読んでいました。

これです。

著者のブルース・リプトンという人は
世界的に有名な細胞生物学者です


この本、すごいんです。
思考がいかに細胞に影響を与えるか、
ということを
細胞生物学者の人が
しっかりとした実験と研究のデータから
書いてある本
なんです。
(細胞生物学者の観点から書かれているので
非常に難しい部分もありますが
本を読むのが苦にならない方は
ぜひ一度読んでみてもらいたい!)

この中には、

プラシーボ効果というものが
どれほど実際に体に影響を与えるか、
という実例や実験結果についても
書かれているんですが

それよりも
NAMIEが非常に強く反応したのは

プラシーボ効果と真逆の
「ノーシーボ効果」についてのほう。

ノーシーボ効果について
本の中に紹介されていた実例は、
とある末期の食道がんの患者さんについての
話です。

当然、担当医も看護師もすべての人が
末期と診断されていた
この患者さんの食道がんが治らないことを
「知って」いて

診断を受けた数週間後に
その患者さんは亡くなり、
もちろんそれは
当たり前の流れだと皆が認識していたけれど

死後の解剖によって
実はそれは大きな診断ミスだったことが
分かった、というもの。

解剖してみたら、
この患者さんの体には
肝臓に小さな腫瘍が2~3あるだけで、
しかも食道には
まったくがんは見当たらず

彼は 本来
とうてい死ぬような状態ではなかった、

ということが分かったんだそう。

要するに、

プラシーボ効果が
実際に細胞に影響を与えるのと同じように


プラシーボとは真逆の
「ノーシーボ効果」によっても、
体にはおそるべき変化が起きる

ということです。

この実例の場合は、
体そのものには実は問題がなかったのに
「末期がんで死ぬ」と思い込んでしまったとたん
細胞がそのように働きを変えて
わずか数週間後に死に至ってしまった、という。

(この実例は、
医師の実名も患者さんの実名もあげて
本の中に紹介されています。
誤診による本人と周囲の思い込みによって
患者さんが死に至ってしまったことを、
30年後のテレビ番組で
当時の担当医本人が語っていたようです)

このように、ノーシーボ効果が取り返しのつかない結果を招いた例は他にもある。考えてみると、ノーシーボ効果は他人に影響を及ぼす可能性がある。あなたが、医師や親、教師などから、自分が無力だと信じ込むようにプログラムされ、希望を奪われてしまうということもあり得る。
ブルース・リプトン著「思考のすごい力」

これを読んだとき、NAMIEは
「わたしはこれまで
この息子に対して
おそろしくたくさんのノーシーボ効果を
量産していたかも」と
非常に反省したので

(実際には、その数年前から
ベーチェット病の元プロ野球選手・
柴田章吾くんの
お母さん(柴田美香さん)の
「わくわく講座」で
そういう部分を意識し始めていたので、
この当時はかなり息子に対しても
対応の仕方が変わっていましたが)

受験に関しても
「絶対にノーシーボ効果を発動しない!」
自分に宣言していたんです。

ですから、
整形外科の待合で
息子がぽろぽろと涙をこぼし始めたとき、
まず第一声は
こう声をかけました。

「お前、
スポーツ推薦じゃなくて本当に良かったな…!
もしもスポーツ推薦だったら 
受験も実技だから
骨折なんかそれこそ絶望的だったけど、
ほんとに
一般推薦にしてもらってて良かったな。」

「一般推薦で受験できるのも
お前が三年生になって頑張って
内申点を一生懸命上げたからだよ。
だからこんなイレギュラーなことが起きても
お前にはちゃんと道が開かれてる。
まさにお前が頑張った成果だよ」

彼が、
「いま目の前に最大の悪運がやってきた」
と捉えていることを逆手にとって、
「こんなことが起きても
道が残されてるなんて
お前はなんてラッキーな男なんだ」
「お前が頑張ってきたからこそ
こんな幸運が手にできてるんだ」

ひたすら刷り込むように
反応をしてみたんです笑。

それでようやく
彼の気持ちが落ち着き、
会話しながら笑いも出てくるようになって

養護の先生も
「お母さんが来たら
やっと笑顔になりましたね」と
にっこりしていました。

その後はもう、
彼本来の楽天的な部分が戻ってきて

整形外科を出た後
すぐ近くの和食屋さんへランチを食べに行き
「二人でカツ(勝つ)食うか!」
「明日(の受験)は絶対にやれるぞ!」
と盛り上がりました。
(ちなみに息子の右手は
包帯でぐるぐる巻きになったので、
フォークをもらって
フォークでカツを食べていました笑)

本当はその日の夕飯も
さほどゲンを担ぐようなものは
考えていませんでしたが

ここでアホみたいに
そういうものを取り揃えてみたら
彼が面白がるだろうか、と考えて

受験や勝負ごとに良いと言われる食材を
ネットでしらべて
片っ端から買ってきました。
予想どおり、息子は
「なんだこりゃ。すっげーな笑笑笑」と
爆笑し

翌日の試験は
小論文の時だけ添え木と包帯を外して
なんとか書ききり、
面接も非常に明るく
落ち着いて対応したようで

後日、合格通知が届きました。

(その後の諸々については
また別の記事を参照のこと)


