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遠距離介護記録

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ベッドを入れたー遠距離介護記録6

ベッドを入れたー遠距離介護記録6

 ベッドは普通、介護保険でレンタルするのだと思う。しかし、私と妹は相談して、介護保険認定前に両親のベッドを購入して、寝室を1階に移すことにした。理由はいくつかあった。

 両親は2階の寝室で布団を並べて寝ていた。母が入り口側だ。
夜間、父がトイレで布団から立ち上がるのが不安定で、転倒のリスクが高い。すでに時々転倒している。そのつど母が起きなければならず、疲れてしまうこと。

 さらに布団の管理を減

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デイサービス利用開始〜遠距離介護記録9

デイサービス利用開始〜遠距離介護記録9

 見学したAデイサービスには、ここはちょっと、と気になるところがなかった。他へ見学に行きたいとも思わなかった。妹も同意見だった。母は新しい情報のインプットで手一杯の様子。

 Aデイサービスを試してみることにした。

 初めは体力が保ちそうにないので、おやつなし3時まで。入浴はなし。父は入りたがらないだろう。もし入浴しても忘れて、リウマチの身体を温めないと寝られない、と夜入るだろう。  

 まだ

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夜中の転倒と母の希望「デイサービス」ー遠距離介護記録8

夜中の転倒と母の希望「デイサービス」ー遠距離介護記録8

 夜中、ガシャンという音で飛び起きた。半分開いてるふすまの向こう、父母の寝室に行くと父が母のベッド横に倒れていた。

 呼びかけに返事はしてるから、ただの転倒だろう。手伝って起こすと「トイレ、トイレ」と言っている。腕にズル剥けの出血があるが、パジャマが吸っている。支えてやれば歩けてトイレに行けた。

 その後ケガの手当てをして寝かせた。何ヶ所か打ち身もあるだろうが、骨折はなさそう?もう明日でいい。

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転倒と訪問看護はじめー遠距離介護記録7

転倒と訪問看護はじめー遠距離介護記録7

 ケアマネさんと相談の上、まず置き型の手すりをレンタルすることにした。玄関上がりかまちと門扉横だ。

 父は一番早く起きた朝、トイレへ行く前に、朝刊を取りに行く。台風の雨の中でも、ぞうりを引っかけノロノロと、パジャマの裾をビチャビチャにしながら。

 夕刻には、窓越しにポストに何か入っていないかじっと見つめて、取りに行く。

 そんな時の安全対策だ。手すりはいらない、介護など必要ない(家族に世話さ

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ケアマネさんを決めるって、ここから?ー遠距離介護記録5

ケアマネさんを決めるって、ここから?ー遠距離介護記録5

 要介護2で届きました、と包括の担当者に連絡したら、「ではケアマネさんを選んで下さい」と言われた。

 どういうこと?要支援の間は包括でみるけれど、要介護になったら別のケアマネさんを選ばなければいけないらしい。

 ケアマネージャーリストを見るものの、名前と所属、所在地だけの名簿を見てどう選べばいいの?

 妹と相談しながら考えた。デイサービスなどの施設付きのケアマネさんではなく、独立型の居宅介護

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1か月後の再診ー遠距離介護記録4

1か月後の再診ー遠距離介護記録4

 父は良くなってきているように見える。硬膜下血腫は吸収されているのだろうか?

 「老衰宣告」医師の予約日。

 着替えなど手伝い、朝食もそこそこに、妹とふたり、なんとか予約時間より30分前に連れて行った。
 前回は前日にお願いしたけれど、今回は1か月前からの予約だから、そんなに待たされないだろうと思っていたのは勘違い。

 先にM R I検査。恐ろしく混んでいる。40分待っても呼ばれない。通りが

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習慣を変え始めた1か月ー遠距離介護記録3

習慣を変え始めた1か月ー遠距離介護記録3

 次の受診まで服薬だけで1か月。

 妹とスケジュールをやりくりして 交代で泊まることにした。母がひとりで父の世話をしながら家事をこなすのは無理だ。転んだ父を起こそうとして一緒に倒れるか、精神的に追い詰められるか、どちらかが目に見えていた。

 父は鎮痛剤を切らさず飲んで頭痛を抑えていれば、寝たきりというわけではなく、身の回りのことはゆっくりと、小さな失敗はしながらもだいたい出来た。言葉を交わし意

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誰が入院させてと言った!?ー遠距離介護記録2

誰が入院させてと言った!?ー遠距離介護記録2

 救急当番医は、大学病院ではこの年齢の慢性硬膜下血腫の手術をしてくれない、地域基幹病院の名をあげ、そちらの方がいいからと紹介状を書いてくれた。鎮痛剤ももらい、迎えの妹の車で帰った。

 夜間も自分の状況を分かっていない父は、よろよろと布団から起き上がりトイレへ行く。転倒リスクは高い。前立腺癌は緩解しているが、ずっと頻尿だ。

 そのたびに横で寝ている母、あるいは隣室で扉を開けて寝ている私が、付き添

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救急車を呼んでいいの?ー遠距離介護記録1

救急車を呼んでいいの?ー遠距離介護記録1

 数年前から父の物忘れはゆっくりと進んでいた。
 物忘れを診てもらおうという誘いには全く乗らず、自分はどこも悪くない、と頑固に言い張っていた。

 アルツハイマーだろうから受診したところで、物忘れが良くなることはない。無理にあるいは騙すように言いくるめて受診しても、無理強いされたことはまだ覚えていそうな段階だ。

 家長気質の強い父と、ずっと離れて暮らしていた長女の私。関係を悪くして言うことを聞か

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