見出し画像

ささやかな「人生の目標」

昔の洋楽はお好きですか?

大学時代、ビートルズのアルバムをBGMに発表用のレジュメや小説を書いていました。いちばん聴いたのは「ラバー・ソウル」です。

このアルバムには「エース or 4番クラス」の突出した代表曲はありません。「ヘルプ!」における「イエスタデイ」や「ホワイトアルバム」における「ホワイル・マイギター・ジェントリー・ウィープス」のような。でも全ての楽曲が各々の役割をきちんと果たし、収録順も絶妙です。他の選択肢はあり得ないほどに。

プロ野球でたとえるなら、90年代の野村ヤクルトのような適材適所の完成形。ヒット曲だけを集めたベスト盤を思わせる長嶋ジャイアンツを圧倒したのが痛快でした。

いまも私は必ず1曲目の「ドライブ・マイ・カー」からスタートします。サビのピアノが頭に焼き付くのですが、あれは作曲者であるポールの演奏。さすがです。歌詞はジョンに駄目出しされてふたりで書き直したとか。

そういえば「ノルウェーの森」や「ドライブ・マイ・カー」といった収録曲の題を自作のタイトルに用いた村上春樹さんはヤクルトファンとして知られています。あと私の記憶では、春樹さんのいちばん好きなビートルズのアルバムがまさに「ラバー・ソウル」でした。そして私は彼の小説が好きで野村ヤクルトの大ファン。興味深い偶然です。

好きな人の好きなものを、その人とは関係なく自分も好きだった。「好き」という現象が他の事実から裏取りされたようなこの状況が私は好きです(ややこしい)。あと好きな人の好きなものを、その人を好きになってから好きになるのも楽しい。好きの二重奏というか、本来ロジックの要らぬものに理由まで加味されたらまさに敵なし。

結局私が何を言いたいかっていうと「好きという感情は連鎖する」「その連鎖を広げていくことがささやかな人生の目標」ってこと!

この記事が参加している募集

最近の学び

思い出の曲

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!