見出し画像

【現代詩】『ぎゃらくしい』

『ぎゃらくしい』赤黄緑紫

帰りの電車のなかで、もう、帰宅してこのまま誰にも会わないで死にたいとおもうた、次の日に、私の席に花が飾られていて、むしろよい。
それでその死ぬまでの間が心地よい設定ならなお良い、今日は帰りに下北沢へよって、ほしい服を全部買う、眠たくなったら寝る、お風呂に入るけど、塵屑共と一緒に入りたい千と千尋の神隠しで風呂を洗う時のように生命をその瞬間に一度に感じられる無自覚を目的に入浴をしたい。そうしたら、その後服を分解したり、ぶんせきしながら、良さが何処から来たのかに思いを馳せ 行く川の流が堪えない事に一歩を譲る、図鑑を見たりしながら詩を書くそして泣く。泣くことはより良い呼吸をするためだ、時々映画を見て朝になっても何も食べなくて痩せてメイクをする、涙を流しながら、姿見の前でファッションショーをして、会いたい人が部屋に来てくれそうになるけど、居留守をするのでまた夜になる。図鑑は世界を写していない図鑑は世界を憶えていない私が憶えた世界が図鑑だ
完全に私と無関係になった世界の、はじめての夜 それを感じることができたなら、生まれ変わってなくなりたい

あかきみどりむらさき
2018ねん

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?