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#子どもに伝える私のしごと。言葉にできない日々があっても。

どんな大人もちいさな子供の頃が

あったんだなって思うと不思議に

なる。

叱られている時に、いつもその人の

ちいさな時の顔を想像して、厳しい

気持ちを逃れてきたことがよく

あった。

夏になると、巷のこどもたちの声が

いつもより、あちこちで聞こえてくる

せいか、遠い昔の夏休みなんかを思い

だしてしまう。

あの頃は、なにかになりたいとか

なんにもなかったなって思いながら。

この間スペースでお話させて頂いた

時に小さい頃雲ばかりみていた子供

だったことや、小学校前のバス停で

降りますって声がだせなくて

なかなか降りれなかったことなどを

お話している中で思いだしていた。

そんなわたしは子供たちの書いた短い

詩を選ぶ仕事も今している。

あの頃のきみが聞いたら、なにそれ?

って言うだろうな。

なにそれ?

だよね。

そう、そんなこともしているんです。

選ぶってなんかいやな言葉だよね。

選ぶってことは、なにかを捨てるって

ことだからって思ってしまう。

学校で、かけっこも遅かったし、目立って

何かができたってことなかったから、きみは

何かに選ばれることもなかったよね。

それでね、いまきみがそのあと何十年も

クリスマスや誕生日を迎えていま、

へ~っていうぐらいの年齢になっている

のだけど。

子供たち、幼稚園生から高校生までの

書いた詩を選んだりしてるんだ。

フシギだね。

選ぶっていうより、そう出会っているんだ

って方が正しいかな。

わたしと後、数人のおとなの言葉の専門家の

方々と一緒にお仕事しています。

できんの?

って思うよね。

できてるよ! って言いたいけれど。

きっと周りの人に助けられてるんだと

思うよ、いやぜったいそうだよ。

お仕事っていうより、わたしはその中でも

いちばん年下なので、いつも彼らに授業を

受けているような感じかな。

その先生たちもわたしも、577のちいさな

詩のようなものを作るのね。

5文字と7文字と7文字の詩。

あはは、きみの顔が曇ったね。

知ってるよ夏休みの宿題に毎日一句

俳句絵日記を作ろうっていうあれ。

思いっきりさぼったから残りラスト3日

ぐらいで、めちゃくちゃな捏造俳句を

きみは仕掛けたんだよね。

コツコツやってないのばれて、職員室に

呼び出されたよね。

天気がぜんぶ同じ町に住んでるみんなと

ちゃうやんってバレた。

でも数十年後はそんなきみも、ひとさまが

書いた俳句のような詩を選ぶ仕事に

つくんだよ。

俳句の神様があの日のこと怒ってさ、

ちょっと修行してこいやってことだった

からかもしれないね。

この仕事を説明すると。

わたしたちの577を読んだ幼稚園生から

高校生までの子供たちが、自分の思った詩で

お返事をするそんな世界かな。

すっごくわかりやすく言うと、わたしたちが

ちいさな君たちや高校生のみんなに、詩で書いた

お手紙を紙飛行機みたいにして飛ばします。

それを、受け取ってくれた誰かが、わたしたちの

言葉のお返事を577で答えてくれるっていう。

そういう、お手紙交換みたいなそんなことを

仕事としてやってるんだよ。

でも、仕事だけど仕事じゃないな。

仕事の部分は、みんなから送られてきた

詩のような手紙をいっしょうけんめいに

読むこと。

読んでるときは楽しい。

わたしが投げかけた、言葉の中に

色はないのに、必ず色を詩の中にいれて

答えてくれる子供たちがいたり。

問いかけの中に人はいなかったのに

答える時にはちゃんと人の体温が

感じられるようなアンサーソングみたな

詩のお手紙になっていたりして

ほんとうに、毎日発見がある。

こどもって、きみもいまこどもだけど。

声にできなくてもあたまのなかとかで

いろんなことを考えたり思ったりして

いるよね。

それを、いつか温めながら言葉にする

ことができたら、面白いよね。

みんな、お手紙を書いてくれるひとたちって

そうやって言葉をじぶんの掌のなかで

育ててるんだなって思うんだよ。

だから選ぶのはほんとうは嫌なんだ。

みんなよく頑張ってるよって思うもの。

いやいややってる子だっているけど。

きみだっていやいややってる派だった

と思うからその気持ちもすごくわかるの。

だから誰が一番ですとかほんとうは嫌なの。

地団駄ふみたいぐらい嫌なんだけど。

そこは仕事だから、ちょっとがまんして

やっている。

それで、みんなと話し合い一番になった人の

詩をみて、ここがよかったねってことを

少し長い言葉にして書くのがわたしの

仕事かな。

これって、ふしぎだけど。

ここよかったですよってことを書くためには

じっと詩を眺めるのだけど。

眺めていたらこの詩のよさはここだって!

いうのがみえてくるからほんとうに

すごいよね。

きみは、いつもひとりが好きでさ、

でもひとりが寂しいってあんまり思わないから、

ひとりで筆箱の中の鉛筆とか消しゴムの

詩とかつくってたよね。

あれが君が自分の中にある思いを言葉にする

はじまりかもしれないね。

ふと今思っただけだけど。

ま、ぼちぼちそんな仕事しているからね。

ほかにもちょこちょこしてるけど。

きみは一度にたくさんの話をすると

わ、わってパ二クるでしょ。だから

ここまでにしておく。

ま、そのまんま元気でやってよ。

言葉にならない想いの日々があるのが

ふつうだから、気にすんな。


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