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「言葉の重み」と「真剣勝負」

このnoteで最終巻の内容について書く気はありません。

そのうえで↑の記事や動画について一言だけ。

悪くないです。伝わるものがたしかにありました。

けど。

使われている言葉が軽い。いやそうじゃないな。言葉の使われ方が軽い。不遜にもそう感じてしまいました。「命よりも、感動のために生きたかった人たちの物語」「信念と命を懸けた」云々。

決して間違ってはいないです。とてもわかる。言わんとすることは心の底から理解できます。でもやはりしっくり来ない。

そんな納まりのいい、いかにもそれらしいフレーズに集約してもいい物語でしょうか? 特に昨日の一件もあって「命」という言葉の重みが頭から離れません。

しばらく思索に耽り、1巻からすべて読み直しました。激務に加えて連日の猛暑でへろへろ。でもそんなことは言っていられない。気軽にページを捲れる内容ではないので、相当気合を入れて挑みました。

3年前に亡くなった瀧本哲史さんが「読書は格闘技」という本を書かれています。

「もしかしたら、いまのこの感覚に近いのでは」と考えました。物語、テーマ、キャラクター、そして著者との真剣勝負。何かを奪い合ったり結果を競い合ったりするわけではなく、でもそうとしか言い表せない本気の勝負。

すべての本とこれを完遂できるわけではありません。私の熱意と力が足りなければ途中で息切れしてタオルが入ります。作品の方に原因があって成立しなかったケースもなくはない。

でも「チ。―地球の運動について―」は違います。

この魂を熱く燃え上がらせるマスターピースについて、いまの私が書ける推薦文らしきものは↓だけです。

100%本気で読んでください。本気でぶつかればそれ以上の本気で応えてくれる「鏡」のような作品です。

言葉は便利。且つ大事。だからこそ安易に用いるべきではない状況もある。共に生きましょう。

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