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ひとりで書いてるのに。noteってひとりで書いてるんじゃないって、感じになることがある。

noteに書くって。どういう感じなんだろう。

まだnote書いて一か月目ぐらいの時に、わたしはこんな投稿をしたことが
あった。

ま、なにかを書いて、投稿しますをぽちった後って、なんだかさびしく
なるね、わたしはそうなんですが、みなさんはいかがですか?
みたいなことを確か書いていた。

そしてその気持ちは今、この記事を書いた時と、まったく真逆の場所に
居るみたいなことが時々起ったりする。それがちょっと不思議で。

その不思議さにちょっとデ・ジャヴュを感じたので。

つらつらと思い出したりしていた。

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10年ぐらい前に使っていた使い捨ての万年筆があった。

それが、ある日カラカラになったみたいで、紙の上になんにも滲ませなくなって。

ペン先の上あたりをネジでセパレートにするタイプじゃないので、カートリッジの残量が確かめられない。

そういうなんか、

紙の上をペン先がカシカシとひっかいたみたいな跡をつけるってことは、もうそれは、おしまいのお知らせなんだけど。

ただ、使いながらもいつ終わるかいつ終わるかと、気になりながら握っていたので、案外はやく寿命を終えてしまった時には、まぁ景品みたいな頂きものだったから、仕方ないなと思いつつ。

燃えないゴミゆきにはなかなか、ならなかった。

その万年筆のボディは黒のプラスティックで。

とりたてて、どうってことないデザインなのに。

指なじみのいいちょうどいい太さと、チープさが気に入っていた。

ザ・万年筆じゃないところが好きだった。

ただ、用を終えたはずなのに、どこかその万年筆はまだ俺行けるから
ぜんぜん大丈夫、みたいな風情を、時々醸し出すのだ。

ちらっとそれを手にしてそこら辺の紙の上で走らせると、ちらっと滲んで
見せてくれたりする。

そういう試し書きするとき、わたしはなぜか

「あのね」って書く癖があって。

毎回なぜか「あのね」って書いてしまう。

その時もそうやって、まだまだ行けるよ!全然オッケーってな感じだったから、「あのね」って書こうと思ったら、あので書けなくなった。

やっぱりあかんねんな。

って。

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そして、どこか古いペンの箱に入れたままお蔵入りさせていたものをその後何年かして、整理している時にその万年筆が出てきた。

あの時のやんって思って。

もうペン先はなにも滴らせないことを知っていたので、インクボトルにそれを、ぽとんと沈ませた。

すると、息を吹き返したみたいに、少し太めの線を描いてくれた。

指に挟んだときのぽってり感がうれしくて、そうそうこれこれみたいな。

馴染んだ物にふたたび出会ったうれしさを感じたりして。

久々の再会だからこれでなにかを書こうと思って。

出さなければいけなかった手紙の下書きをこれで書いてみるかって、実際に白いメモ用紙に「拝啓」とかって書こうとしたら、なんか違う。

なんか、妙なかんじがする。

いつもの自分の筆跡と違う感じでしか、字が綴れない。

むりに、自分が書いていた感じで書こうとしたら微かに抵抗を感じた。

行きたい場所にいつまで経ってもたどり着けないような。

そんなもどかしさ。

なんでだろう?

って思っていたらぽつりぽつりと思い出した。

この万年筆のペン先が、最後の力を振り絞ってインクを滲ませていた時に、
この万年筆を握っていたのは、わたしではなくてちょっとだけ憧れていた
ものを書く人だった。

手帳に住所と電話番号とあとすこしだけ言葉を書いてくださって。

それがあの万年筆の最後の仕事になった。

万年筆のボディの上の方を持って書く方で、筆圧は強くないのに、出来上がった文字のつらなりに、まっすぐな意志の強さを感じるようなそんな筆跡の方だった。

そんなことを思い出しつつ、メモ用紙の上にペンをその時、走らせてみた。

やっぱり、微かな抵抗があって。

その抵抗って。

あの人の字の癖がそのまま、万年筆のどこかに棲んでいるような証なんだなって思った。

なんて名付けていい感情かわからなかったけれど。

すこし胸がしくしくしていた。

その人の姿は見えなくなっても、ここにその人がいるような感じがちゃんとありありとした。

ふくよかな万年筆のからだを抱きしめながら。

ふたりで文字を綴っているようなそんな瞬間をかみしめていた。

それから万年筆は無くしたのか捨てたのか定かじゃないけれど。

あの時のことを思い出すと。

今、noteにひとりで書いている時と似てるって思うことがある。

書くって基本ひとりだけれど。

note始めた頃は、書くってさびしい行為だったけど。

今はときどき、note書いていると。

ひとりで書いてないな、誰かと一緒に書いてるなって

思うことがあったりする。


今日は土曜日ですね!もうよくわからないんですけど、ペンといえば、

 大好きなピコ太郎さんのこれかなって。懐かしぃ!!!

ではどうぞお聞きくださいませ♪


        ねじれてる 記憶がすこし ほどけるように
        くせのある 文字をかかえて 青い場所へと





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