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「口実」ではなく「救世主」として

とてもいい記事です。

私の職場にもセルフレジが置かれています。しかし限られた決済手段しか使えません。ゆえに有人レジの前にだけ長蛇の列ができ、セルフは常に閑古鳥。なまじ導入したために人件費が抑えられ、でも従業員のレジ時間はまったく減っていない。

これでは意味がありません。

光和コンピューターの多田取締役は「人件費の抑制なのか効率のアップなのか、目的をはっきりしないと効果があがりにくい」とおっしゃっています。前者をやりつつ後者も達成するのが書店サイドの打算でしょう。人件費を削るだけでは効率は却って悪化してしまう。

少なくなった店員のレジ負担を軽減し、浮いた時間で他の業務をおこなえるようにし、早出も残業もせずに帰る環境を整える。これが理想のはず。

そのためにはクレジットや図書カード、そして主要電子マネーの決済に対応できるシステムであることが欠かせません。レジ袋の購入も、お客さんが自分でできるようにしないと不便でしょう。くまざわ書店・田町店が袋にバーコードを入れたのは秀逸なアイデアです。

ご高齢の方への接客や商業施設のポイントを付けるなど、従業員のサポートが必要なケースももちろんあります。それはそれで臨機応変に対応すればいい。店員がセルフレジの横に常駐しなくていいのが理想です。

その点、啓文社岡山店は素晴らしい。フルセルフレジ6台とコミック用のセミセルフレジが1台(セミでは店員がスキャニングし、シュリンクパックを外して防犯タグを回収する)。つまり有人レジがないのです。それでお店が回っているのだから本当に羨ましい。

せっかく導入するのならセルフレジには「救世主」であってほしいです。というか、そういう使い方をできるお店にだけ置けばいい。人件費を削る「口実」にするのだけはやめていただきたい。

現場からは以上です。

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