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地域移住の【コレいい、コレあかん】VOL.6 地方創生の救世主!?特産品開発について

移住して自動車を購入する前にとりあえずチャリを購入したのだが、周りにチャリ乗ってる人がいないどころかスーパーにチャリ置き場すらない、、、結局自動車買ってから一回も乗ってないよね~

さてさて

今回の地域移住のコレいいコレあかんのテーマはこれッ!

【地域活性の救世主に成り得るか!?~特産品開発のあれこれ~】

地域活性に少しでも関わったことがある人は「特産品を作ろう」なんてことを耳にしたことがあるのではないかなと思います。そこで今回は特産品開発について具体的な事案含めて記述していきたいと思います。

まず「特産品開発」「加工品開発」「6次産業化」「農商工連携」と似たような言葉が多くありますが、この違いを明確に答えられる人がどれだけいるでしょうか?読んでくださっている方の中でもわかる人、わからない人いらっしゃると思います。
ただ特産品開発を進めていこうという現場の人であってもこの違いはわかってない人は圧倒的に多いです。ここでは敢えて言及はしませんが、興味のある方は調べてみてください。

この記事では特産品開発はあくまで「≒加工品開発」との形で記述しますが、本来の特産品の考えは加工品ではなくてもいいので、予めご承知頂ければと思います。

それでは本題へ!

そもそもなぜ地方では特産品開発をするのか?

理由は皆さん想像の通りかと思いますが、「地元の原材料をそのまま販売するより加工して販売まで手掛けれたら利益率を高くできるよねー、さらに地域のPRにもなるので一石二鳥♪」ということです。最初に申し上げますが、この考え自体は間違えではないです。

でも簡単にうまくいくの???

当然そんな簡単にうまくいけば誰も苦労しません。検索したら成功例がいっぱい出てきたというそこのあなた!ウシジマくんの世界と同じく失敗例は闇に葬られるに決まってるじゃないですか。今あるごく僅かな成功例は各地域の何万もの屍の上に成り立ってるとお考え下さい。但し「失敗するべくして失敗している」のが現状、逆説的に「なぜ特産品開発が失敗するのか」を以下の5点に分け考察していきます。

① 誰が作るの…?

このように「えっ?そんなことも決まってないの??」ということがあったりする。
ここが一つ特産品開発の成功の大きい分かれ目であり、大きく2パターンある。想いのある個人や民間企業や組合等が「このままではいけないので地元の産物を活かした町おこしをしたい!」の趣旨から開発を進める場合と、行政主体で「国の交付金があるし、よその地域では特産品開発してるらしいぞ!」の趣旨から開発を進める場合である。
私はこの両者ともに関わったことがあるが、当然前者は開発する主体はそもそも決まっている。そして腹をくくっているケースが多い。活用できる助成金などは当然申請するが、失敗した時の責任も負うわけだから必死である。
そして特産品開発は後者のケースも多くある。この時点で「うげっ…」っとかなり嫌な予感がする。私が関わった際は、そもそも「どこで製造するか」「誰が製造するか」「誰が責任を持つのか」が決まっていない中で謎の特産品プロジェクトが立ち上がったりする。
やってみないとわからない前提の中ですが、どちらが成功する可能性が高いか、この時点で明らかであると思う。

② そもそも商品が飽和状態の世の中

地域の産物であるゆずを使用してポン酢をつくるプロジェクトがあるとする。当然ポン酢は既に様々商品化されており、その競合商品の中で販促をしていかないといけない。
このようにあらゆる商品は世の中で溢れており、消費者は基本的に満足しているのである。さらに既存企業は消費者の動向や景気、流行り等を敏感に察して常に新商品の研究販売をしている。まずはその状況下で戦っていかないことをまず理解しないといけない
さらに一つ付け加えるとすれば、上記を鑑みて「ではあまり流通されていない商品を作ろう」と発想するケースもある。決して間違えとは言い難いが、そもそも流通されていない商品は既存企業が開発段階などで問題があり商品化できていない可能性が非常に高いのである。
このように商品開発の際には「既にある商品を作るか」「目新しい商品を作るか」が一つ大きく分かれ目になるが、その両方においてハードルは低くないことは当然わかっているべきである。

