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父ちゃんの随想録

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生活、気づき、思索、モノローグ、ダイアローグ、物語、批評、哲学、徒然なるままのみならず、少し突っ込んで考えます。
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#鬼滅の刃

【『鬼滅の刃』ネタバレ注意】
竈門炭治郎と煉獄杏寿郎(改)

【『鬼滅の刃』ネタバレ注意】 竈門炭治郎と煉獄杏寿郎(改)

鬼滅の刃は当初、私の周りではファッション性、キャラクター性がどちらかといえば注目されがちで、そこまで真剣に見ようとはしていなかった(実際コロナ禍がなければ観ていなかったのかもしれない)。しかし、娘がはまったのをきっかけに、鬼滅の刃のアニメ版を一気に見てから、既刊を全巻注文。無限列車の映画も観に行った。この物語は、登場人物の誰かに自分を投影し、誰もが「私の物語」として読めるのが人気の秘密かなと思う。

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【『鬼滅の刃』ネタバレ注意】We are all alone「二人だけでいることについて」~妓夫太郎と堕姫のエピソードから~(改)

【『鬼滅の刃』ネタバレ注意】We are all alone「二人だけでいることについて」~妓夫太郎と堕姫のエピソードから~(改)

第10話のラストシーン。向かい合わせの首が第11話に展開していく。悲しき運命の意味を考えてみる。

共依存関係の鬼妓夫太郎と堕姫は非常に過酷な運命をたどった。

遊郭で生まれたことで命が軽んじられるばかりか、醜く罵詈雑言を浴びせられ続けた妓夫太郎。

そして美貌のために遊郭で働くことになり、処女が奪われる前に客の目を指し、生きたまま焼かれる堕姫(=梅=梅毒で死んだ母からつけられた名前)。

二人は

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【『鬼滅の刃』ネタバレ注意】古事記から見る物語構造、あるいは、中空ではないヤンキーとしての炭治郎

【『鬼滅の刃』ネタバレ注意】古事記から見る物語構造、あるいは、中空ではないヤンキーとしての炭治郎

鬼滅の刃は古事記をモチーフにしている鬼滅の刃は、その物語の構造を古事記に由来しているという考察は、いくつか見られる。

 上記の記事のような見解に、わたしも概ね同意する。おそらく、古事記を鬼滅の刃はモチーフとし、イザナギ=産屋敷、イザナミ=鬼舞辻という構造で物語が展開されている。そして、カグツチ=竈門炭治郎、ということになる。ただし、アマテラス=縁壱、ツクヨミ=黒死牟、というのは、表面的にはそのよ

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「テキストを読む」ということ

「テキストを読む」ということ

物語文と説明文私は以前、学校教育で物語を扱うことに懐疑的でした。それは、物語では客観的な知を共有することが難しいと思ったからです。子どもが論理的に文章を読む力がどんどん弱くなっている中で、物語文を説明文と同様に扱うのはナンセンスだと思っていました。新井紀子氏が指摘するように、文章をきちんと読むということはAIにはとても難しい。人間が文章を正確に「読む」ことはこれからの時代を生きる子どもたちによって

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