赤坂パーラー体験記
ー 神経を研ぎ澄ませて食べたホットケーキと桃パフェ ー
この日は赤坂に用事があった。
(21_21 design sight のマル秘展に行きたかった。)
それを理由に私は、大好きだけど滅多にできない「赤坂ランチ」を決行した。
お目当は「ホットケーキパーラー フルフル 赤坂店」のホットケーキ
以前「涙がふけるホットケーキ」と紹介されていたので気になっていたのだ。
どんなもんだと思って、これを食べるために訪問した。
カウンター席に着くと、メニューが運ばれてきた。
ホットケーキ一筋のつもりだった私の目には「誘惑オブ誘惑」が飛び込んできた。
「ランチセット(ミニホットケーキ2枚+フルーツサラダ+ミニパフェ+ドリンク)1600円(桃のミニパフェに変更で+300円)」
なんなんだこのお祭り感、、。
(私は物心ついたときからの桃好き。)
1000円くらいのホットケーキを食べにきたつもりだったが、気づいたら「ランチセット、桃パフェに変更で」と1900円のメニューを頼む自分がいた。
(私には国民の強い味方、10万円がついているもん、ね、!)
ドリンクが運ばれてきて、しばらくすると今度はバターとメープルシロップが運ばれてきた。
もうすぐホットケーキが来るのかな、とそわそわしていたが、なかなかホットケーキはやって来ない。
そういえばさっきからやけに、テーブルの上に置かれたメープルシロップの甘い匂いが漂っている。
ミツバチが花畑から直送してくれてるんじゃないかってレベルに華やかな匂い。
(メープルシロップなんですけど。)
多分このメープルシロップとホットケーキを時間差で出すのもこのお店の作戦なのだ。
(めっちゃ多分。)
メープルシロップにしばらくうっとりしていると、本日の主役、ホットケーキが登場した。
すべっすべ。
さわりたい。なでたい。愛でたい(?)。
メニューに食べ方が書かれていた。
一枚ずつバターを塗って、メープルシロップを上からかけて、2枚重ねて食べる。とのこと。
フルフル素人の私はまずは1枚ずつ味わってみた。
うわ〜〜
「ホットなケーキだ!!」
っていうのが最初の感想。
あったかい。ただ温度が高いんじゃなくて、心まであったまるようなあったかさ。
作った方のまごころが感じられるから(偉そう)、こっちも大切に食べたくなるようなあったかさ。
エネルギーをもらえる。
思わずのどがゴクリと鳴った。
そして、次は言われた通りに2枚重ねにして食べてみた。
ん!!?
私は頭の中をイナズマが駆け抜けた。
そうかそうだったのか!!ってなった。
たまにホットケーキを重ねて食べる人がいる。
今までの私は、「なんで1枚ずつ食べないんだろう?もったいない。」と思っていた。
しかしやっとその意味に気づけたのだ。
1枚ずつバターを塗ったホットケーキを重ねて食べる。
つまり、、
ホットケーキのほくほくと、バターのじゅわじゅわが交互にやって来るのだ!
口の中に2つのビックウェーブが次々と打ち寄せる。
私はその波に乗っているうちに、どんどんおいしさの渦の中に呑まれていく。
わ〜〜
興奮冷めやらぬまま下げられていくお皿。
そしてしばらくして登場する2つ目の主役、桃のミニパフェ。
ず、ずるい、、。
ミニって言ってたじゃん!だからそんなに期待していなかったのに、ハードル下げておいて、こんなに桃がのっているなんてずるいよ〜
上には大きな4つの桃、ソースのかかった生クリームとジェラートのようなバニラアイス、また中にも桃、そして2種類のゼリー。
見ての通り、受け皿がないから、私はスプーンとフォークを両手に握りしめた。
二刀流
パフェにはふさわしくないガッツキ具合。
今年初の桃。
みずみずしい。
桃の魅力ってこの品のいい謙虚な甘さにあると思う。
バナナの王様が甘熟王なら、フルーツの王様は桃な気がする。
心もお腹も満たされたところでお店を出ようとした。
ん??
ガラス張りのドアをいくら押しても引いても開かない。
ならばこっちか?と思って、横にスライドさせてみたりもした。
けれど開かない。恥ずかしい。
お店の方に聞く。
「すみません、、。開け方がわからなくて、、笑」
(お店の方、ポカーン)
「開いていますけど、、、(困り顔)」
もう一度見る。
ドア、バリバリ開放されていた。
う、嘘でしょ、!!
透明すぎて気づかなかった。
(苦しい言い訳。キレイに磨き上げられていたということ?)
この上ない恥ずかしさと、自分への隠しきれないショックを胸に、私は驚いて照れ笑いすることしかできず、そそくさとフルフルを後にした。
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