③ 製作側の知識とコンサルタント頼みの現状

そもそも製作側が特産品開発に関しての知識がない、というケースも往々にある。特に行政主体の場合は「法的規制」「マーケティング」「製造方法」「デザイン」「営業ツール」etc…、原価計算すら危ういケースもある。そして結局は足りずの部分をコンサルタントに外注するのだ。
そのような知識不足の中であるにも関わらず謎の信念がある。「この地域の野菜はとてもおいしいから売れる」「オシャレなデザインにしたら売れる」「コンサルタントの人の人脈がすごいから売れる」で売れることを疑わない。
ちなみに行政主体の場合、コンサルタントはすごくおいしい仕事だったりする。基本的に結果についての評価がないからである。結果がどうなろうともらえる金額は変わらない。そしてよほどのトラブルがない限りは出禁もない。地方創生をにらんで、怪しいコンサルタントが増える理由がそこにはある

④ ストーリー至上主義の限界

最近「商品を売るのではない、ストーリーを売るのだ」ということを声高に叫ぶ方が多いように感じるが私は少し違和感を感じる。基本的にはストーリーが商品を際立たせるのではなくて、商品がストーリーを仕立て上げる、と考えているからである。要は「ストーリーがあれば売れる」ではなく、「売れた商品にストーリーがある」訳である。そもそもこだわっていない商品やストーリーのない商品等はない。売れなかった幾万の商品にもそれぞれ素晴らしいストーリーがある。なぜ売れなかったか?「ストーリーがしょうもなかったからだー!」ではないのだ。ただ一部はストーリーから売れるということも事実。ターゲットに対して緻密なマーケティングからくるストーリー設定には商品価値の中で大きい意味がある。

⑤ 圧倒的営業力不足

そして最大の原因が圧倒的な営業力不足だと考えている。
特産品開発では「いい商品が出来れば売り込まなくても引く手あまた!」と考える人も多いが、当然そのようなことはない。どのようなヒット商品もターゲットを捉えた素晴らしい商品アイデアとそれ以上の「尋常ではないほどの営業努力」が含まれている
民間業者は様々な研究を基に商品を開発し、商品が売れなければ従業員(当然自分自身も)が路頭に迷うかもしれない中で、必死で営業活動を仕掛けてくる。そこと同じ土俵で戦うわけである。民間主体であれば同じ前提で戦うことはできるが、行政主体だとそもそも「交付金メインだし売れても売れなくても給料は変わりませんよー」の状況がある。あまりにも前提が違いすぎることは言うまでもない。

押しなべて五点ほど記載しましたが、ぜひ反面教師として参考にして頂ければと思います。

ここで一つ成功例を。

≪おもしろい成功例≫
私が一部販促で関わった中で、とある柑橘加工(柑橘ペーストやゆず胡椒等)の企業がある。元々母体企業があり、資金面や研究面などでは恵まれている環境ではあるのだが、地元農家と売り先を見事に橋渡ししている。
まず地元農家からの仕入れであるが、栽培方法(土づくりや堆肥、病害虫や連作障害等も含め)の説明等は当然のこと、とうがらしに関しては苗の無償提供と全量買い取りをしている。当然農家からすると最低限の収入は確保できるのは物凄くありがたい。農家によってはとうがらしだけで150万円ほど収入を上げている農家もいたほどだ。
販売については主に業務用のtoBビジネスである。特産品開発についてはどうしてもtoCを意識しがちだが、当然このような形もある。最終商品を自ら製造しないことでリスク回避にも成りうる。場合にはよるが、卸先が製造した最終商品には「〇〇町のゆず使用」等の記載ができることもあり、変化球ではあるが特産品開発の好事例である。

最後にだが、何より継続性が大事です。昨今のSNSを発端とした一時的な爆発力も当然あるほうがいいが、取り組みが5年10年と続けていくことが何より大事、その視点は何より忘れてはいけないと思う。

以上、お読み頂いてありがとうございます。

次回は少しだけ番外編、地域移住のコレいいコレあかん“話題の種苗法改正とは”をお送りします。

ではまたー

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