********************

実はNAMIE、
この息子を産んだころに

とある有名な塾の本校で
事務の仕事をしていたことがあって

高校受験の3日ほど前に
生徒さんの親が
半泣きで飛び込んできたこともあるんです。

そのお母さん、
特に先生の誰かに用事があったわけではなく、

高校受験日の3日前のこの日に
息子さんが高熱を出して寝込んでしまい

あまりに不安になって
いてもたってもいられず、
塾へやってこられたんですね。

このとき、たまたま対応したのが
NAMIEだったんですが

「どうしよう、
もう3日後には受験なのに
今頃熱を出して寝込むなんて。
どうしよう」と
それはそれはお母さんは泣きそうで

そのとき、とっさに
「お母さん!
熱を出したのが当日じゃなくてほんと良かった!
今日なら、まだしっかり休めば
受験に間に合うね!」と
お母さんの手を握りました。

そのお母さん、
「ああ!そうか!
当日だったら大変だった!
そうか、そうですね!
今日ならまだ全然間に合いますよね!」

ふわっと顔が明るくなったので

「たぶん、
今お母さんが不安になってるってことは
本人はもっと不安になってるかもしれないから、
今こそお母さんの頑張りどころ!

これはここの先生たちにも、わたしたちにも
誰にもできなくて
お母さんにしかできないことだから、
お母さん、お願いしますね!

『今日でよかったね、
受験当日じゃなくてほんと良かったね!
しっかり休んで当日頑張ろうね』って
息子さんに声をかけて
絶対大丈夫だ!って思わせてあげてください。
お母さん、頼りにしてますよ!」


お母さんを送り出しました。

実はこのとき、
このお母さんと話しながら、

いま(塾の)校内にいる先生を
誰か呼んでみたとしても

先生自体が「あちゃ~」な雰囲気を
出してしまったら
お母さんがなおさら不安になってしまう、
と思って

あえてどの先生も呼ばなかった、
という
NAMIEの中での
内緒の判断がありました。
他人のこととなると
実は冷静に
ノーシーボ効果を避けられていたんですね笑。

********************

もう受験が目前に迫ってきたら
親のわたしたちには
できることなんて何にもありません。

だけど

コロナにかかったらどうしよう、とか
インフルエンザにかかったらどうしよう、とか
当日なにか失敗をしたらどうしよう、とか

もう どう手だてを考えてもしょうがないことに
不安になったり心配になったりして、
(しかもやたらと本人に
それをくどくど言ったりして)

ノーシーボ効果を大量生産するのは
絶対にお勧めしません。

栄養分など、生命を永らえさせるシグナルに”向かって”いくのは、成長・増殖反応の現れだ。一方、有毒物質など、脅威を与えるシグナルから”離れる”という行動は、防衛反応だ。
~中略~
これら互いに反対の生存メカニズムは、何十億年もかかって進化してきたものだが、実は落とし穴がある。成長・増殖および防御行動を支持するメカニズムは、両者同時に発動することができない。
ブルース・リプトン著「思考のすごい力」
成長・増殖活動には、環境との間で物質のやりとりが必要だ。この際、生体システムは環境に対して開かれた状態になる。たとえば、食物を取り入れて排出物を出すといったようなことだ。
ところが、防衛反応に際しては、逆にシステムを閉ざして、察知された脅威と生体との間に防御壁を築かなくてはならない。
だが、成長・増殖の過程が抑制されると、生体は衰弱していく。成長・増殖には、エネルギーが消費される過程だけではなく、エネルギーを”つくりだす”過程も含まれるからだ。
ブルース・リプトン著「思考のすごい力」

ノーシーボ効果というのは
一種の有害なストレスを与えることであって
(この本の中で
ストレスについても書かれていますが)、

例えば子どもが
心配や不安の言葉を聞かされ続けて
そのストレスに防衛反応を示している間は

エネルギーを生み出すという
細胞の働きが抑制されて
むしろシステムが遮断されてしまう。

受験の時に力を発揮できるか、といえば
当然のことながら
本来持てる力を発揮するのが難しくなる

…ということが
容易に理解できるでしょう。
脳も筋肉も
すべてが細胞でできているのですから。

わたしたち親の立場としては、
ノーシーボ効果を与えるくらいなら、

その逆に
プラシーボでもなんでもいいから
「あなたは運がいい」とか
「あなたなら大丈夫」とか
緊張を緩和する言葉がけをすることで

きっと細胞は
防衛反応から成長・増殖行動へと働きを変えて
持てる力を最大限に
もしくは最大限以上に、
発揮できるようになるはずです。

生命にかかわるほどの影響を与える
ノーシーボ効果は
今日この時点から一切ストップ!

お母さん、お父さん、
あなたがたなら絶対にできるはずです♡
我が子をこれまで一生懸命に
大切に育ててきた強さがあるのですから。



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