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地域移住の【コレいい、コレあかん】VOL.7 新鮮!安い!直売所のあれこれっ! その①概要編

そういえば地方に移住してからNHKの集金が来た記憶がありません。神戸の時は引っ越してテレビを付けた瞬間に集金人がきましたが、、、

さてさて。

今回の地域移住のコレいいコレあかんのテーマはこちらっ!!

【安い!新鮮!直売所のあれこれー!!“VOL.1 概要編”】

農業やその他一次産業を直接知らない人でも、今や直売所を知らない人はいないのではないでしょうか?イメージは「新鮮!」「安い!」「おいしー」「安全!!」とのイメージを連想する人が多いと思いますが、果たしてどうなんでしょう?

それでは説明していきましょう。

そもそも直売所ってなにー??

まずはここから。
大小様々ありますが、簡単に言うと「生産者が直接持ち寄って販売する施設」です。農村エリアにある無人販売も含まれますし、農家が自身の軒先で販売するのも含まれますが、「各生産者が持ち寄って販売するマーケット施設」が一般的となります。このnoteでは特に記載のない限りは、生産組合やJA、また3セク等も含めた民間企業が経営している「各生産者が持ち寄って販売するマーケット施設」を指しますので、よろしくお願いします。

ちなみに2018年のデータですが、季節営業の直売所など大小含めて約24,000店もの直売所があります。なお国内のセブンイレブンの店舗数が約21,000店ですので、それよりも多いんですね。私自身も調べてみて「えっ?そんな多いの???」感が否めませんが、こちらが実態となります(農村漁村水産物関連所)

今回は初のケース、Q&A方式で進めていきたいと思いますー

Q1. スーパーとどう違うのー?

A1. 直売所はあくまで「各生産者が持ち寄り直接販売している」のであり、運営者は生産者方にその販売スペースの提供と、販売に関する事務的なこと(レジ打ちなど)の提供をしています。スーパーは今でこそ形態は多岐に渡るようになりましたが、一般的にはスーパーが商品を市場や商社、生産者などから買い取り、自社の施設で自社の商品として販売しています。直売所では販売している商品は「生産者の所有」、スーパーでは「スーパーの所有」が大きな違いかと思われます。
※スーパーも最近は直売コーナーやテナント出店が増えてきており、この限りではなくなってきてます。

Q2. 何でこんなに直売所が増えたのー?

A2. まず開設目的として以下のグラフを参照ください。

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一番多いのは「生産者の所得向上のため」ですね。簡単に説明しますと、「スーパーで市場から仕入れた200円で売られているキャベツ」と、「直売所で200円で売られているキャベツ」があるとします。スーパーへキャベツを流通する場合、一般的に商流が「生産者→JA→市場(荷受け・仲卸)→スーパー」で流れていきます。もちろんそれぞれでマージンが発生しますので、一般的に30%ほどが生産者の取り分となります。直売所の場合は生産者が直接直売所に持ち寄り販売します。一般的には直売所の手数料が15~20%ほどですので、80~85%ほどが生産者の取り分となります。
同じキャベツ200円だとしても「スーパーの場合は約60円」「直売所の場合は約160円」と生産者の取り分の違いがよくわかるかと思います。
しかし、ここで一つ疑問がわきますよね。
『それやったら全部直売所に持ってったら生産者ウハウハじゃね??』
そりゃーそんな簡単ではありませんのよ。詳しくは次回の直売所の問題点にて。

開設目的の2~4番目は何となくわかると思います。マーケットを開設しそこに人(生産者と消費者含め)が集まることで、コミュニティの構築や観光促進等の付加価値を作りやすくするのです。

そのような多目的な価値を創造するために直売所が増えていったのですねー

Q3. 道の駅とは違うのー???

A3. 「まぁ同じようなもんです」って答えたいとこですが、一応正確にお伝えします。
直売所は上記しているように「生産者が直接持ち寄って販売する施設」です。道の駅は定義としては「休憩機能と情報発信機能と地域の連携機能を併せ持った複合施設」です。これはこれでわかりにくいのだが、、、
ちなみに道の駅で「地域の連携機能」という表記があるが、こちらは地域の特産物等が購入できる直売施設をつくるケースが基本なので、道の駅は「直売所を伴う複合施設」との認識でほぼ正確なところです。
↓こんなイメージ↓

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Q4. 直売所のほうが安くて新鮮ー?

