デザイン、アート、イノベーション
自己紹介
はじめまして!立原と申します。
エンジニアを8年、デザインシンカーを16年ほど経験しております。
2019年ごろからアート思考の研究をやっています。
CTCにJOINしたのは2021年10月からです。
顧客の業務改善や新規事業の伴走を提供しています。
私は勉強・読書が大好きで、年間100冊くらい本を読みます。
対象のジャンルはデザイン思考、アート思考、ロジカル思考、哲学、心理学、経営学、歴史学、宗教学などです。
思考法については60種類ほど勉強しました。
そして、社内SLACKで読了した本の感想と考察を書いております。
趣味はパワポアートです。
このページに掲載した画像はパワポだけで作成しました。
よろしくお願いいたします。
オススメの本の概要
書籍名:「デザイン、アート、イノベーション」(2021年)
副題:「経営学から見たデザイン思考、デザイン・ドリブン・イノベーション、アート思考、デザイン態度」
執筆者:森永泰史
執筆者の経歴:経営学博士。数多の大学の経営学部で教鞭をとる
物量:薄めの本で、3時間くらいで読了できると思います。
本の内容
この本は、ものすごく詳しいですし、よくまとまっています。
本というよりは論文に近いです。良質な論文です。
ページ数は少ないのにぎゅーっと大事なことが詰まっています。
およそ200件の書籍・雑誌・WEB、さらに著者自ら対話して得た情報などを総合的に整理している名著です。
具体的な事例も多くてとても理解しやすいです。
デザイン思考やアート思考に対する批判にロジカルに反論したり、各々の手法の課題を特定したり、あらたな問題提起をしたり、特定の考えに偏ることなく中立的にわかりやすく述べています。
結論としてはデザイン思考やアート思考は経営学で概ね説明もつくし再現性もあるということでした。
ですが、部分的には暗黙知であり、ロジカル・サイエンスで説明のつかないところがあり、それによって技術承継が難しいということです。
私にとって今回新たな発見は、「意味のイノベーション」は「デザイン・ドリブン・イノベーション(DDI)」という名称があるということでした。
DDIはデザイン思考とアート思考の間くらいに位置します。
私が別のセミナーで習ったときは、デザイン思考にひっくるめられていましたが、違っていたんだということがわかって腑に落ちました。
この本の内容に感激して、著者の森永先生にツイッターのDMで感想を送ったら丁寧なお返事を頂きました。
そして、ZOOMでディスカッションさせていただきました。
とても素晴らしい時間でした。
考察
ロジカル思考、デザイン思考、アート思考、どれか一つだけを使っているとうまくいかなくなります。特にロジカル思考だけだと事業はシュリンクしていきます。私の経験でもそうですし、理論上もそうです。万能な思考法など存在しません。起点はデザイン思考かアート思考がベターだと思います。ロジカル思考だとみんな似たりよったりのアイデアとなり、レッドオーシャンで戦うことになるからです。アイデア発想については、アート思考で発想すると非現実的な結論になりがちですので、それをデザイン思考で少しづつ現実へ寄せていくという方法も可能です。
次に、そのアイデアが誰の共感を得られるのか、デザイン思考で検証します。ビジネスになりそうであれば、ロジカル思考で事業化へ進みます。このように、3つの思考法を適材適所でバランス善く使っていくことが新規事業成功への最短の道となります。
例えばサッカー選手に野球をやらせたりしないように、その思考法が得意な部分で使ってあげるのが一番早くて安くて良い成果を生むと思います。