見出し画像

「待望の実写化」と「シェア型書店」

2022年に「塞王の楯」で直木賞を獲った今村翔吾さんの時代小説「イクサガミ」が、Netflixで実写化されます。岡田准一さんが主演、プロデューサー、アクションプランナーを務めるとのこと。

なお原作はまだ完結していません。「天・地・人」の三部作とされていて毎年一冊ずつ出ているので、今年中に「人」が刊行されるはず。

コミック版も出ています。こちらは現時点で3巻まで。

明治11年の日本を舞台にした「バトル・ロワイヤル」であり、三浦建太郎「ベルセルク」やコーマック・マッカーシー「ザ・ロード」みたいな守りながら旅をするロードノベルでもあります。

最も感銘を受けたのは、キャラクターの描き方。料理でたとえるならメインとなるステーキだけではなく、鶏のから揚げにも下味が付けられている。このひと手間があるのとないのとでは、展開の重みと物語のダイナミズムがだいぶ変わってきます。作品や読者に対する今村さんの熱と愛情をひしひしと感じました。

今村さんといえば、もうひとつニュースが。

明日4月27日、神保町でシェア型書店「ほんまる」がオープンします。

住所は「千代田区神田神保町2-23-5 北井ビル1階・地下1階」で、営業時間は11時30分~19時。店名は「ほん屋が始まる」の最初と最後の言葉から取ったとのこと。

お金を払って棚を借り、好きな本を並べる。関心があります。

「好き」と「商売」の折り合いは職場で日々取り組んでいること。しかしジャンルに関係なく己の選んだ本を置き、お客さんに吟味してもらうのはまた趣きが異なります。ましてや自分のお金を出すわけですから、より経営者に近いシビアな目線が求められる。

雑多に好きな本を並べるか、あるいは通底する文脈を持たせるか。双方をアウフヘーベンした感じにできないか。想像しただけで胸が躍ります。

興味のある方はぜひ。

この記事が参加している募集

推薦図書

仕事について話そう

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!