マインドコントロールと自己肯定感
導入:マインドコントロールは身近にある
今回は現役通信制大学で心理学を学んでいる筆者が、マインドコントロールの対策について書きたいと思います。
マインドコントロールとは、他者を意のままに操ること。
昨今、宗教団体やマルチ商法業界などで問題になっていますが、
マインドコントロールはもっと身近なところにも潜んでいます。
例えば、ブラック企業も一種のマインドコントロール。
研修という名の下に閉鎖的な空間で、会社に対する忠誠心と恐怖心を抱かせ、個人の自由時間を取れないように長時間労働を強いる。
このような恐怖で支配するやり方も、マインドコントロール手法の一つと言われています。
しかしこういったブラック企業の存在は、つい最近になって社会問題として取り上げられるまで正当化されていました。
自分の人生を歩む為に、マインドコントロールの仕組みを学ぶ
ブラック企業のように、社会問題化されないとマインドコントロールに気づけないことも往々にしてあると思います。
隠れたマインドコントロールにも気づき、対策を打っていくことは重要になると思い、自分なりに調べてみました。
今回、参考にした書籍は岡田尊司さんの書いた「マインドコントロール」です。*1)
本のタイトル通り、マインドコントロールの現状や原因、対応策について非常に多くの知見や歴史的事実の元に書かれた本です。
読みやすく、自分の身近な体験を思い起こさせる内容も多かったです。
この本を読んで感じたのは、自分の人生を豊かなものにしていくためには、マインドコントロールの本質を学ぶ必要があるということです。
今回の記事はシリーズ化していこうとも思いますが、本の要約もしつつ、私見も取り入れながら書いていこうと思います。
依存性がマインドコントロール被害の主原因
マインドコントロールの被害者の特徴として、第一にあげられるのが依存的なパーソナリティ(人間性)です。
例えば、「自分のこの会社でしかやっていけない」、DV被害者でも「自分はこの人じゃないとダメ」など
要は、何か頼れる存在がいないと、自分は生きていけないという思い込みによるものです。
被害者は一様に他者への依存性を抱えており、自分で意思決定をする自信がない。
ー そこに付け込まれることで、加害者の言われるままの行動を取ってしまうのです。
依存性の原因は「劣等感」にある
劣等感の正体
ここからは徐々に私見が入ってきます。
他者依存のベースにはあるのは、劣等感が大きい点ではないでしょうか。
なぜなら劣等感が強いと、自分にないものを持っている人や集団に惹かれてしまうからです。
劣等感は過去の苦い経験から作られていくと思います。
例えば「皆と同じようにできないといけない」「集団の連携をみだしてはいけない」という日本文化的な考え方です。
そして集団行動やコミュニケーションが上手く取れないと、注意されたり社会不適合扱いをされてしまう。
そうして「自分が劣っているのではないか」と思う出来事が積み重なってしまうことで、自信がなくなって依存的になると思うのです
劣等感による自信の喪失から、依存性につながる
自信がなくなっていくことで、他者に依存しない限り、自分はやっていけない、幸福になれないと思ってしまう。
それが、他者依存を作り出してしまうと思うのです。
時には、そもそも自分の意思が分からない事もあるかもしれません。
自発性が失われることで、マインドコントロールの被害に陥ってしまうのです。
整理すると、以下のような流れになっていると思います
劣等感を手放して、自分を取り戻す考え方
では、根本である劣等感を払拭するにはどうすれば良いのか?
まずは
劣等感は個人の責任ではない
と思う事です。
劣等感を持つ経緯というのは、かなりの割合で「自分が悪い」という自責の念が絡んでいると思います。
劣等感には「能力が無いと認められない」という現代の能力主義社会が背景にあるのです。
しかし、優劣というのは個人の責任ではありません。
なぜなら、以下の理由があるからです(詳細は別の機会で取り上げます)
人間の能力には、遺伝的に個人差がある
どの程度まで努力できるかも、遺伝的に個人差がある
生まれてきた時代や環境によって、求められるものが変わってくる
だから、能力の優劣は個人の責任にはできないのです。
そう考えるとどうでしょうか。
子供の頃、上手く集団行動ができなくても、コミュニケーションができなくても、それは個人の能力差で素質や境遇によるもので、自分が悪いと思う必要はなかった。ー そう思えば重荷が下ろせるのではないでしょうか。
社会に負わされた劣等感は手放して良い
劣等感は社会や環境によって、やむなく持ってしまったものなのです。
たまたま今の社会や環境で認められなかっただけ。
そう考えることで、自信を失った過去と決別することができると思います。
劣等感が不要と分かれば、過去との葛藤を終了させることができると思います。
現代は多様性の時代
そして、現代は多様性の時代なので、社会のレールに乗れなくても、さまざまな生き方が可能になっています。例えば
労働時間を減らして、セミリタイア的な生活を営む
youtuberやブログガーなどクリエイティブな仕事をする
パラレルワーカーとして働く
もちろん、自分で色々な意思決定をしていくのは勇気も要りますし、熟慮が必要な場合もあるでしょう。
そのような場合については、また別途取り上げたいと思いますので、今回はこれまでにしたいと思います。
*1) マインドコントロール
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