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「本音」と「正解」をぶつけ合え~デスペラード vs YOHの煽りコラム~

デスぺさん、SHO選手のpodcastを聞いてみてください。YOH選手が己の哲学を語っています。

「キャラクタープロレスの否定」と「他人をけなしたくない」という二点が頭に残りました。真っ先に連想したのは、プロレスリング・ノアの創設者である故・三沢光晴選手。

彼はよく「何でプロレスラーは大事な試合の前になると新聞とかコメントでいろいろ吹かなきゃいけないの?」「相手に向かってぶっ殺すとか、そういう時代はもう終わった」と話していました。

同じようなことは、いまノアに上がっている船木誠勝選手も言っています。「プロレスラーは本音でしゃべれよ」と。

「闘いが全て」というストイックな姿勢は、一方でリング上の攻防過激化を加速させたと見られています。プロレスの満足指数が100あるとしたら、彼らはその全てを試合だけで生み出そうとしたのです。

一方コメントやパフォーマンスで20~30を補えば身体への負担を抑えられるし、新規ファンを会場へ呼ぶキッカケにもなります。

実際デスペ選手の前哨戦の盛り上げ方は素晴らしい。リングでは「おまえに負けたくない!」と生の感情をぶつけ、コメントやSNSでも挑発を繰り返す。この一連のプロセスを通じて「タイトル戦はどうなってしまうのか」という期待感を煽るわけです。

こういう手法を「時代遅れ」とは思いません。むしろ「プロレスならではの面白さ」であり「衆目を惹きつけるミッションに欠かせぬ叡智」でしょう。でも三沢選手らが投げ掛けた疑問にも軽視できぬ何かを感じるのです。

散々罵倒されても己を曲げず、あくまでも「本音」しか口にしないYOH選手。彼の真意はあまり伝わっていません。言葉が少ないから。でもこのご時世でツイッターとインスタをやめた覚悟は、現代のあらゆるトレンドに向けたアンチテーゼでしょう。彼はそれを正しいと考え、実行したわけです。

本番では互いのイデオロギーが激しく衝突するはず。プロレスは人生の縮図と言われますが、絶対的な正解がない点もそう。「本音」と「正解」を赤裸々にぶつけ合うことで何が生まれるか。4.28のタッグ王座戦、5.4のシングル王座戦、ともに楽しみです。


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