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結果を出せる「ポートフォリオメディア」 ① デザイナー就活者☆必見

就活を控えている美大生、デザイン職の中途採用を目指す30代までの方々に向けてお話します。私が教壇にたつ常葉大学での広告デザイン表現研究の一部の「ポートフォリオ制作」のレクチャー内容をnoteのみなさんと共有できたらと思います。数回に渡って綴っていきます。以下がコンテンツです。

1 なぜポートフォリオが必要か
2 「採用側視点」でポートフォリオを考える
3 ポートフォリオのデザインの仕方 
※次回から綴ります
4 ポートフォリオの形態を考える
5 ポートフォリオのデザインプレゼンテーション
6 就活に向けて行う重要なこと



1 なぜポートフォリオが必要か


私は現在、静岡の常葉大学の造形学部で大学2年生と3年生にブランディングデザインと広告デザインを教えてます。その3年生の後期授業では広告デザインを教えながら「ポートフォリオ」の作り方を教えてます。
この生徒たちは、来年に就活が控えており、そろそろインターンシップで学外で社会経験をつむ人たちが出てきます。
これから3年生に必要なものが何か考えたときに、就活の少しでも助けになる授業をしてあげたいという考えから、今年のカリキュラムに「ポートフォリオ制作」と「広告デザイン研究」というものを組み入れました。

ちなみに、ポートフォリオとは学生も含めたデザイン職を目指す方々だけが作るものだと認識されているのだとしたら、それは大きな間違いだと言えます。
デザインキャリア16年目になりますが、それでも私はポートフォリオを作り続けます。更新をやめません。理由はやめれないからです。仕事をし続ける限り、実績は増えていきます。それに伴い、表現のプラットフォームにも情報のアップデートが必要になります。これには私の場合は、ホームページとインスタグラムが中心に行なっています。

ただ、付け加えると、「就活のためのポートフォリオ」と「実績紹介のためのポートフォリオ」とは同じ作り方にはなりません。その理由は「見る側の視点が違う」ということになります。これは後ほど説明します。


では改めて、「ポートフォリオ」とは何か? ですが、それはただ作品を集めただけのものではありません。


「自分をより高い価値で、判断してもらうための武器」



と捉えてください。
みなさんが履歴書に書いた内容、学校での成績をも超えて、一人歩きできるだけの強い発信力になり得ます。クリエイティブ職では、それほど重要視されるものと思っていただいても構いません。





2 「採用側視点」でポートフォリオを考える


一般職に就職するにしても、バイトをするにしても、通常は履歴書のテンプレートを入手して入念に記入して応募すると思います。クリエイティブ職につく場合、この一般職の方々が使うテンプレートを埋めるだけで採用されることが余程特別な理由がない限りないです。
理由は、新卒でも中途でも比較的「即戦力」としてか、「将来性」が採用側の判断材料となるからです。
そうなると、採用側はその応募者が


「何を作れるか?」を知りたいわけです。



ここでポイントですが、「何を作りたいか?」ではないです。
クリエイティブ職では業務未経験の場合は、未経験なりに作品を作ってプレゼンテーションをすることが求めれます。

ではポートフォリオを通じて、相手に伝えられるものとは何でしょうか?

・作品の内容
・作品のクオリティー
・作品のまとめ方
・作品のコンセプトメイキング、プロセス紹介
・作品のカテゴライズ、編集力
・パッケージも含めたプレゼンテーション
・クリエイターの経歴
・クリエイターからのメッセージ

これだけ書くとなんとなくお分かりいただけると思うのですが、履歴書にいくら「できる」と書いても、採用側は「実際にできるのかどうか」は判断がつかないわけです。それを相手に判断してもらう材料がポートフォリオと考えてください。

では、次に採用側がクリエイティブポジションにおいて、「未経験者」を採用する場合に、採用基準は何になるか考えてみたときに、以下の内容が想像できると思います。

人間性
学校の成績
出身校
コミュニケーション能力
作品と質疑応答の一貫性
ポートフォリオ

就職先の会社規模にもよるのですが、未経験者にいきなり大きな仕事を一任されることはないと思います。そうなると初めは「アシスタント」業務を兼任か専任というポジションが考えられます。そうなるときに重要なことは、当然ですが、職場の人たちと円滑なコミュニケーションが取れるかどうかです。ですので、人間性やコミュニケーション能力は良さを、質疑応答で測れれるはずです。あとはポートフォリオです。ここを重要視されるはずです。採用側が用意しているポジションがアシスタントからデザイナー、デザイナーからアートディレクターへと、人材育成を視野にしている場合はなおさらです。
ちなみに私の主観となりますが、「出身校(美大系かどうかは別です)」とか「学校の成績」というのは、余程の大手広告代理店、有名なデザイン制作会社を目指さない限り、重要視されることはないです。それよりポートフォリオと人間性や受け答えの方が重要になります。


あらためて、採用側視点を以下にまとめてみました。ご参考ください。それぞれに質疑応答で判断されるものと、ポートフォリオから判断されるものが異なります。

・自社の必要な人材とマッチするか(→質疑応答とポートフォリオで判断)
・業務に必要なデザインスキルはあるか
(→ポートフォリオで判断)
・自社実績と応募者のデザイン作品性が近いか
(→ポートフォリオで判断)
・コミュニケーション能力は高いか
(→質疑応答で判断)
・長く働けるか(→質疑応答で判断)


次回は「3 ポートフォリオのデザインの仕方」から綴っていきます。




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