A4. まずはこちらのやはり直売所を訪れる理由のアンケートをどうぞ。

スライド3

やはり「安い」と「新鮮」がツートップですね。

まずは「安い」から説明しますが、「やや安いことが多い」が正確なところだと思います。直売所では店舗ではなく「各生産者が値付けの権限を持つ」ので、生産者は今の市況や同商品の出荷状況を鑑み値付けするので、市況より「やや安く」出すことが多いです。但し「安い直売所はダメな直売所」でもあります。こちらも詳しくは次回に。

「新鮮」も基本的にはそうですね。市場仕入れは長い輸送を持ってスーパーまでたどり着きます。今でこそ流通と市場システムが整っている上、鮮度を保つコールドチェーン等も発達した為、比較的新鮮な商品がスーパーにも並ぶようになりました。但し直売所は生産者がそのまま持っていくので、「鮮度」では直売所の方が上であることが多いです。
但し注意点もあります。精肉や魚介は当然冷蔵ケースで販売されますが、野菜は常温平台に積まれているケースが多々あります。もちろんそれで問題ない野菜もありますが、夏場で店内が暖かかったり日差しが入ったりすることですぐに鮮度が落ちる野菜もあります。
収穫日ベースでは直売所のほうが新鮮だが、管理が徹底しているスーパーのほうが鮮度が長く保つ場合もあります。基本的に直売所の出荷商品は「出荷日」が明記されてますので、葉物野菜やとうもろこしなど鮮度が重要視される野菜は必ず確認されるといいでしょう。

ただ“新鮮掘れたてさつまいも”なんてものもある。

Q5. 直売所の商品は安全で安心なの?

A5. これも難しい話ですが「安全」と「安心」で分けて考えましょう。一般論ですが、「安全」とは『科学的根拠をもとに商品に宿るもの』であり、「安心」とは『経験(知識)や感覚をもとに人の心に宿るもの』です。

例えば「身体的影響ないと認められている化学農薬を使用した、誰が作ったかわからない野菜」の場合、化学農薬にやや否定的な意見を持つ方からすると『安全みたいだけど安心ではないよね』との見解になります。

それでは直売所の商品は「安全」で「安心」なのでしょうか?ここでは野菜に絞ってお話ししますが、流れとしては畜産も魚介も近いものがありますのでご参考にはなるかと思います。

「安全」については直売所レベルで様々です。一般的に直売所で野菜を販売する際は「栽培履歴」の提出が必要です。要は「誰がどの品種をどのようにどの農薬を散布してetc…栽培したか」を提出します。いわゆる『野菜のトレーサビリティ機能』を持っているわけですね。これにより一定の科学的な安全基準を満たすわけです。
但し「直売所レベルで様々」と記載したのは、栽培履歴の提出がルール化されているのに関わらず「面倒くさいからいちいちやってらんねーよ」と管理できてない直売所も残念ながらあります。当然その直売所には野菜が並んでいるのだが、生産者はわかれど「どの品種をどのようにどの農薬を散布してetc…栽培したか」がわからないケースがある。つまり科学的な安全基準を満たしてないということになります。

「安心」に関しては上記の通り「人の心に宿るもの」です。その人次第なので外からは量れないところもありますが、「生産者がわかる」や「トレーサビリティ機能がある」ならば、安心度合いが上がっていくと言われてます。

ただ冷静に考えてみて。

直売所の野菜には生産者さんの記載がありますが、その人のこと知ってます??何故か安心した気になるものの、その人知らないよねってケースも多い。実際、その田舎で偏屈で有名な爺さんだったりもする訳で。
また、スーパーで並んでいる野菜も最近ではトレーサビリティ機能を持った野菜が多くなってきている。少なくとも「安全」に関しては、市場野菜と直売野菜の差はほぼなくなってきているのが現状である。
ですので、きっちり自分自身の中で安全基準を作り、その情報を得れる商品かどうかを精査できるのが重要なことと思います。
ちなみに私から言えるとすれば『信頼できる農家の友達を3名見つける』これが一番安全で安心できるのかと思います。

っと、直売所の概要についていかがでしたでしょうか?行きたくなりましたでしょうか?笑

次回はそんないいことの多い直売所の問題点について、記述していきます。

お読みいただきましてありがとうございました。

ではまたー

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