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思想家

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(利用画像) K. Mitch Hodge 氏 Queen's University Belfast, Lanyon Building, Belfast, Northern Ir…
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2019年6月の記事一覧

自己責任論 VS みんなで支え合う論。 経済的にお得なのはどっち? データに基づいて検証してみた結果…

自己責任論 VS みんなで支え合う論。 経済的にお得なのはどっち? データに基づいて検証してみた結果…

和の国、なんて言われることもある日本ですが、実は「自己責任論」がとても強い国です。

人がビジネスに失敗して苦境に陥っていても、ひとり親で歯を食いしばりながら子育てをしていても、若者にこづかれながら貧しい老後の生活をおくっていても、そこで多くの人が口にするのは

「だって、自己責任じゃん」

という言葉です。



これに関して、面白い統計があります。

世界各国で行われた貧困問題への意識調査(

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カワイイの呪い

welongに寄稿した第二回目の記事で、男性としてのジェンダーロールが「出生時に男性と判断されただけ」で押し付けられ、男性(厳密には男性でない人を含む)を苦しめているという話をしました。そのコメントとして興味深かったものの一つに、「“女性は弱い、庇護されるべき存在だから、カワイくいなくてはならない”と身近な大人に言われて育つ」というものがありました。

言われて、はっとしました。男性が「女を獲得し

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セックスワーク従事は自由意志か

はじめに、タイトルについてまず結論をいえば、自由意志であることもあれば、自由意志とはいえないこともあります。(ここでは自分の意志が自分の自由になることがあると仮定してお話しします。「自由意志」はゆるく「自分の自由に定めた意志」くらいに読んでください。)

まず、本当に好きでやっているという人はいるかもしれないし、そういう人が自分の望む報酬を得て、危険な目に遭わず、何かあったら守られるような労働環境

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私のルッキズムへの理解がいかに貧相であるか

ルッキズムがなんなのかわからない。

ルッキズムには反対したい。容姿による差別なんておかしいに決まっている。しかし、ルッキズムについて考えていると、何が容姿による差別なのかわからなくなる。

まず、容姿とは何なのか。

外見、と言い換えてもいいかもしれない。生まれ持った変えられない土台のことだと言う人もいるだろう。

そういう人にとって容姿は変えられるもので、ファッションやメイク、髪型を工夫するこ

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